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日韓通貨スワップ交渉、日本は強硬姿勢を貫くべき理由

清談社
2017年1月30日
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通貨スワップは日本に
何のメリットもない

 ところで、この日韓通貨スワップ協定は、本当に必要なのか?「対抗措置」とした日本だが、メリットがあるのか。愛知淑徳大学教授、真田幸光氏に聞いた。

 「日本に必要かどうかと言われれば、必要はありません。日本にはメリットはほぼありません。そもそも韓国はスワップ再開を望んでいないと言っている。日本にもメリットがないのですから、必要ないのです。日本が通貨危機に陥る可能性はまずないでしょう」

 仮に円が破綻したとしても、世界で使えないウォンをもらっても何の意味もない。円ウォンスワップは、日本から韓国への一方的な恩恵ということだ。ではなぜ協議の再開を韓国は望まないのか。

 「韓国がいらないと言うのは、日本に対してではなく、中国を見て言っています。日本と早々にスワップを再開すると、中国がじゃあウチのスワップはいらないね、と言い出しかねない。韓国は中国に対して、スワップ延長してくれなければ日本と結んでしまうよ、というカードをチラつかせているのです」

 日本人が考えるより、韓国と中国の関係は密である。韓国企業の市場が中国本土に徐々に移行する中で、中国への擦り寄りを強めているのである。それが米中の関係悪化とともに冷え込んでいるという。

 「朴槿恵大統領は、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の在韓米軍配備を認めました。中国は自国を狙う兵器の承認は絶対ダメだと圧力をかけていた。だから中国は怒って、報復すると韓国を露骨に脅している。今後韓国が通貨危機に陥っても、中国は通貨スワップを発動しないのではないかと韓国は警戒しているわけです」

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