徳川の猛将・本多忠勝を演じる藤岡弘、さん。
何かと話題になる注目の役柄を語ります!
僕は、今の時代でも本多忠勝のような人物がいてほしいと思っています。絶対に裏切らない、家康と共に死んでもいいという覚悟を持った忠誠心のある武将です。強い信念を持った本多忠勝の姿を見てほしいという気持ちでやっています。
本人になりきってやろうとするあまり、ついつい脚本に書かれていないところまでアドリブでやってしまい、申し訳ないとも思っています。
家康の顔についたご飯粒を食べるのも、幼少期からの友ですからね、ついあんな風にやってしまったのです。そういったシーンを視聴者の皆さんがよく見てくれていて、話題にしていただいているようで、驚きました。
忠勝の生き様には、僕自身がとても共感しています。自分を投影させて、好き勝手にやらせてもらえて楽しいです。裏切り、寝返り、暗殺、誅殺(ちゅうさつ)、毒殺と、なんでもありの戦国時代。その中で、忠義の精神を貫いて生き抜いた忠勝の真剣さを表現できればいいと思い、演じようとはせず、真剣に、あの時代に立ち向かった男を精一杯表現したいと思っています。
第5回「窮地」の伊賀越えのシーンでは、茶会に向かうため、ろくに武装をしていません。家康を守るため、槍を持っていないなら竹を切ってでも武器を、という気持ちで竹を槍にする案を出したら、やらせてもらえました。藪(やぶ)に突っ込んでいくシーンでも、リハーサルからつい本気になってしまい、顔を切ったのにも気づきませんでした。
家康の顔についたご飯粒を食べるのも、幼少期からの友ですからね、ついあんな風にやってしまったのです。そういったシーンを視聴者の皆さんがよく見てくれていて、話題にしていただいているようで、驚きました。
忠勝の生き様には、僕自身がとても共感しています。自分を投影させて、好き勝手にやらせてもらえて楽しいです。裏切り、寝返り、暗殺、誅殺(ちゅうさつ)、毒殺と、なんでもありの戦国時代。その中で、忠義の精神を貫いて生き抜いた忠勝の真剣さを表現できればいいと思い、演じようとはせず、真剣に、あの時代に立ち向かった男を精一杯表現したいと思っています。
でも、何事も真剣にやっていると、時々笑えてしまうということはありますね。コミカルにやろうと思ったことは一度もないのですが。真剣ゆえに、知らぬ間に傷を作ったりと、自分でも気づかないところはありますが、演出から「それ以上やらないで」と止められるまで、やろうと思っています。まだ言われていないので、まだいけそうです(笑)。
そんな忠勝も、娘・稲のことは心配し、親バカではないですけれども、メロメロです。でも、そういうところがあっていいと思います。たとえ勇猛な武将であっても人間ですからね。猛々しい親父だけれど、真田に、人質のようにして嫁に出してしまう娘に対しては、悲しみ、痛み、苦悩と、葛藤がいろいろとあったと思います。
こういうところは、皆さんが猛将だと思っている忠勝の、人間的な、ほっとする部分ですよね。それが三谷幸喜さんの狙いじゃないかとも思ったりしています。見ている方々にいろいろと想像していただけるような、楽しいシーンをたくさん作っていただいているので、演じていてとても楽しいです。娘に対する心情と、家康に対する心情は、繋がっているんです。そういう心情を感じていただけるような表現をするようにしています。
しかし僕があまりにも真剣なので、信幸役の大泉洋さんは、「もしかしたら芝居ではないのでは?」と思っているような表情をされます(笑)。自然と、それが伝わってくるんです。僕の忠勝の「本気」に応えてくれているのを感じます。愛娘をあげた男を見定めるといいますか、セリフのないところでのにらみ合いの芝居では、信幸のリアルな表情に、思わず笑ってしまいます。
今後、男として見定めている存在だった信幸が成長して、忠勝の見方も変わっていきます。忠勝は関ヶ原の戦い後、信幸の願いを受け入れ、主君である家康に対して敵対した真田昌幸、信繁の助命嘆願を行っていますが、その際に「もし願いを聞いていただけなければ一戦交えますぞ」と脅しまでしたといわれています。
きっと忠勝自身が、愛娘を真田にやってよかったと思うような、真田家の生き様に感銘を受けるような出来事があったのでしょう。謀略、策略だけのために愛娘を差し出し、納得するような忠勝ではない、そう僕は思っています。
信幸の変化に忠勝の心情が動き、忠勝自身も変化していく。真田に対し、「その生き様、あっぱれ」と心が動かされ、感動する。そういった忠勝でありたい、そんな忠勝を演じたいと思い、今から楽しみにしています。
忠勝は早く戦国時代を終わらせたいという気持ちがあったに違いありません。早く悲しい時代を終わらせたいと家康に忠義を捧げた。数珠を首から下げ、敵味方問わず弔いの心を持っていた。そんな忠勝の生き様には、武士の精神の原点を見る気がします。そういう人物だからこそ、部下に「この人のためなら全てを捧げてもいい」と、戦場で守られ、無傷で帰ってこられたのかもしれません。
僕はまっすぐな忠勝に憧れています。忠勝役で、真のサムライ像を体現できたらいいな、と思っています。