介護が必要になった原因として一番多いのが、脳血管障害で約23%を占めております。

脳血管障害の後遺症は、脳の損傷部分の反対に出ます。

右大脳半球の障害では左麻痺となり、左大脳半球の障害では右麻痺となります。

伴いやすい症状も脳の損傷部分によって違います。

左大脳半球の障害で右麻痺の方は、失語症の症状が出やすくなります。

失語症とは、他人の話すことは理解するが、話そうとすると言葉にならない「運動性失語」と
他人の話すことを理解することが難しい「感覚性失語」があります。

右大脳半球の障害で左麻痺の方は、失行、失認、半側空間無視、高次脳機能障害の症状が出やすくなります。

失行   洋服の着方、道具の使い方等、今までできていたことができなくなります。

失認   見ているもの、聞こえてるものが認識できない。 知ってる人でも誰だかわからなくなります。

半側空間無視   見えてはいるが左右(左側が多い)どちらかの存在を認識できない。

高次脳機能障害   失語、失行、認知、情緒、人格などの高次の神経が障害されてる状態をいいます。

固有名詞をあげて申し訳ありませんが、長嶋茂雄氏は右麻痺ですから軽度の失語の後遺症が出てます。
右麻痺ということは、脳梗塞で左大脳半球の障害を受けられたと思われます。

右のポケットに手を入れてはおられますが、スポーツ観戦もされますし、国民栄誉賞の受賞のインタビューを受けられても理解されておりましたから、失語の中の「運動性失語」だと思われます。

介護する上で、左右の麻痺によって、介護のやり方もちがってきます。

例えば右麻痺で失語の後遺症のある方には、「閉じられた質問」と言って「はい」「いいえ」で答えられる会話をしたほうがいいです。
例えば「薬はもう飲まれましたか?」という具合です。

逆に「開かれた質問」はしない方がいいです。
例えば「明日は何をされますか?」という具合です。

左麻痺の方は障害の程度によって、かなり難しい介護になることもあります。

まあ今日のところは、脳血管障害は右麻痺、左麻痺によって後遺症も介護のやり方も違うのだと覚えて下さい。