こんにちは、ピコシムです。
が、はてな匿名ダイアリーに投稿されてから、そろそろ1年になります。
国会でも取り上げられ、流行語にもなりました。
相変わらず待機児童は社会問題となっていますが、その先進的な取り組みによって待機児童数を減少させた横浜市について、市民から疑問の声が上がっています。
政令都市の待機児童数
出典:保育所等関連取りまとめ 厚生労働省(H28.4.1)
画像はご自由にご利用ください。
横浜市から保育園落選の通知と一緒に「横浜市では待機児童のことを保留児童っていうんやで。だから待機児童はゼロなんやで」という文書が送られてきた。これは喧嘩売られてるんだろうか
— あいださん (@aidasansan) 2017年1月31日
夫婦でフルタイム勤務で保育園落ちて、どうしろというのか横浜市よ(´-ω-`)
— み ら い (@srgnmzk) 2017年1月28日
そして息子に付いた名称は“保留児童”。横浜市はどうしても待機児童ゼロを掲げたいのか。
待機児童もいじめもゼロの横浜、素敵な街デスネ。#保育園
そう、残念ながら、これが横浜市の待機児童ゼロの実態。定義を変えて、問題を隠蔽する。すると、批判が薄れ、対策のモチベーションも下がる。横浜市民は、もっと怒った方が良い。 https://t.co/9ljmNBLkbh
— 駒崎弘樹@赤ちゃん縁組支援中 (@Hiroki_Komazaki) 2017年1月31日
横浜市は待機児童を劇的に減少したかのように見せかける
2013年の東洋経済では、横浜市の待機児童政策が市長のリーダーシップで大きく改善したと大々的に報じられました。
画像出典:横浜市、「待機児童ゼロ」への限りなき挑戦 | この街の論点! | 東洋経済オンライン |
横浜市は長年、「日本でいちばん待機児童が多い」自治体として有名だった。
2010年時点の待機児童数は1552人と、全国でワーストワンだった。が、BMW東京やダイエーなどで経営トップを歴任したことでも知られる、林文子市長が就任し、対策を矢継ぎ早に打ち出し、今年4月、その数をついにゼロにしたのだ。
保育所の定員が毎年右肩上がりになり、待機児童が激減しています。これを見ると横浜しは待機児童がゼロで素晴らしい!と思ってしまうのですが、ゼロゼロ詐欺でした。
東洋経済さんは、もっと正しい記事を作っていただきたい。
保留児童に定義を変更して待機児童をゼロにする
保留児童という聞きなれない言葉は、非常に便利です。
横浜市の~コラム~ 保留児童と待機児童ってどう違うの?ホームページによると
Q保留児童と待機児童ってどう違うの?
保育所に入所申込みをした結果、定員超過等により入所できなかった児童を「保留児童」といいます。
もともと待機児童って名前だったやつを、保留児童に変えただけでした。
調べたところ、
待機児童数 とは
保留児童数(保育園を希望したけど入れなかった)
- 横浜保育室等入所者数(横浜市が独自に設置した施設に入れた)
- 育休取得者数
- 特定園等希望者数(希望の保育園に入れなかった)
- 主に自宅で求職活動をしている家庭数
(保育園がないので就業できない and 就業できないから保育園に入れない)
の人たちは、待機児童に含まれません。
つまり、統計情報に載らないのです。政策が正しく反映されません。
また、以下の人たちも、待機児童に含まれません。
- 家庭的保育事業
- 幼稚園預かり保育
- 事業所内保育
- 年度限定型保育事業
- 一時保育・乳幼児一時預かり施設の利用者
ちなみに、
☆保留児童の方も待機児童の方も入所選考の対象であることに違いはありません。
と、横浜市のHPにフォローの文面がありますが、気休め程度にしかなりません。
待機児童数は、横浜市の場合、『保留児童数』にカウントされます。
- 横浜保育室に入所した児童
- 育児休暇取得者の児童
- 近くに空きがあるのに、入所を希望しない児童
- 主に自宅で求職活動をしている家庭数
1、3は早急に待機児童とは言えなくもないけど、2、4番はまさに待機児童の可能性が高くなりそう。
2の人は、育児休暇が終わって、保育園がない。退職。→4に転落。
4の人は、自宅で求職活動をしていて、就職できても子供を預けるところがなければ、働けないですよね。働けないと求職活動を続けなければならないので、無限ループに陥ります。
1〜4の人数がどのくらいあるのか重要でしょう。
2016年マイナビニュースによると、
横浜市は4月26日、2016年4月1日時点の待機児童数は7人だったと発表した。
保育所の利用申込者数は6万1,873人と過去最多となり、希望通りの保育所を利用できないいわゆる「保留児童」は3,117人と2015年の同時期と比較して583人増えた。
保育所の利用者申込数は過去最大の一方、保留児童は3000人越えになったと報じられています。横浜市との見解が違います。
横浜市の報告書を見ましょう。
出典:平成 28年 10 月1日現在の保育所等利用待機児童数について 横浜市
保留児童だけで、5,969人います。4月以降に産まれたり、転入してきた人たちがいるので当然増加します。
もちろん、保育所が空くのを待っている人たちがいます。
横浜市の中でも港北区は保留児童が多い地域です。下の図は延べ待ち人数
一人で複数の保育所に応募しているので、どこも延べ人数が多く表示されています。
一方、港北区の保育所の空き情報は、どこも埋まっています。
空きが出るまで、子供を預けて外に働きに行くことは難しいでしょう。
公明党では横浜市の取り組みを評価
小林市長の所属する公明党のHPは待機児童が
横浜市の林市長の待機児童減少の成果は、所属政党の公明党のHPでも見ることができます。
横浜市の待機児童は、12年4月には179人、13年4月にはゼロを記録するなど劇的に減少、昨年も20人と低水準を保っています。
確かに保育所定員は、2003年から2014年までに、2万4983人から51,303に増加してい
しかし、保留児童は3000人以上いるので、実態と成果がおかしなことになっています。
川崎市も保留児童が2,554人に対して、待機児童数は6人!
