こんにちは、Shin(@Speedque01)です。トランプ大統領が大統領令にガンガンサインしまくっていますね。
ぼくは正直、トランプ大統領がここまでのスピードで公約を実施していくとは考えていませんでした。おそらく、ほとんどの人がそうではないでしょうか。
ぼくは、過去にトランプ大統領の公約をまとめた記事と、現在続々と発令されている大統領令をまとめた記事を書いています。
39個の公約についてはこちら。
大統領令についてはこちら。
トランプ大統領は過去の自分の発言をなぞるかのように大統領令を発令していますが、具体的に現在出している大統領令がどれほど公約をカバーしているのか、まとめてみました。
まずはエクセルでまとめた一覧表をどうぞ!
黄色がすでに発令されているもの、白は未発令のもの、灰色は大統領令を出すような性質のものではなく、対象外とできるものです。
39個公約がある中で、大統領令として発令されているものが15個、未発令が20個、対象外が4個となっています。トランプ大統領の大統領令の発令スピードはおそろしさすら感じるレベルです。
では、詳細を見ていきましょう。
公約1:メキシコ-米国間へのグレートウォール建設
こちらは2017年1月25日に発令されています。
トランプ氏は25日に収録した米ABCテレビのインタビューで、壁の建設が「数カ月後」に始まると説明。建設費用はメキシコが後で全額返済すると強調した。これまでメキシコ政府は建設費用を負担しないと反発している。
これはさすがに口だけかと思ってたのですが、あっという間に大統領を発令しましたね。恐いもの知らずというかなんというか・・・。
公約2:不法移民への取り締まり強化
これも2017年1月25日に大統領令が発令されています。
大統領令は壁の建設に加え、国境警備の強化に移民取締担当官を1万人新規採用するよう指示している。
国境警備強化のために移民取締担当官を1万人採用・・・。確かに雇用の拡大にはつながるでしょうが、そんな簡単に1万人も雇えるものなのでしょうか。彼らがトランプ大統領の私兵と化して、我が物顔に振舞うようなことになる可能性があるのではないか、ぼくはそんな気がしています。
公約3:「サンクチュアリ・シティ」の撤廃
これも大統領令が発令されています。
別の大統領令では「サンクチュアリ・シティー(聖域都市)」と呼ばれ、不法移民を保護している地域に連邦資金を交付しないよう指示した。
不法移民に寛容であるとされているサンクチュアリ・シティー(聖域都市)に連邦資金を交付せず、厳しく取り締まることを要求する大統領令ですね。アメリカは各都市の力も強いので、このまま都市がおとなしくトランプ大統領に従うのかどうか、ある意味見ものです。
公約4:移民の成功可能性に基づいた入国審査
「成功可能性に基づいた」というところは微妙ですが、入国審査の厳格化に関する大統領令は2017年1月27日に発令されています。
アメリカのトランプ大統領は、27日、大統領に就任してから初めて国防総省を訪れ、テロ対策を強化する方針を示し、「アメリカ国内にイスラム過激派のテロリストはいらない。われわれは、アメリカを支持する人たちだけを受け入れたい」と述べました。
そして、トランプ大統領はイスラム過激派のアメリカへの入国を防ぐためにより厳しい審査を行うよう命じる大統領令に署名しました。
より厳しい審査というか、特定国の国籍を持つ人は、ちゃんとしたビザを持っていても追い返されるという状況ですが・・・。
公約5:生体認証ビザ追跡システム導入
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約6:テロ対象の国からの移民禁止
これが今一番話題になっているものですね。2017年1月26日に発令されています。
大統領令で検討しているのは、シリアやスーダン、ソマリア、イラク、イラン、リビア、イエメンの出身者へのビザ(査証)発給の停止を通じて米国への入国を一時止める。政情が不安定で、国民の大半をイスラム教徒が占める国々を対象とするもようだ。
日本でもデモが起きたり、アップルやGoogleなどのグローバル企業も声明を出したりなど、動きが非常にめまぐるしいです。
公約7:モスクの監視
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約8:シリア難民救済プログラム撤廃
こちらは2017年1月27日に発令されています。
トランプ米大統領は27日、シリア難民の入国の無期限停止など米国への難民流入を制限する大統領令に署名した。国境管理を強化し一部の難民の入国を停止するとの公約実現に向けた一歩とみられる。
トランプ氏は大統領令「外国人テロリストの米国入国からの国家保護」のなかで、「シリア国民の難民としての入国は米国の国益に有害だと宣言し、入国を停止する」と述べた。
シリア難民の入国無期限停止に対しては全世界から批判が巻き起こっています。スターバックスのCEOが「難民を1万人雇用する」と宣言もしていましたね。
米コーヒーチェーン大手のスターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は29日、トランプ大統領が出した難民らの入国を制限する大統領令を受け、世界中で今後5年間に1万人の難民を雇用する計画を策定中だと明らかにした。
