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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

映画「クレヨンしんちゃん」おすすめランキング

まとめはうす-おすすめランキング アニメ

年末にAmazonプライムビデオを使って、ユメミーワールド以外の映画作品を全部見て、ユメミーワールドだけを別途レンタルで見て「クレしんマラソン」を敢行した。

※現在、アニメ版55話分とクレヨンしんちゃん外伝はAmazonプライムで見られるけど、映画版は見られません。

 

せっかく全部見たので、僕のおすすめのクレヨンしんちゃんをランキング形式で語っていく。

 

24作品分全部の評価を見たい人は、僕の中でトップ10入りしなかったクレしんだけをまとめたこちらからどうぞ。

映画「クレヨンしんちゃん」ワーストランキング - かくいう私も青二才でね

 

 じゃ、いってみよー♪

 10位 アッパレ!戦国大合戦 (2001年)

 

 ・あらすじ

幼稚園からしんのすけが帰るとシロが庭を掘り返していた。

しんのすけが静止してもシロは穴を掘り続け、ついに文箱を掘り当てる。

 

文箱を掘り当てるとしんのすけが書いたであろう文字とぶりぶりざえもんの絵が。

 

そして、穴の中で目を閉じると戦国時代に…タイムスリップしていた。

クレしん映画の中で最もビターに仕上がった映画

クオリティだけで言えば、トップ5には入れるべき作品。

 

そのため、クレヨンしんちゃんファン以外には伝説的な扱いを受けることが多い。
実際、クレヨンしんちゃん映画シリーズで初めて賞を取ったのはアッパレ戦国。

この映画を原案とする実写版として「BALLAD 名もなき愛のうた」というスピンオフまである。(しかも、キャストがすごく豪華)

 

ただし、クレヨンしんちゃんファンには評判が芳しくない映画。

僕自身、終わり方や話の進み方を見ながら「これはクレヨンしんちゃんとして受け入れていいのか?」と悩んで、この順位にした。

 

というのも、クレヨンしんちゃんの映画の決まりは、善と悪が正々堂々勝負して、勝ち負けさえ決したら相手のことを助ける側にいる…というのがクレしんらしい「正義」のあり方 。

そこの潔さ・潔く生きる強さがクレしん的なかっこよさで、世の男性がクレしんにハマるダンディズムにつながっている。

 

 

本作でも8割ぐらいはそこのルールを守ってる。

ただ、残りの2割で…クレしん映画がそれまで守ってきたルールを10年目にしてぶっ壊してる。

 

そのため、

これを認めてしまうと、他のクレヨンしんちゃん映画を素直に楽しめなくなってしまう

「他の映画では手放しに、しんちゃんとしんちゃんに影響を及ぼしてるアクション仮面や野原ひろしの美学や正義の物語を楽しむことができていた。

だから、クレしん映画でこんなに生々しい話になるのはしんどい。」

というシリーズ全部見た人ならではのチグハグ感が生じてしまう。

 

そのため、ビターさがクレヨンしんちゃんのファンかそうでないかで評価が別れてしまっている。

でも、無碍にできないほどクオリティが高いから多くのクレしんファンはトップ5には入れないけど、トップ10に入れることが多い作品。

 

9位 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998年)

・あらすじ 

 ふたば幼稚園の遠足で屋形船に乗っていると、屋形船ごと飛行船にさらわれてしまう。

 

逃げ遅れたかすかべ防衛隊のメンバーが飛行船の中に囚われてしまうが…本当の目的は、船の中に逃げ込んでいた秘密組織SML(正義の味方 LOVE)のエージェント「お色気」を捕まえることだった。

 

一方、野原夫妻はしんのすけの安否すら確認できない状態だった。

そこで、野原家を訪れたSMLのエージェント「筋肉」の反対を押し切り、半ば強引に彼のしんのすけ救出作戦に同行することに…。

ギャグとオマージュのキレで攻めてくるクレしん

まつざか先生がおもいっきり怨念を込めて中島みゆきの「ひとり上手」を歌ったり、

コードネーム「お色気」のセクシー衣装及びその声優「三石琴乃」さんの演技がキレッキレだったり、

洋画などによく登場しそうなキャラ寄せてデザインされているにコードネーム「筋肉」の声優がこれまた洋画の吹き替えではよく出てくる「玄田哲章」だったり。(※玄田哲章クレヨンしんちゃん本編でもアクション仮面の声優さんなので、クレしんには馴染み深い声優さんだけど、そういう役とは一線を画した登場をしている)

 

記憶に残るギャグが多い作品だから、クレしんファンが上位にすることが多い作品。

 

