2017年1月31日19時38分
キヤノンの田中稔三副社長は31日、東芝が3月末に分社化する半導体メモリー事業への出資について「大変難しいのではないか」と語った。東京エレクトロンも同日、出資の検討を否定。東芝は週内にも入札を実施する方針だが、どの程度の応札があるかには不透明感も出てきた。
同日、田中副社長が2016年12月期決算発表の席上で記者の質問に答えた。出資が難しい理由は「(自社での)成長事業への投資が目白押しだから」とした。
東芝に半導体製造装置を納入するキヤノンは、これまで「要請があれば出資を検討する」とし、関心を公言していた唯一の企業だった。姿勢の後退には「検討期間が短すぎる」(関係者)こともあるという。
また、東京エレクトロンの堀哲朗専務も31日、「出資は検討していない。顧客同士は競合関係にあり、中立な立場であるべきだ」と語った。
東芝は米国の原発事業で巨額損失を計上する見通しとなり、半導体メモリー事業への出資受け入れで3月末の債務超過を回避する方針。出資には同業の半導体大手や取引先、投資ファンドなど10社程度が関心を持つとされてきた。
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