シュルツ氏は、ネット上に掲載した従業員向けのメッセージで「深い懸念と沈んだ気持ち、そして固い決意でこれを書いている」とした上で、「我々は、この国の良心やアメリカンドリームに疑問符がつくという、かつてない時代に生きている」と、トランプ政権の方向性に懸念を示した。
さらに、大統領令の影響を受けるとみられる従業員のサポートに全力を尽くすと約束。「戦争や暴力、差別などから逃れてきた人たちを歓迎し、5年間で1万人の難民を世界中の店舗などで雇用する計画を立てている」と明かした。
まだまだトランプ大統領に賛同する人は多くなさそうですが、彼はアメリカ国民によって選ばれた人物です。果たしてどこまで支持を広げるのか、もしくは現在されているような批判に屈するのか、どちらでしょう。
公約9:オバマ大統領令キャンセル
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約10:ヒラリー・クリントンのメール漏洩問題の継続調査
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。まあ、大統領令を発令するタイプのものではないですかね。
公約11:オバマケア廃止
こちらは、トランプ大統領誕生直後の2017年1月20日に発令されています。
トランプ米大統領は20日、オバマ前政権が進めた医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃に向けた大統領令に署名した。ホワイトハウス報道官によると、大統領令はオバマケアの迅速な撤廃に向け、「各省庁に現行制度による経済的負担を軽減するよう指示するためのもの」という。
批判が多かったオバマケアであり、トランプ大統領はずっとこれの撤廃をもくろんでいました。とはいっても、このスピード感には驚きですね。
公約12:プランド・ペアレントフッドへの資金供給停止およびロー対ウェイド事件への判決変更
こちらは2017年1月23日に発令されています。
トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスで3件の大統領令に署名した。環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱方針のほか、連邦政府の採用凍結、妊娠中絶を支援する国際団体への資金援助停止を決めた。
トランプ大統領以外にも、主要閣僚たちはほとんど中絶に強硬に反対しています。これはほぼ確実に実行されるとみてよいでしょう。
公約13:環境保護庁および教育省の役割削減
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約14:新たな教育プログラム導入
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約15:国内インフラの改善
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約16:国家による業界規制の撤廃
こちらは2017年1月30日に発令されています。
トランプ米大統領は30日、規制緩和に関する大統領令に署名した。各省庁が新たな規制を一つ設けるごとに、二つの既存の規制を撤廃するよう求めている。トランプ氏は就任前から、米国内に企業の投資を促して雇用を創出するため、オバマ前政権が進めたエネルギー分野などの規制を撤廃する公約を掲げていた。
個人的に、無駄な規制を減らすという方向性自体は非常に好きです。1つ規制を増やすと二つ過去の規制を減らさなければならない、というルールも良く考えられているなという印象です。
これ、日本にも導入できないものでしょうか。無駄な規制や保護政策は国力を削ぐ要因だとぼくは考えています。
公約17:NAFTAへの姿勢を再定義
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約18:NAFTAによる関税緩和
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約19:TPPからの脱退
こちらは2017年1月23日に発令されています。
トランプ米大統領は23日、選挙公約通り、環太平洋連携協定(TPP)からの正式離脱に関する大統領令に署名した。中国の影響が増す中、米国はアジア諸国と距離を置くことになる。
トランプ氏は、大統領令が「米労働者にとって素晴らしいことだ」と指摘。この日行われた労働組合幹部との会談では「すべての人や企業を国外移転させるばかげた貿易協定を停止させる」と述べた。
オバマ前大統領は中国の台頭に対抗するため、経済の軸としてアジア・太平洋重視の戦略へと転換。その一環としてTPP協定の合意を実現させたが、米議会の承認は得られていなかった。
TPPを推し進めてきたオバマ前大統領や、その下で働いてきた人たちの無念を考えてしまいます。ショックだっただろうな。
トランプ氏が大統領である限り、アメリカを含めたTPPが効力を発揮することはないと見るのが妥当でしょう。
公約20:中国への45%の関税導入
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約21:2,500万人の新規雇用創出
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。雇用創出はいろいろなところで考えられているものの、2500万人には及ばなそうですね。
