入国禁止命令 日本国内のイスラム教徒からも不安の声

入国禁止命令 日本国内のイスラム教徒からも不安の声
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アメリカのトランプ大統領が中東やアフリカの7つの国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じたことについて、日本国内のイスラム教徒からも、差別や偏見が強まることへの不安を訴える声が上がっています。
東京・豊島区にある「大塚モスク」では、国内に住むイスラム教徒が毎日に礼拝に訪れます。

アメリカのトランプ大統領が中東やアフリカの7つの国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じたことで、アメリカや日本国内に住むイスラム教徒に対する差別や偏見が強まることへの不安を訴える声が上がりました。

アメリカで6年間働いた経験のあるパキスタン出身の男性は「アメリカ国内では多くのイスラム教徒が働いて国に貢献しているのに、こうした政策はとても残念だ。世界中でイスラム教徒への偏見を助長することにもつながる」と話していました。

また、このモスクでは、トルコ国境近くに避難したシリアの人たちに対して、現地のNGOを通じて食料や支援物資を送る活動を4年間にわたって続けてきました。

これまでシリア難民を受け入れてきたアメリカが難民の受け入れを一時的に停止したことで、現地でも不安の声が上がっているといいます。

モスクの責任者でパキスタン出身のハールーン・クレイシさんは「これまでは難民としてアメリカに渡ることで生活を再建できたが、アメリカが受け入れを停止したことで現地でも混乱が生まれていると聞いた。難民がとどまることが長期化するのが心配だ」と話していました。

中部空港の旅行者は

アメリカのトランプ大統領が中東やアフリカの7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じた大統領令について、愛知県の中部空港を利用する旅行者に聞きました。

このうち、ハワイのホノルルに住む40代のアメリカ人の男性は「すごく悲しいことです。アメリカは自由の国なので、すべての国の人を歓迎して迎え入れるべきだ」と話していました。

アメリカへ旅行に行く愛知県日進市の男子大学生も「今回の措置は疑問に感じます。個人の自由を尊重して、差別すべきではない」と話していました。

一方、ニュージーランド人の40代の男性は「今回の措置が完璧だとは思わないが、テロを防ぐためには何もしないよりよいのではないか」と話していました。

また、アメリカ人でワシントン州のシアトルに住む50代の男性は「いろいろ問題になっているようだが、トランプ大統領は最終的にうまくやってくれると思う」と話していました。

全日空と日本航空は、入国禁止の対象となる人がアメリカ便に搭乗しようとした場合、原則として手続きを断る方針ですが、これまでのところ中部空港ではそうしたケースはないということです。