福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑を執行された久間三千年(くま・みちとし)・元死刑囚(当時70歳)の再審請求即時抗告審の3者協議が1日、福岡高裁であり、岡田信裁判長は警察庁科学警察研究所(科警研)の技官が実施した血液型鑑定の手法について検証しない判断を示した。
事件では、被害女児2人の体内などから複数の人物の血液が混じった「混合血液」が見つかり、科警研の技官が血液型鑑定を実施。被害児童の血液型の他に久間元死刑囚と同じB型の血液が混じっていると結論付け、有罪認定の根拠の一つとされた。犯人の血液型はAB型と主張する弁護側は「技官の鑑定手法では犯人の血液型をB型と断定できない」として、別の専門家に鑑定手法の検証を依頼するよう求めていた。
次回の3者協議は5月18日に予定され、実質的な審理を終える見通し。【吉住遊】