公約22:安定した経済成長
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。こちらはさまざまな政策の結果ですので、大統領令を発令するようなタイプの公約ではないですね。
公約23:大幅な減税
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約24:家族関連法制度整備
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません
公約25:銃規制緩和および撤廃
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約26:銃購入のための権利
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約27:治安維持強化
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約28:サイバーセキュリティ強化
2017年1月31日現在、こちらは発令されていませんが、すぐに発令されるというニュースがあります。
トランプ米大統領は31日にサイバー・セキュリティーに関する大統領令に署名する見通し。関係筋が明らかにした。
トランプ氏はサイバー・セキュリティーの問題を政権の最優先課題の一つに挙げている。
具体的にどのようなものになるのかはまだわかりませんが、政治のみならずビジネスにもインパクトが非常に大きなものになりそうです。サイバー・セキュリティ業界はかなりバブルな状態になるのではないでしょうか。
公約29:退役軍人省改革
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約30:アメリカ軍再構築
こちらは2017年1月27日に発令されています。
トランプ米大統領は27日、米艦船や戦闘機の増強などを目的とした「米軍再建」の大統領令に署名した。1カ月の間に米軍の危機に対応する即応性を検証するほか、核兵器の近代化やミサイル防衛システムの強化を盛り込んだ。
一般的な軍備増強にとどまらず、核兵器やミサイル防衛システムも含めた大統領令になっています。アメリカをどこの国よりも強くするというトランプ大統領の激しい意図が伝わってきますね。
公約31:石油掘削量増大
若干間接的ですが、2017年1月24日に発令された下記の大統領令にあたると考えられます。
トランプ米大統領は24日、カナダから米国に原油を輸送する「キーストーンXL・パイプライン」と米ノースダコタ州に敷設予定の石油パイプライン「ダコタ・アクセス」の建設を推進する大統領令に署名した。エネルギーインフラ拡大に向けオバマ前政権の主要な環境政策を覆した。
トランプ氏は選挙戦で国内エネルギー生産拡大を公約に掲げ、就任前から二つのパイプライン建設を進める意向を示していた。
中東にエネルギーを頼らず、自国でのエネルギー供給量を増やしていこうという意図ですね。それができれば、中東各国にエネルギー供給を減らされてもなんとかやっていけると踏んでいるのでしょう。
公約32:OPECからの独立
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約33:イラクの石油備蓄接収
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約34:拷問の認可
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約35:イスラム教委員会設置
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
公約36:ISISの殲滅
こちらは2017年1月28日に発令されています。
アメリカのトランプ大統領は28日、ホワイトハウスで、政権の優先課題としているISを壊滅させるための計画をマティス国防長官らに作成するよう命じる大統領令に署名しました。
大統領令では、軍事作戦だけでなくインターネット上で過激な思想を広める動きをどのようにして遮断するかなど、包括的な計画を30日以内に提出するよう命じています。
これはかねがねトランプ大統領が強く主張してきたことですから、署名自体にはそこまで驚きはないです。いったいどこまでの計画を立て、どこまで徹底的に実行するのか。
そのなかで、罪のない人々が虐殺されることのないようにしていただきたいものです。
公約37:ロシアとの協力(特にISIS関連)
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。これは大統領令が発動されるようなものではないですね。
公約38:ISIS活動地域でのインターネットシャットダウン
こちらは、2017年1月28日に発令されたIS壊滅計画の中で触れられています。
公約39:アフガニスタンでの米軍維持
2017年1月31日現在、こちらは発令されていません。
まだまだ増えるだろう。
今後も、トランプ大統領は過去の発言をどんどん大統領令として発動し、強制的に実施しようとしていくことでしょう。特に中国への関税や銃規制撤廃、OPECからの独立などは今以上の騒ぎとなる可能性があります。
今後も状況を注視していこうと思います。