“肺がんの疑い”検査結果見落とし 1年以上治療されず
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東京慈恵会医科大学附属病院で、70代の男性患者が救急外来の検査で肺がんの疑いがあると診断されたのに、その後に担当した主治医などが検査結果を把握しないまま、1年以上、治療が行われなかったことがわかりました。患者はがんが進行して意識がない状態だということで、病院はミスを認めて患者の家族に謝罪しました。
東京・港区にある東京慈恵会医科大学附属病院などによりますと、おととし10月、東京・町田市の72歳の男性が肝臓の持病で体調を崩して救急外来を受診した際、CT検査で「肺がんの疑いがある」と診断されました。
検査を行った放射線科の医師は、結果を報告書に記載しましたが、主治医などが見落として把握せず、1年以上たった去年、男性が体調を崩して改めて検査を受けた結果、肺がんが見つかったということです。
男性の家族によりますと、すでにがんが進行して男性は意識がなく、人工呼吸器が必要な状態だということです。
病院は、主治医などが検査結果を見落していたことを認め、すでに男性の家族に謝罪したということです。
東京慈恵会医科大学附属病院はNHKの取材に対し、「患者ご本人とご家族に心よりおわびします。全力で治療を尽くすとともに、再発防止に努めたい」とコメントしています。
男性の息子は「父が長年通っていた病院で信頼していたのに、検査結果が見落とされて悔しいと思う。同じミスが二度と繰り返されないよう再発防止を強く求めたい」と話しています。
検査を行った放射線科の医師は、結果を報告書に記載しましたが、主治医などが見落として把握せず、1年以上たった去年、男性が体調を崩して改めて検査を受けた結果、肺がんが見つかったということです。
男性の家族によりますと、すでにがんが進行して男性は意識がなく、人工呼吸器が必要な状態だということです。
病院は、主治医などが検査結果を見落していたことを認め、すでに男性の家族に謝罪したということです。
東京慈恵会医科大学附属病院はNHKの取材に対し、「患者ご本人とご家族に心よりおわびします。全力で治療を尽くすとともに、再発防止に努めたい」とコメントしています。
男性の息子は「父が長年通っていた病院で信頼していたのに、検査結果が見落とされて悔しいと思う。同じミスが二度と繰り返されないよう再発防止を強く求めたい」と話しています。
検査結果の確認ミス 40件報告
医療事故の分析などを行っている日本医療機能評価機構によりますと、画像検査の結果を主治医などが十分に確認せず、治療が遅れたケースは、分析を始めた平成16年以降、40件報告されています。
報告書によりますと、中には治療の遅れによって患者が死亡するケースもあり、このうち、岐阜県の大垣市民病院では、平成26年、70代の男性が検査でがんと診断されていたのに、担当の医師が検査結果を見落として死亡しました。
また、名古屋大学医学部附属病院で、80代の女性がCT検査で肺と耳にがんの疑いがあると診断されていたのに、主治医だった耳鼻いんこう科の医師が肺がんの診断を見落とし、おととし死亡したということです。
こうした報告は、義務ではなく任意で行われているほか、対象も大学病院などの医療機関に限られているため、実際にはさらに多くのケースがあるという指摘もあります。
日本医療機能評価機構は、背景に医療機関によって検査結果を確認する手順があいまいなことや、当初の想定と違う部位にがんなどが見つかっても、主治医の専門外の領域だと十分に目を通さないケースがあるとしたうえで、さまざまな診療科で検査結果を共有できる仕組みを作るべきだと指摘しています。
報告書によりますと、中には治療の遅れによって患者が死亡するケースもあり、このうち、岐阜県の大垣市民病院では、平成26年、70代の男性が検査でがんと診断されていたのに、担当の医師が検査結果を見落として死亡しました。
また、名古屋大学医学部附属病院で、80代の女性がCT検査で肺と耳にがんの疑いがあると診断されていたのに、主治医だった耳鼻いんこう科の医師が肺がんの診断を見落とし、おととし死亡したということです。
こうした報告は、義務ではなく任意で行われているほか、対象も大学病院などの医療機関に限られているため、実際にはさらに多くのケースがあるという指摘もあります。
日本医療機能評価機構は、背景に医療機関によって検査結果を確認する手順があいまいなことや、当初の想定と違う部位にがんなどが見つかっても、主治医の専門外の領域だと十分に目を通さないケースがあるとしたうえで、さまざまな診療科で検査結果を共有できる仕組みを作るべきだと指摘しています。