塩谷耕吾
2017年1月30日09時37分
日本酒ファンの間で「酒造りの神様」とも呼ばれた能登杜氏(とうじ)四天王の一人で、2年前に引退していた石川県能登町の農口(のぐち)尚彦さん(84)が、酒造りに復帰する。同県小松市で設立準備が進む新しい酒造会社の杜氏に今秋、就任する予定だ。「酒を造りながら死ねたら本望」と思いを語る。
農口さんは高度な技術を要する山廃造りが得意で、山吹色で旨(うま)みと酸度の強い「濃醇旨口(のうじゅんうまくち)」の酒で全国にファンがいる。16歳から修業を始め、石川県の菊姫、鹿野酒造、農口酒造で杜氏をつとめてきた。
日本酒の全国新酒鑑評会で連続12回を含む通算27回の金賞に輝き、2006年に「現代の名工」に認定された。10人以上の弟子たちは石川だけでなく、兵庫、京都、和歌山、滋賀など各地の酒蔵で杜氏となった。
データ分析などの科学的アプロ…
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