不振のAV業界で彼女たちに起こっていること
「親公認」は売れるための必須条件だ
このところAV出演強要問題が話題だ。タレントやモデルにならないかと声をかけられ、強引に契約書にサインをさせられた。望まないAV出演を余儀なくされた。契約を解除しようとすると法外な違約金が発生した、などAV出演を巡るトラブルが取りざたされている。被害者の中には「親にバラすぞ」と脅された例もあると報じられている。
しかし日々AV女優たちに取材をしている中で「有名になりたくてAV女優になった」「親も応援してくれている」という声を聞くことが増えていった。一体、どのような経緯でそのような状況になったのだろう。そもそもAVは、親や周囲に内緒にしておく仕事なのではないのか。そんな思いから彼女たちに話を聞くようになった。それが今月発売された『うちの娘はAV女優です』である。
親が応援するAV女優の増加
「”親がこの仕事を知っている””知られても大丈夫”という土台を持つことが、今の時代はAV女優が売れるために必要な条件かもしれません」
そう語るのは単体AV女優をメインに扱うベテランマネージャー氏。AV女優とはいえ人気商売。ネット時代の当ご時世、周囲にバレずに仕事をしていくのは至難の技だ。現在その数、4000人とも言われているAV女優が並みいるライバルを押しのけて稼ぎ、生き延びるためには、容姿やスタイルが良いだけでは通用しない。SMはできるのかなどのプレイの幅から週何回働けるのか、いかにスケジュールが融通きくか、などの条件と並列して「メディアへの露出をいかにできるか」延いては「親にバレても大丈夫か」という要素も重要になってくる。そもそもAV女優は人気商売、作品が売れて知名度が上がれば、バレの可能性も高まる。高収入系雑誌に踊る「バレずに稼ぐ」というキャッチコピーは残念ながら成り立たない。
特に作品の売り上げ不振が嘆かれる現在のAV業界では、女優たちがより多くのメディアに露出し、AV以外のジャンルでも知名度を上げ、幅広いファン層を獲得することも求められている。もっとも代表的な例が「恵比寿★マスカッツ」などのAV女優によるアイドル活動である。そしてこれが「親公認」への有力な説得材料となるケースもある。