ただ、作品自体が洋画やスパイ映画、時々エヴァンゲリオンのオマージュ要素が強い作品でオマージュを楽しめるだけの予備知識をつけた大人になってもう一回見た時と、子どもの時に見た時では印象が全然違う作品。(子どもの時に見たはずなのに、あんまり印象に残ってなかった作品)

 

ぶりぶりざえもん物語などいい話も入っている一方で映画の半分ぐらいにモヤッとするシーンも多い。

特に、コードネーム「筋肉」が野原家を訪れた際に野原夫妻が彼のお茶に下剤をし込んだり、強引に同行して彼のスパイとしての救出作戦を結果的に妨害していくところがもやもやする作品。

 

下剤を入れた筋肉と野原夫妻が戦うギャグシーンとして面白いけど、トータルで考えると、話の筋にモヤモヤするため、僕はあまり人に勧めたくない映画。

 

…面白いんだけど…面白くて、モヤッとせずに見られるクレしんは他にもあるし。

 

8位 アクション仮面VSハイグレ魔王(1993年)

・あらすじ

 テレビ番組「アクション仮面」の撮影中、アクション仮面の力の源「アクションストーン」を奪われてしまう。

 

一方、夏休みが始まったしんのすけはみさえとの買い物中に迷い込んだアクション仮面カードが当たるチョコビを購入。

そのチョコビにはNo.99の幻のカードが入っていた。

 

そのカードがきっかけで、しんのすけはアクションストーンを取り返す冒険にでかけることになる…。

最初で最後!?臼井儀人(原作)テイストのクレしん映画

クレヨンしんちゃんファンを標榜する人の多くは、実は原作には詳しくない。

原作とは全く別に、2代目監督「原恵一」がマイルドに見やすくしてくれたギャグといい話で幅広い層が見やすいテレビ版のクレヨンしんちゃんを確立したあとのクレヨンしんちゃんを好んで「クレしんファンだ」と言ってる人達だ。

 

かくいう私もアニメ(原恵一クレしんファンでした。

 

そのため、表現が過激で、大人が子どもに対してネガティブな本音もむき出しに口に出すクレヨンしんちゃんを見て「クレしんってこんなにロックな作品だったのか!!」と感動。

 

PTAと敵対しているイメージが強いクレヨンしんちゃんだが、むしろ親の本音を代弁して「そうそう、俺のお母さんも、夏休みが始まると【子どもが家に居着くからめんどくさい】とか言ってた!!」という感動と共感がこの作品でだけは味わえる。

 

そして、映画としても、しんちゃんの正義感や優しさがアクション仮面をルーツにしていることがよく分かる内容になっていることに感動。

 

おちゃらけた映画のようで根が真面目・リアリティを見逃さない素晴らしい映画。

 

過激すぎて好みが分かれそうではあるものの、原恵一以降のクレヨンしんちゃんファンなら一周回った斬新さがあるはずなので、是非見てほしい作品。

 

7位 ガチンコ!!逆襲のロボとーちゃん(2014)

 ・あらすじ

ぎっくり腰の治療も兼ねて野原ひろしが怪しいマッサージ屋さんに入っていった。

 

すると、そのマッサージ屋さんから帰ってくると金ピカのロボットになっていた。

 

しかし、それは「父ゆれ同盟」の恐ろしい陰謀の始まりだった…。

 最近のクレしんではピカイチ!!昔のクレしんとも十分戦える名作。

クレヨンしんちゃんでは珍しいテーマを扱っている作品でありながら、キチッとクレヨンしんちゃんらしいギャグと熱血の面白さが光る作品。

 

女性批判のような内容も混じっているため、好き嫌いが別れる可能性があるため、この順位にしている

しかし、映画の思想的・怨念めいた部分に苦手意識を感じずに見られる人ならこの映画はかっちりハマるだろう。

 

また、過去のクレしん映画を抑えている人ならば思い出深いオマージュ

 

 それもそのはず!

 

脚本はなんと「天元突破グレンラガン」などの中島かずき!!

熱血で、ロボットで、ガイナックスで、クレしんガチ勢の脚本家が満を持してクレしん映画に参戦!!

