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【社会】

軍事研究「学問の自由危うい」 応募反対の署名2600人超

記者会見する池内氏(右端)ら=31日、参院議員会館で

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 大学や民間研究機関の軍事転用可能な研究や技術に防衛省が助成する制度を巡り、研究者らでつくる軍学共同反対連絡会は三十一日、都内で記者会見し、助成制度に応募しないよう求める二千六百筆超の署名が集まったと発表した。署名は昨年十二月から集め、今後は全国の大学に提出する予定だ。

 助成制度は二〇一五年度に始まり、一六年度は応募が半分以下の四十四件にとどまった。しかし、政府は一六年度六億円だった予算を、来年度以降五年間で百十億円に急増させた。

 連絡会共同代表の池内了(さとる)名古屋大名誉教授は会見で「このような資金が研究に流れ込めば、研究の自由、学問の自由が担保されるのか。危機感を覚える」と訴えた。一橋大大学院の鵜飼哲(さとし)教授は「殺される側の人々の立場から、物事を見る知識と想像力がいまこそ求められている。文系理系の枠を超えた立場で話し合いを行うことが必要だ」と話した。

 全国の大学では助成制度への応募を認めない動きが出ている。京大は部局長会議で、防衛省の研究費を受けることは好ましくないという指針を確認。昨年十二月以降、関西大、明治大、法政大が相次いで、制度に応募しないとする声明を発表した。

 

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