月周回衛星「かぐや」の観測データを解析した結果、地球から流出した酸素イオンが月に到達していたと、大阪大などの研究チームが31日付の電子版の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に発表した。地球の表面から流出した酸素イオンが、太陽から吹き出す粒子の流れ(太陽風)の影響を受けて38万キロ離れた月に運ばれ、月の土に入り込んでいる可能性もあるという。
地球の酸素イオンは、太陽風のために太陽から遠ざかる方向に集中して流れている。研究チームがかぐやに搭載したプラズマ観測装置のデータを分析し、地球の周りを公転している月がこの集中域を通過した時に地球から来た酸素イオンが増加していたことが分かった。月が集中域を通過するのは、1カ月弱の月の公転周期のうち、満月の前後に該当する5日間。
この酸素イオンは高いエネルギーを持っており、金属の表面から数十ナノメートル(ナノは10億分の1)まで入り込むことができるという。地球では24億年前から酸素が増えだしたと言われており、月はこのころから地球由来の酸素イオンを浴び続けている可能性がある。米国のアポロ計画で月から持ち帰った砂には地球や月などが起源の酸素イオンが含まれると解釈できるという。
大阪大の寺田健太郎教授(宇宙地球化学)は「月の土には太古の地球の大気の痕跡の一部が保存されている可能性もある」と話した。【鳥井真平】
【ことば】かぐや
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2007年9月に打ち上げた月探査のための衛星。月に帰る「かぐや姫」をイメージして名付けられた。本体は月の高度100キロを周回し、月の地形や元素分布、磁場の観測など多くのデータを得た。09年6月に役目を終え、月面に計画落下した。
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