 

…って言われても、中島かずき自体が深夜アニメ見ない人には伝わらない可能性が高いからうんちくも兼ねて紹介していく。

 

うんちく:ガイナックスクレしん(興味のある人だけどうぞ)

アニメオタク以外の人が聞いてもあまり凄さが伝わらないから少しだけ説明。

 

まず、クレヨンしんちゃん映画は初代監督「本郷みつる」や、二代目監督「原恵一」の時代からガイナックスの作品・ロボットアニメのオマージュが多かった。

本郷みつる作品であれば、ハイグレ魔王の中で空中で飛んで来るミサイルを避ける板野サーカスみたいなことをしてみたり、雲黒斎の野望では変身ロボットアニメがSFかどうかを議論するシーンがある。

原恵一作品では、エヴァンゲリオンみたいなロボットが本当に登場したり、 同じ声優さんを呼んで、同じようにお色気お姉さん役をやらせてみたり…。

 

庵野秀明エヴァンゲリオンを知っている人なら「ここはエヴァンゲリオンを作ったアニメスタジオであるガイナックスのオマージュ、またはガイナックスと同じモノを元ネタにしてできたネタだな」とわかるシーンがクレヨンしんちゃん映画には多い。

 

そんなクレヨンしんちゃん映画にに、本当にガイナックスアニメを作った脚本家が参戦する!

クレしんファンのアニメオタクなら映画を見ると決めたその時から映画館に行くのが楽しみで遠足の日を待ちわびる子どものようになってしまったことだろう。

 

本作でもガイナックスオマージュがたくさん見られる。(あらすじにかいた「父ゆれ同盟」という名前自体が、ガイナックス知っている人には伝わるオマージュ)

 

うんちく:中島かずきクレしん

 しかも、この脚本家のすごいところは実際に双葉社に勤務した経験があり、臼井儀人の初期作品を編集担当もしたことがある…というところ。

 

そのため、原作の良さを知っているのは言うまでもなく、しかもクレしん映画にもチーププロデューサーの一人として映画作りに関わった経験もある。

 

プロデューサーとして関わっていた時のクレしん映画は面白くない時期のクレヨンしんちゃんであるものの、映画クレヨンしんちゃんの黄金期に「クレヨンしんちゃん映画大全」という本の企画・出版もしている。

 

 

そのため、

・原作のクレヨンしんちゃんを抑えてる。(臼井儀人の初期作品を編集)
・良かった時のクレヨンしんちゃんのこともよく知ってる。(企画・出版)
・映画がどうやって作られていくかという段取りも知ってる。(プロデューサー)
クレヨンしんちゃんの歴代監督が元ネタにしてきたロボットアニメや怪獣映画についても造詣が深い(趣味性の一致)
・脚本家としてアニメ作品をヒットさせた実績もある(優秀な脚本家) 

 と、ドンピシャな人が参戦している。

 

これは僕みたいな1オタクが勝手に興奮しているわけではなく、本作が章をもらっている文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査員からも、中島かずきの仕事はべた褒めされている。

 

それだけの人だから、またクレしん映画を作って欲しくて、僕自身がファンでもっと多くの人に知って欲しいからガッツリと紹介させてもらいました。

 

6位 栄光のヤキニクロード(2003)

 ・あらすじ

「今夜は焼き肉」

と盛り上がる謎の一団が野原家に襲来。

 

謎の一団から逃げ出すと野原一家は犯罪者に仕立てあげられてしまう。

 

騒動を解決して焼き肉…総決意した野原一家は散り散りになりながら、謎の一団「スイートボーイズ」の本部がある熱海を目指す。

ギャグ特化型クレしんの名作

クレヨンしんちゃん映画の中で過小評価されがちだが、最も笑えるクレヨンしんちゃん映画の1つ。

 

また、登場人物もかすかべ防衛隊・野原一家それぞれをバランスよく出して活躍させつつ、魅力的なゲストキャラも出てくるため、飽きずに見続けられる。

 

真面目にやってるのにどこかおかしい…敵が強いだけではなくよくわからないポリシーを大事にしてくる…野原一家のキレッキレッのアクションシーンにも、ゲストキャラの行動にも強いキャラクター性・おかしさ性が出ているのがこの映画の魅力。

 

また、しばらくご無沙汰だった(初期クレしん映画ファンにとっては名物の)ギャグ要員のオカマキャラを復活させてくれたのもありがたい。

 

5位 嵐を呼ぶジャングル(2000) 

・あらすじ 

 アクション仮面の新作映画を目玉にした豪華クルーズ旅行に野原一家ででかけたところ、船が映画の途中で「やたら賢い猿の一団」に占拠されてしまう。

 

猿に大人だけを連れて行かれてしまい、取り残されたかすかべ防衛隊は自分の親を助けに行く決意を固める。

 

劇中の「尻歩き」を練習してしまうほど好きな映画。

最初から最後まで飽きることなく見られる安定したクレしん映画の名作。

 

それでいて、印象的なシーンがいくつも挟み込まれているため、しんちゃんがやっている尻歩きを映画を見た当時の僕が練習してできるようになってしまったり、小林幸子を見るたびに笑いが止まらなくなったり…してます。

 

うんちく:もしかして「アクション仮面VSハイグレ魔王」の続編??

