韓国 歴史教科書に慰安婦めぐる韓国の主張増加

韓国 歴史教科書に慰安婦めぐる韓国の主張増加
韓国政府は、国定の歴史教科書の最終的な内容を発表し、去年11月に示された原案に対してソウルの日本大使館前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置された経緯に関する記述が加えられるなど、原案よりも慰安婦問題をめぐる韓国側の主張が増えました。
これは韓国のパク・クネ(朴槿恵)政権が中学や高校で使う国定の歴史教科書の策定を進めてきたもので、去年11月に原案を示して国民から意見を受け付け、先月31日、そうした意見を反映させた最終的な内容を発表しました。

それによりますと、ソウルの日本大使館の前に設置されている慰安婦問題を象徴する少女像に関して、原案では何も触れられていませんでしたが、最終版には、「毎週水曜日に行われている集会が1000回に達したのを記念して建てられた」という記述が加えられました。

さらに、高校用の最終版には、「慰安婦は終戦後に日本軍に集団で殺害されることもあった」とする記述も加えられ、原案よりも慰安婦問題をめぐる韓国側の主張が増えています。

この国定の歴史教科書をめぐっては、当初、韓国政府は、すべての中学校や高校で使うことを目指したものの、「パク大統領の父、パク・チョンヒ大統領の功績をたたえることが狙いだ」という野党などからの批判に加え、一連の事件で、パク大統領の職務が停止された混乱から、結局、ことし3月から希望する中学校と高校でのみ使われることになり、韓国メディアは「使う学校は多くない」と予想しています。