「日本軍が慰安婦を集団殺害」 韓国国定歴史教科書に記述へ

韓国教育部、国定歴史教科書の最終本を公開

 朴正煕(パク・チョンヒ)時代に起きた個別の事件についての記述も修正した。朴正煕政権美化という批判があったセマウル運動(韓国の農村改革運動)関連では「官主導の意識改革運動になっていく中で」と批判的記述を追加した。1967年の「東伯林(東ベルリン)スパイ事件」に関しても、「捜査機関の人権弾圧については説明していない」という批判を受け入れて「中央情報部が捜査の過程で多くの拷問や人権弾圧をほしいままに行い」という記述を追加した-と教育部は説明した。

 また、光復(日本の植民地支配からの解放)直後に活動した反民族行為特別調査委員会(反民特委)の限界も明示した。現場検討本(高校)では「反民特委はおよそ680件の反民族親日行為の事案を取り扱ったが、実刑が言い渡されたのはおよそ10件にすぎなかった」という記述になっていたところ、最終本では「実刑が言い渡されたのはおよそ10件にすぎず、親日派の清算は不十分だった」と修正された。被害者など関連団体が「縮小・歪曲(わいきょく)した記述」と反発していた1948年の済州4・3事件についての内容も補完された。現代グループの鄭周永(チョン・ジュヨン)、柳韓洋行の柳一韓(ユ・イルハン)など実業家に関する部分については「主観的な記述は排除した」と教育部は説明した。

■野党・市民団体は反発

 最大野党「共に民主党」の兪銀恵(ユ・ウンヘ)議員や都鍾煥(ト・ジョンファン)議員など野党側は31日「最大の問題だった朴正煕大統領の美化部分は依然として9ページもあるなど、一つも変わらなかった」「教育部は直ちに国定教科書を廃棄すべき」という声明書を出した。ソウル市のチョ・ヒヨン教育監(教育委員会の教育長に相当)は「教育部が国民的批判を意識してやや修正・補完を行ったが、全方位的批判を免れるため新たな記述を付け加えるという形で修正しただけ。国定教科書政策の廃棄のみが、韓国の歴史教育を生かす事業」と主張した。

李先敏(イ・ソンミン)記者 , キム・ヨンジュ記者
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