あくまでも1ファンの独自解釈ですが、しんのすけが大事にしている正義感やアクション仮面と協力して敵に立ち向かう姿勢など「アクション仮面VSハイグレ魔王」を見てから見ると、また違った見え方をする作品。

 

しんちゃんが熱心なアクション仮面ファンであること・ファンというよりも道徳的な規範にまで影響を及ぼしてるところまで来てるのがわかって面白い。

 

クレしん映画シリーズ全般で大事にされている価値観がアクション仮面的な正義ではあるのですが…この作品は特にアクション仮面的な正義をしんのすけアクション仮面よりも先んじて実践してる。

 

4位 ヘンダーランドの大冒険 

 ・あらすじ

幼稚園の遠足で「群馬ヘンダーランド」に行った際に、しんのすけはトッペマ・マペットという人形に出会う。

 

そのトッペマから魔法のカードを受け取ってから、カードを奪い返そうとヘンダーランドからス・ノーマンという雪だるまが来る。

 

雪だるまに襲われた話や、ヘンダーランドが悪の組織だという話をしんのすけがしても夢だとか、遊園地のおとぎばなしだと相手にされず、ついに野原夫妻はヘンダーランドに囚われてしまう。

 

しんのすけは単身ヘンダーランドに乗り込んで、悪の組織と戦うことに…。

本郷みつるクレしんの最高傑作にして、ホラー要素のあるクレしんの名作

ファンタジックな設定、特に危害を加えられるわけではないけど人がいなくなったり、迫られたりすることで徐々に怖くなっていく…といった初期のクレヨンしんちゃん映画の中にあったビターな要素を突き詰められて作られた尖った作品。

 

子どもっぽい空想と、クレしんらしい強そうでいいやつそうなのに致命的な部分がずれてて滑稽な要素が入り交ざった、不思議で奥深い面白さが魅力。

 

また、初期のクレヨンしんちゃんファンの中ではラストシーンでの悪役との死闘…いや、そもそもオカマの二人組というあの悪役自体が頭から離れないぐらい濃ゆいらしく、「クレヨンしんちゃんといえばオカマ」と言ってる人は多くの場合、ヘンダーランドのファン。(※僕は違うけどね)

3位 暗黒タマタマ大追跡

 

・あらすじ 

しんちゃんが河原で拾ったタマを妹のひまわりが飲み込んでしまう。 

 

 そのタマは、ジャークという怪物を復活させるために必要な大事な儀式の道具だった。

 

ジャーク復活を目論む一族の存在をタマの元々の持ち主だったオカマ3人組に教わり、オカマと一緒にジャーク復活を阻止するために戦う羽目に

 クレしん映画が教育的だと言い張るのは僕がこの映画で兄さんになれたから 

 この映画はしんのすけの妹、野原ひまわりが初登場する映画。

そのため、しんのすけがお兄さんとしてひまわりを守る…男らしく振る舞おうとするシーンの多い映画。

 

オカマがたくさん出てきてギャグシーンが面白い…

アクションシーンも劇画もキレッキレで予備知識がなくても爽快感のある…そんな映画だが、僕にとって重要なのはそこじゃない。

 

僕は妹のいる長男で、その長男として妹を大事にしようと思えるきっかけになったのがこの映画なんだ。
実際、仲の良い兄妹と言われたことは何度もあったのはクレしんのおかげ。

だから、PTAに何を言われようとクレしんを応援しよう、大人になった今は僕がクレしんを語り継いでいこうと思えた。

 

そういうターニングポイントになった映画です。

 

2位 夕陽のカスカベボーイズ

 

 ・あらすじ

 路地裏にある映画館「カスカベ座」に迷い込んだかすかべ防衛隊。

 

みんなで映画を見ることにしたが、しんのすけだけトイレに。
すると、トイレに行ってるうちに残りのメンバーが消えてしまう。

 

野原一家でカスカベ座へ捜索に向かうも、結局見つからず。

 

その後、上映している「西部劇の映画の世界に取り込まれた」ことが発覚し、野原一家も映画の世界へと入っていく。

クレしん唯一の文学的なラブロマンス映画

しんのすけの女好きは有名なことだが、実は本気で惚れた女の人はそんなにいない。

 

そんなしんのすけが女子中学生ぐらいの年齢の「つばきちゃん」に本気で惚れる映画。

 

