ITmedia NEWS > ネットの話題 >
ニュース
2017年01月31日 08時14分 UPDATE

アパホテルめぐり日中ユーザーがネットで“戦争”状態も、日本滞在中国人は意外と冷静? 騒動の背景と今 (1/6)

「南京大虐殺」を否定する書籍を客室に備えているとして、中国政府が訪日中国人に日本のアパホテル利用禁止を呼びかけた問題。経緯や現状を探った。

[産経新聞]
産経新聞

 「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定する書籍を客室に備えているとして、中国政府が訪日中国人に日本のアパホテル利用禁止を呼びかけた問題。中国では「アパホテル事件」と名付けられ、ネットだけでなく中国共産党機関紙「人民日報」などの報道機関が盛んにアパホテルバッシングを展開している。なぜ、中国人はこれほどまでに日本の民間企業の発言や書籍に異常ともいえる反応を示すのか。学生時代の6年間を中国・上海で過ごした記者が、問題の経緯や現状などを探った。(神田啓晴)

発端は米国人女性らの投稿動画

 騒動の発端は、ある米国人女性らが中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」に投稿した動画だった。

画像 アメリカ人女性らの投稿した動画はこれまでに1億2千万回以上再生されている

 「みんなが知るべき事実」とタイトルが付けられた約10分間の動画では、米国人女性が「東京で泊まったアパホテルの部屋で見つけた本にショックを受けた」と英語で語り始める。「ホテルには中国人も多く泊まっているのに、大勢の人はこの本に何が書かれているのか知らない。この情報を知った上でこのホテルに泊まるかどうかを検討してほしい」。動画は中国語の字幕付きだった。

 《この本のタイトルは「本当の日本の歴史 理論近現代史学II」。著者はアパグループの元谷外志雄代表で、英訳も付いている。

 南京大虐殺について、中国側は犠牲者が30万人以上などと主張。2015年には中国側の一方的な申請で「南京大虐殺文書」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録されたが、日本側は資料に捏造(ねつぞう)された写真や不適切な文書が含まれているとして抗議してきた。

       1|2|3|4|5|6 次のページへ

copyright (c) 2017 Sankei Digital All rights reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

マーケット解説

- PR -