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静岡原田橋崩落あす2年 再建3年後、住民我慢◆東西往来 仮設道頼り
浜松市天竜区佐久間町の天竜川に架かるつり橋・原田橋が崩落し、三十一日で二年になる。約二百メートル下流では、新しい橋の建設が始まり、二〇二〇年春ごろ完成の予定だ。それまでは町の東西を、仮設道路で行き来する不便が続く。 天竜川の両岸は、河川敷を走る仮設道路で結ばれている。凸凹で走るたび車が大きく揺れた以前の路面と違い、今はコンクリートで平らになり走りやすい。だが上流の佐久間ダムが放流を決めると、行き来できなくなるのは相変わらずだ。 右岸の川合地区に住む女性(82)は、崩落した日の朝も、対岸にある高齢者施設にバスで出かけた。帰りには朝渡った橋がなかった。 “脳トレ”と呼ぶ施設での教室が楽しみ。ゲームや体操をわいわい楽しむ。年が明け、早速ダムの放流で仮設道路が止まり、休みになった。「家では、こたつに入ったっきり。休みになると、さみしいやぁ」 JR飯田線の浦川駅近く。理容店の三代目、乗本(のりもと)和男さん(49)は店を改装した。オセロのような黒白の床。ピンクのソファ。赤い扉を押し入店するとジュークボックスが迎える。山の「ロックな床屋さん」だ。 仮設道路が止まれば、対岸の客から理髪の予約キャンセルが入ることもある。だが新しい橋の完成を待たず集客力の向上に努める。 頭から爪先まで、全身を洗える洗浄剤やエルビス・プレスリーをイメージした整髪料を置き、フェイスブックなどで発信する。遠方からの客も少なくない。 「『あそこにいかないと買えないよ』という、個の魅力を出していかないと」 新たな橋の工事は、いまは二本の橋脚の土台となる部分を川底のさらに約十四メートル地中の岩盤まで、沈める工事が進む。 天竜土木整備事務所の白柳裕一所長(56)は「橋の早期完成は、地域の希望であり、亡くなった職員の遺族の望みでもある。全力で進めたい」と話す。 (勝間田秀樹、写真も) <原田橋の崩落> 2015年1月31日午後5時10分ごろ、浜松市天竜区佐久間町の天竜川に架かる国道473号の原田橋(長さ138メートル、幅5メートル)が、天竜川右岸の斜面が高さ70メートル、幅30メートルにわたり三角形に崩れたことで、橋をつるケーブルが固定されていたアンカーごと落ちた。橋の上で斜面を監視していた浜松市天竜土木整備事務所の安野彰恭さん=当時(57)、茶谷富士雄さん=同(45)=が死亡した。 PR情報 |
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