西部劇オマージュや、かすかべ防衛隊の派手なアクションに気を取られがちだが、実はものすごく文学的な映画で、しんのすけ初恋と失恋…そして、恋を吹っ切るまでの過程を1本の映画でやり切るというすごい試みがなされた映画

クレヨンしんちゃんの中で、クレしんの面白さを崩さずに文学をやりぬいた作品。

 

エンディングの「◯をあげよう」のアニメではそのつばきちゃんとしんのすけダンスが披露されるんだけど…映画の意味を全部わかった上で見ると、もうそこで泣ける。

 

1位 オトナ帝国の逆襲

 

・あらすじ 

 カスカベにできた20世紀博という昭和を扱った施設に親世代がハマってしまう。

 

ついには20世紀博から出ている懐かしい匂いに夢中になった大人達は20世紀博へと集団で移ってしまう。

 

取り残された子どもたちは大人に捕まえられそうになり逃げ惑う。

そして、逃げに逃げたあと、しんのすけは20世紀博に突入する決断をする。

見るたびに泣くんだから1位にするしかないだよ!!

「その道のファンなら、世間的に有名な作品ではなく、自分が好きな1位を選ぶべきだ。でないと、ランキングとしてつまんない」

とか怒られるかもしれない。

 

…でもね、僕はオトナ帝国の逆襲を何回も見て、その都度泣いてる。

しかも見るたびに新しい発見があり、その発見をすることでまた泣き所が増えていく

 

こんな映画…クレヨンしんちゃんどころか、日本中…いや、世界中探したって数えるほどしかないほどのパワーを持ってる。

それだけ深く突き刺さる映画を1位にしないのは、「いいものをいいと認められない反抗期」か、「作品を理解できてない奴」のように思えて、僕にはオトナ帝国以外にクレヨンしんちゃん映画の1位はありえないと思う。

いや、アニメ映画、日本映画の1位だとさえ思ってる。

 

そのぐらい好き。

 

うんちく:映画を見る時に知っておくとさらに泣ける要素

1、走るシーンがクライマックスの理由

しんのすけが走るシーンがどうして映画のクライマックスになってるかわかる?

アレは、父ひろしがシーンが変わる前に言った「親にもらった足があるだろ」と言って電波塔を登り始めるセリフに対するアンサーだよ。

 

また、しんのすけがすすむためにひろしやみさえ、シロまでもが20世紀博の連中を足止め足止めする。

 

これ自体が、子どもの未来を親が体を張って、家族の一員であるペットが育んできたこと…そういう人達に育てられたからこそしんのすけががんばれることの縮図(メタファ)になっているわけです。

 

 

2、ひろしの靴の臭いが、オトナ帝国の匂いに勝つ理由。

ひろしの靴の臭いがオトナ帝国の用意した匂いに勝つ理由も実はキチッとある。

 

モノの固有の臭いよりも、体臭…それも子どもではなく大人が汗水たらした時の臭いの方が基本的に臭い。

 

また、汗の匂いは誰でもない自分が歩きまわらないと絶対に作れない唯一無二のオリジナルの臭い。

それは時代がどうだとかよりも、自分が生きていればそれがどこだろうが、どんな時代だろうが流れる臭い。

 

また、ひろしの臭さが革靴から出てくるのもポイント。

革靴はサラリーマンのアイテム…つまり、ひろしの場合は足の臭さ=家庭を支えてきた歴史や苦労そのもの。

 

臭いをかぎ、回想して自分が人の子であることを思い出したひろしにしんのすけ

「とうちゃん、オラがわかる?」

と問いかける。

 

しんのすけのために歩きまわった革靴の臭いを嗅いだのだ…。

何のために自分が汗水たらしてたかを思い出したら、もう我が子を抱きしめるしかないわけです。

 

3、しんのすけが大人のいない街を楽しんでいた理由

またギャグのシーンのように使われてるしんのすけがバーに行ったり、運転したり、スーパーでお泊りしたり…ああいうのも、子どもの時大人になったらやりたいことをしんのすけは子どもでありながら漠然とイメージしてやってる。

 

おもちゃとかじゃなくて、場所に行って考えれば遊べるってことを示し続けることで、オトナ帝国を作ろうとしている二人組が「外の人間は心をモノで埋め合わそうとしている」のアンサーをしている。

さらに言えば、「どうして未来を生きたいの?」というラストシーンの問いに対する答えがもう中盤のギャグにしか取れないシーンで回収されてる。

 

 

この辺のことを踏まえてもう一回見てください。

絶対泣けるはずです!!俺はこれ書きながら泣きそうになってるし…。

 

 

 

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