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 ありがとう「みすゞ潮彩」――。新下関駅と仙崎駅を結ぶJR西日本の観光列車が最後の運行を迎えた29日、地元で記念の式があった。

 運行は2007年7月から。年間で約1万9千人、累計で約73万人が乗車した。下関駅であった式では、日本海沿いを走る車体をデザインした記念プレートが披露された。来月14日まで下関市役所新館1階に展示される。

 ホームでは、市立文関小学校の合唱クラブ18人が「みんなちがって、みんないい」の一節で知られるみすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」を合唱した。みすゞの生涯、巌流島の決闘の紙芝居を車内で上演してきた中川真津恵さん(67)は「全国から多くの観光客に紙芝居を見てもらえた。寂しいけど、楽しい思い出になった」と話した。

 夏ごろには新しい列車に生まれ変わる。福岡県筑前町の田辺仁康さん(45)は日本海の景色がお気に入りだ。「なくなるのは残念だけど、新列車を楽しみにしています」(上山崎雅泰)