上田女流三段、3連勝Vならず…将棋女流名人戦第3局

2017年1月30日6時0分  スポーツ報知
  • 肩を落とす上田女流三段

 里見香奈女流名人(24)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=と挑戦者・上田初美女流三段(28)による5番勝負第3局が29日、千葉県野田市の関根名人記念館で行われ、後手の里見が84手で勝って対戦成績を1勝2敗とした。カド番の女流名人は、伝家の宝刀「ゴキゲン中飛車」で中央突破を断行。飛車捨て覚悟の積極手△5五銀を実らせての完勝譜となった。第4局は2月5日、岡山県真庭市の湯原国際観光ホテル菊之湯で行われる。

 無傷3連勝での戴冠はならなかった。女王2期(2011、12年)以来のタイトルを目指す上田だが、対局を振り返り「分岐点がいろいろあったけど、ずっと分からなかった」と首をひねった。

 △5五銀の次の一手を45分長考したが、その後にミス。▲6二歩と攻めた場合の△6六歩を「大きく見落としていた」と告白した。「そこからすごい勢いで崩れちゃったのが残念」。持ち味の攻撃力は不発に終わった。

 2連勝しても周囲からは「0勝2敗のつもりでやりなさい」と声をかけられている。初黒星を喫しても、あと1勝の状況は変わらないが「そこはあまり意識せずに。自分の力が出せるように頑張る」。1歳になったばかりの長女を抱える“闘うママ”。次こそ栄冠をお土産に持ち帰る。(筒井 政也)

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