総務省が31日発表した2016年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、北海道からの転出超過数(日本人のみ)は6874人と15年に比べ22%減った。21年連続の転出超過となったが、超過数は2年続けて減少している。
転出者の減少に加え、転入者の増加率が全都道府県で最も高いため、転出超過数が抑えられつつある。一方、道内では札幌圏への人口集中が加速し、地方の衰退がさらに進んだ。
全国で転入者数が増えたのは北海道と福井県だけだった。道外への転出者は5万5418人と1.8%減った。総務省では全国的な傾向として、首都圏などへ流出する主な年齢層である若年層の絶対数減少が背景にあるとみている。
一方、道内への転入者は4万8544人と15年に比べ2.0%増えた。
男女別では男性と女性がそれぞれ2942人、3932人の転出超過となった。男性の転出超過数は昨年に比べ28.8%の減少で、女性の転出超過の減少率16.9%を大幅に上回った。
女性の転出超過が男性に比べて高水準なのは65歳以上の年齢層の道外流出が目立つため。64歳以下の年齢層は男女とも転出超過数が減っている。
道内では札幌市や周辺への人口集中が進んだ。同市の転入超過数は9137人と15年の8173人から拡大。千歳市や恵庭市、北広島市など道央圏の主要都市も軒並み転入超過数が増えた。
一方、道央から離れた地域では函館市が1073人減(15年は889人減)、釧路市が1002人減(同884人減)など、中核都市であっても人口減少が加速している実態が明らかになった。