堀込泰三 - こころ,アイデア発想術,コミュニケーション,メンタル,モチベーション,仕事術,働き方,時間管理,生産性向上 09:00 PM
こんなにすごい! ToDoリストを共有するメリット
リモートワーカーが増えている昨今、特定のタスクの共有機能、タスクへのコメント機能、チーム内でのToDoリストの共有機能など、コラボレーションのためのさまざまな機能がデジタルタスク管理アプリによって提供されています。
機能が一般的になるほど、私たちはそのありがたみを忘れてしまいます。進捗状況を同僚が見られるようにする、共有プロジェクトについての連絡を取るなど、単に必要だから使っているという人もいるでしょう。
では、ToDoリストを共有するか否かを選べるとしたらどうでしょう? 必要に迫られないときに、タスクを共有する意味はあるのでしょうか?
公開することで、助けてもらえる
Xander Schultz氏は、タスク共有のメリットを強く信じるあまり、公開ToDoリストのアイデアを実現するアプリをつくりました。その名も「Complete」。残念ながらアプリは廃止されてしまったため現在使うことはできませんが、Schultz氏の主張は非常に説得力のあるものです。
ToDoリストの正体は、「To-Do-Later(後でやる)リスト」です。
確かに私たちのToDoリストには、「まだ準備もできていないけれどいつかはやりたい」というタスクばかり。そこで、公開ToDoリストというアイデアが役立ちます。リストを公開すれば、あなたがいつかやろうとしている内容を他人が見ることになるので、あなたが必要とする前にサポートやアドバイスをもらえる場合があるのです。
「Yelp」や「Quora」、「Amazon」などのサイトはアドバイスを集めるのに便利ですが、それらのサイトを見る人の大半は、すでに行動する準備ができている人たちです。それからレビューを比較したり、やるべきことについて議論したりするので、何時間ものロスが発生します。そこでSchultz氏は、行動準備ができる前にタスクを公開するほうがうまくいくと言います。
公開タスクは、あなたが解決策を探す必要性に迫られる前に、人々からアドバイスやモチベーションを与えてもらえる機会になります。
たとえば、新しいヘッドフォンを買う必要があるとします。でも優先順位が低いため、ToDoリストに埋もれたまま何カ月も過ぎてしまいました。ようやく取り掛かろうと思っても、ブランドやモデルを選び、レビューを比較するのに何時間もかかってしまいます。
では、ToDoリストを公開していたらどうでしょう。自分で動き出す前から、友人やフォロワーがオススメのヘッドフォンについての情報をくれるでしょう。これにより、数時間かかっていたはずのタスクが、信頼できる友人からのアドバイスのおかげで10分程度で済むのです。
公開ToDoリストは、もっと長期の目標にも役立ちます。Schultz氏は、減量の目標を立てましたが、期日までに達成できそうもありませんでした。しかし、進捗を更新するたびに、友人やフォロワーが声援や有用なアドバイスをくれたのです。Schultz氏は、目標に到達できなくてもいいと言います。なぜなら、進捗をシェアすることで得られた応援は、たとえ目標を達成できなくても価値あるものだからです。
リストの質が向上する
ソフトウェア開発者のJoe Reddington氏がToDoリストを公開したとき、自身の透明性に向けて小さいながらもシンプルな一歩を踏み出したように感じ、達成に向けてさらに歩みを進めたいと思いました。 その決断が彼の生産性を劇的に高めることになるとは、その時点の彼は気づいていませんでした。 ToDoリストを公開すると、よりよいToDoリスト作成を余儀なくされるとReddington氏。
ToDoアイテムを他人の目に触れる場所に書くことで、それを実現させなければならなくなります。誰の目にも触れない場所に書いても、それは秘密のノートに過ぎません。
ToDoリスト公開後、Reddington氏はすぐに、タスクの重複、疑問形で書かれたタスク、書き方が悪いタスクなど、いくつかの問題に気づいたそうです。そこでリストを見直し、誰が読んでも分かりやすいように書きかえました。そうすることで、タスクに着手することも終えることも楽になったそうです。つまり、ToDoリストを注意深く書くだけでReddington氏の生産性は向上したのです。
正直なところ、少なくとも過去2年、ひょっとすると5年のうちで最も劇的な生産性向上でした。
Reddington氏は、自分の公開リストが誰に見られるかは問題ではないと言います。むしろ、誰も見なくてもいいのだと。単純に公開することだけで効果があるのです。
リストを見る人数はまり関係ありません。必要なことは、誰かが見るかもしれないという可能性。それだけで十分なのです。
達成の可能性が高まる
共有するのがシンプルなタスクにせよ長期目標にせよ、完了したいことであることは間違いないでしょう。そもそもToDoリストに加えたのですから、理由はそれ以外にないはずです。 そんなあなたに朗報です。大きなタスクや目標を共有することで、達成の可能性が高まります。 ある研究を紹介します。
267人の被験者を3つのグループに分け、各自の達成したい目標に向けてグループごとに異なるアプローチを取るように指示しました。グループAは目標を誰にも話さず、1人で達成を目指します。グループBは、目標達成に向けたアクションを書き出し、友人にそれを共有します。グループCは友人に目標を共有するだけでなく、毎週進捗を報告します。 調査を完了した149人の参加者のうち、目標を半分以上達成した割合は、グループCが70%、グループBが65%と多かったのに対し、グループAはわずか35%でした。
同様の結果を示す研究はほかにもたくさんあります。138の研究を対象としたレビューの結果、他人に進捗を追跡される状態のほうが、計画をより多く実行できる傾向があることがわかりました。
ただし、この効果には警告があります。それは、対象が行動目標である場合に限られること。タスクの完了など、何かをすることに注目した目標でなければならないのです。
一方で、自分を変えるなどといったアイデンティティに根差した目標の場合、目標共有は逆効果になりかねません。 たとえば、自分を変えるという目標を他人に話すと、話しただけで目標に向けて進んだような気がしてしまいます。しかし実際は、目標に向けて本当のアクションを起こす可能性が低くなるだけなのです。 ですから、目標の種類をまず確認して、行動目標や大きなタスクを達成したいのであれば、進捗共有は有用と言えるでしょう。
Reddington氏のように、ToDoリストを全世界に公開するのは気が引けるかもしれません。でも、友人に目標やタスクを共有するだけでも効果は得られます。 ToDoリストを共有すると、その書き方を見直すきっかけになり、進捗に対する説明責任も生まれます。また、他者からアドバイスや体験をもらえるチャンスにもなるでしょう。
The case for sharing your to-do list | RescueTime Blog
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