カナダのトルドー首相、難民歓迎姿勢を明示 米の入国制限を受け

  • 2017年01月30日
Canada's Prime Minister Justin Trudeau speaks to the media at the end of a two-day cabinet retreat in Calgary, Alberta, Canada on 24 January 2017. Image copyright Reuters

カナダのジャスティン・トルドー首相は28日夜、信仰を問わず難民を歓迎する姿勢を明示した。ドナルド・トランプ米大統領が、シリア難民などイスラム教徒が多数を占める7カ国からの難民・移民受け入れを制限し、米国各地の空港で実際に入国が制限される事態になったのを受けて、ツイッターで表明した。

トルドー首相は「迫害やテロや戦争から逃げている人たちへ、カナダ人は皆さんの信仰を問わず、皆さんを歓迎します。多様性は私たちの力です #カナダへようこそ」と英語とフランス語でツイートしたほか、2015年11月に自らトロントの空港でシリア難民を出迎えた際の写真と共に、「#カナダへようこそ」と2カ国語でツイートした。

カナダ政府はかねてから、「迫害とテロと戦争から逃げている人たち」の受け入れに力を入れている。

首相のツイートはたちまち15万回以上リツイートされ、日本時間30日午後までに40万回以上リツイートされた。

「カナダへようこそ」というハッシュタグも、カナダのツイッター利用者の間では幅広く拡散された。

トルドー首相は、トランプ大統領に対する批判は控えている。

両首脳の政治見解は大きくかけ離れている様子だが、首相はこのところマスコミでは、両国の長年にわたる友好関係と経済関係を強調する発言を重ねていた。カナダにとって米国は最大の貿易国。

カナダは2017年には移民30万人の受け入れを認める構えだ。そのほとんどは経済移民だが、難民4万人も受け入れる方針。

米国土安全保障省は、大統領令に基づく7カ国からの入国制限は、二重国籍者も対象になると説明している。しかしカナダ首相官邸は、7カ国のいずれかとカナダの二重国籍者は除外されると発表した。

「カナダ旅券で渡航しているカナダ市民は、通常の扱いで手続きを受けると保証を得た」と首相報道官はメールで発表した。それによると、マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、「二重国籍者を含めてカナダ旅券の保持者は、(米国の)入国制限の影響を受けない」と確認したという。

カナダのアーメド・フッセン移民・難民・市民権相は、ソマリア難民としてカナダ市民になった二重国籍者。

マーク・ガルノー運輸相は、米国に旅行するカナダ市民が大統領令にどのように影響を受けるのか、「さらにはっきりとした」説明を米政府に求めていると話した。

米国務省は28日、BBCに対して、イラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンからの渡航者はすべて、二重国籍者も含めて、米国への入国が当面禁止されると話した。有効な査証(ビザ)を持つ人も含まれるという。

(英語記事 US refugee ban: Canada's Justin Trudeau takes a stand

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