肉体労働に就くため塾に通う韓国の大学生たち

肉体労働に就くため塾に通う韓国の大学生たち

 今月18日午前、ソウル市永登浦区の「建設業基礎安全保健教育院」。崇実大学に通うチョン・ジンヒョクさん(26)=仮名=はここで4時間の授業を受けて履修証明書をもらい、笑顔を見せた。この書類があって初めて建設現場の作業員として働くことができるのだ。受講料は4万ウォン(約4000円)。この日の受講生12人のうち、半数の6人がチョンさんのような男子大学生だった。

 旧正月(今年は1月28日)連休は帰省せずソウルに残り、建設現場で働くという。チョンさんは「本格的に就職活動を始めなければいけないが、いろいろな試験の受験料や塾の費用など、出費がものすごく多い。旧正月で人々が休んでいるときに1日10万ウォン(約1万円)以上稼げる肉体労働をするつもりだ」と話した。建設現場の日雇い職の日当は11万-13万ウォン(約1万1000-1万3000円)ほど。このうち10%程度を紹介費として仲介業者に引かれても、10万ウォンほどが手元に入る。

 漢陽大に通うパク・ウジンさん(24)=仮名=もこの日、ソウル市九老区の教育施設で履修証明書を受け取った。パクさんは「正規のアルバイトは平日、週末に随時働くことになり、時給も最低賃金レベル。肉体労働は簡単に見つかるし、賃金も高い方なので挑戦することにした」と話した。これまでコンビニエンスストアでアルバイトをしていたという大学生(26)は「肉体労働でけがをすれば親に心配されるかもしれないと思い、(建設現場で働くことを親には)話していない」と明かした。

 冬休みを迎え、大学生や就職活動中の若者が「短時間・高収入のアルバイト」として知られる建設現場での日雇い仕事に飛び込んでいる。本紙が18日午前、ソウル各地の「基礎安全保健教育院」5カ所を取材したところ、受講生52人のうち22人が大学生または就職活動中の人だった。永登浦区のある教育院の関係者は「建設日雇い職の募集が増える旧正月連休が近づき、大学生からの問い合わせ電話がここ1週間に20件以上あった」と伝えた。安全保健公団によると、建設業の基礎安全保健教育を履修した20代は、2013年の3万4651人から16年には10万839人と3年で約3倍に増えた。

 だが、肉体労働に慣れていない大学生たちがわずかな教育だけで建設現場に投入されれば、事故につながりかねないとの指摘もある。現場ごとに作業時間は異なるものの、一般的に午前5時に出勤し、午後5時までハードな仕事が続く。

チュ・ヒョンシク記者 , キム・ミョンジン記者
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