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 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が複数の店舗で社員に違法な時間外労働をさせていた疑いが強まり、厚生労働省東京労働局が昨年夏に労働基準法違反の疑いで同社を強制捜査していたことが分かった。東京労働局は、法人としての同社と関係者を書類送検する方向で捜査を進めている。

 厚労省関係者によると、広告大手、電通の強制捜査にも入った同労働局の「過重労働撲滅特別対策班」(かとく)が捜査にあたっている。これまでの捜査で、複数の店舗で、労使で決めた時間外労働の上限を超えて社員に違法な残業をさせていたケースが見つかったという。社員の勤務記録などを詳しく分析しているとみられる。

 HISは昨年7月に東京労働局から強制捜査を受けたことを認めた上で、「社長をリーダーとした社内プロジェクトを立ち上げ、長時間労働削減に向けて取り組みを行っている。現状では労務管理上の違法状態は解消している」とのコメントを出した。