荒川がWBOアジアパシフィック王座獲得 世界ランク入り確実に
「ボクシング WBOアジアパシフィック・ライト級王座決定戦」(31日、後楽園ホール)
サウスポー同士の一戦は同級2位の荒川仁人(ワタナベ)が同級13位のアンソニー・サバルデ(フィリピン)を3-0の判定(115-113×2、116-112)で下し新王者となった。
「振ってくるので気を付けたい」と相手を分析していた通り、1回から強烈な左右のフック、ボディーに手を焼いた。「石原トレーナーから言われていた平行ガードの上からだった」と振り返ったが、侮れないサバルデの攻撃性に場内が不穏な空気が流れた。
だが35歳のベテランはジャブを突き、左右にボディーを打ち込みながら次第にペースを引き寄せていく。4回、6回にはきれいなワンツーを決め、7回は左カウンターで顔をゆがませた。8回に左ストレートを浴びてロープまで飛ばされたが「あれはバランスを崩しただけ。想定の範囲内だったので冷静に戦えた」と言う。
直後の9回、一気に攻勢に出た。足を使いながら上下に打ち分ける連打で圧倒。続く10回も左ストレートの連打で、相手を棒立ちまで追い込んだ。ここはゴングに逃げられたが、ペースを握り続けて12回を戦い切った
。
「(9回からは)相手が落ちてるのでフィニッシュさせるんだという姿勢でした。どちらかといえばディフェンスの練習をしてきた。攻撃面では肩口から打ち下ろす真っすぐ。練習してきたことはできたが倒し切れればよかった」と振り返った。
日本、東洋太平洋に次いで3種類目のベルトを腰に巻いた。「アジアパシフィックはまだ歴史がないけど、どんなものにもスタートがあるし、未来をつくっていける」と話した。WBO世界ランク入りを確実とした荒川が、新たなステージに向かう。