出典:平成28年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について
川崎市も、横浜方式を導入しました。利用申請者と利用児童数が一致していないのに、待機児童数が減少しています。
この方法では、確かに待機児童数が減少しました。
これは、横浜市の林市長の手腕というか、数字のトリックというか、定義を変えて発明して、横浜市民も川崎市民も安心して保育園が利用できると思い込んでしまいそうです。(落胆が半端ない)
出典:平成28年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について 川崎市
このグラフからも、待機児童の折れ線グラフが急激に右肩下がりになっています。
待機児童の定義を独自に解釈して、保留児童という名前にしたことで、公約は達成されました。
川崎市民の声
@inko_chibitter さっき、ちょっと調べたら、川崎市って、待機児童はその定義としては確かに0人だけど、保留児童(私みたいなの)は2000人くらいいるみたい。詐欺ですよね…。
— satomi ikoma (@satomilky) 2017年1月28日
厚生労働省は待機児童の定義を自治体にお任せ
待機児童の定義は自治体によってバラバラです。
しかし、待機児童を解消するプランを実行するには、各自治体から統計を取ります。
今あなたの自治体には何人の待機児童がいますか?と。
少なく見せた方が評価が高いので、ちょっとズルしちゃいました。テへへ///
その結果が、冒頭に出てきた表 ↓
政令指定都市は待機児童数が1ケタが9都市に
出典:保育所等関連取りまとめ 厚生労働省(H28.4.1)
画像はご自由にご利用ください。
すでに待機児童問題が解消したんですかね?
某国のスパイが政府の内部に入って、国民を陥れようとしてるんですかね?
何なんですかね一体?
現場では、多くの職員の方が保育所を増設するために、多大な努力をされていると思いますし、
横浜市や、川崎市も、相当前から待機児童解消するために、担当者や関係者は日々奮闘しているはずなのに、あんまりじゃないですか。
全国の住民の方々の苦情・お怒りのお言葉
待機児童ゼロ 新潟市
待機児童ゼロと公表していることが腹立たしくてなりません。他県に比べ数は少ないにしろ、保育園に入れず困っている人間がいることは事実です。何をもってゼロとしているのでしょうか。
待機児童ゼロ 名古屋市
筆者が住む名古屋市では、国が定める定義での待機児童はゼロと発表されています。しかし、周りのママたちを見ていると、とても待機児童ゼロとは思えない状況。
実際、今回筆者も第6希望までの全ての認可保育園が不承諾という結果になりました。
待機児童ゼロ 京都市
京都市は待機児童0をうたっていますが、それは数字を操作した生み出した0です。
本当は京都市にもたくさんの待機児童がいて、その後ろには保育園に子供を入れないと働けず生活が厳しいとか育児休暇からの復帰ができず仕事を辞めざるを得ない、といった家庭がたくさんあります。
待機児童ゼロ 北九州市
@yuka_dngr 変わらない気がする(´・ω・)
— さ く Dngr@1y7m♂育児垢 (@umksk_96) 2016年3月12日
テレビでは、北九州市待機児童なし!って言われてたけど、実際は、空き待ちのママたくさん居るってさ。
おい北九州!うちはいつまで待機児童なんや💢
— U-ONE (@UxxxONE) 2016年3月23日
待機児童ゼロ 熊本市
@aidasansan 熊本市も同じく保留児童と言い、待機児童ゼロになりましたと唱っています!マジふざけんなですよ!
— たこ (@yu_mi_camp) 2017年1月31日
熊本市、待機児童0ってことになってるけどうちずっと待機してるのよね。要はもう仕事が決まってる人しか待機児童にカウントされないんだろうな。これから仕事始める人は入れない入園認定制度に一切触れず保育園に入れないのなんの言ってる議論の空虚感すごいわ
— 日本農園 (@nihonnouen) 2016年12月2日
もう、子育て世代は政府にも、役所にも、議員にも舐められています。
もはや、大本営発表としか言いようがありません。いろいろ末期なんですかね。
東京新聞では、厚生労働省が発表した2万3000人の倍以上の6万7000人という試算がでいます。
保育所を急激に増やせないのはわかりますが、ゼロって言ったら嘘になります。
待機児童の用語の定義を変更しても、事態は何も変わりません。
意図的な発表を繰り返すと国民の政府への信頼がなくなりますよ。
政府が正しく統治できてないんじゃないですかね。
間違いなく歴史は繰り返されます。
今後も、同じように用語の定義を勝手に変更して、都合の良い統計が発表されてもおかしくないと思うのは私だけでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!