入国停止の米大統領令 日本は特段の対応とらず

入国停止の米大統領令 日本は特段の対応とらず
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法務省入国管理局によりますと、アメリカのトランプ大統領が、テロ対策を理由に中東やアフリカの7か国の人などの入国を停止したことについて、特段の対応はとっていないということです。
日本を出国する外国人については、出入国管理法に基づいて、入国審査官が出国の確認をしますが、一定の犯罪を犯した疑いで逮捕状が出ている場合や、日本に不法滞在している場合などを除き出国を止めることはできないということです。

このため、入国管理局では特段の対応はとっておらず、今後もアメリカをはじめとした各国の対応を注視していくものの、法令の改正など具体的な対応をとることは、現時点では検討してないということです。また、これまでのところ、各地の空港などからトラブルの報告もないということです。

国交省 入国停止対象の人が出国のケース確認されず

国土交通省によりますと、アメリカのトランプ大統領がテロ対策を理由に中東やアフリカの7か国の人などの入国を停止したことについて、これまでのところ、対象となる人が国内発の空の便でアメリカに向かったケースは確認されていないということです。

また、日本の入国管理局が特段の対応をとっていないことなどから、国土交通省は、航空会社に対し特段の指示は出していないということです。

国内の航空会社のうち、全日空は、これまでのところ、従来どおり、対象となる国の人たちが搭乗しようとした場合も搭乗できるようにしているということです。一方、日本航空は、対象となる人が搭乗手続きを行う場合、アメリカの入管当局に入国できるかどうか確認の問い合わせを行うことにしたということです。

官房長官 関心を持って見守る

菅官房長官は午前の記者会見で、「アメリカ政府の話であり、政府としてコメントすることは控えたい。一般論として申し上げれば、難民問題、テロ対策は世界的な課題だと認識している。移民政策に関する大統領令の実施状況について、日本政府としても関心を持って見守っていきたい」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は、大統領令の対象者がいた場合の対応について、「政府として、現時点までに本邦の航空会社がそのような取り扱いを受けたという報告は受けていない。今後、米国で入国できない場合には、航空会社が出発地に送還しなければならないことから、本邦の航空会社においても、どのように対応するかを検討している状況だと報告を受けている」と述べました。

また、菅官房長官は、28日の安倍総理大臣とトランプ大統領との電話会談について、「個別に踏み込んだ議論は行っていない。具体的な中身は2月10日の会談の際にじっくり話そうということになった」と述べました。

首相 国際社会が連携して対応を

安倍総理大臣は午前の参議院予算委員会で、「難民が出てくるような状況を根絶する中で、世界が協力しなければいけないということにおいて、日本は役割を果たしていきたい。いずれにせよ、われわれは難民への対応は国際社会が連携して対応していくべきものだと考えている」と述べました。