最近中国のジャーナリスト、外交官、学者数人と相次いで会った。北朝鮮の核問題について討論し、韓中両国民の認識差があまりに大きいことに驚いた。中国のジャーナリストは「北朝鮮の安全保障懸念も理解すべきだ。北朝鮮の核は韓米による軍事的脅威に対応する自衛的な性格がある。攻撃用ではなく防衛用だ。同じ民族なのに北が南を攻撃するだろうか」と語った。彼らは北朝鮮の安全保障懸念と核開発の妥当性を理解しようとする一方で、北朝鮮の核を警戒して暮らす韓国国民5000万人の懸念と防衛の妥当性は認めようとしなかった。南北を見る視点が「ダブルスタンダード」だった。
中国の外交・安保専門家は「万一中国が朝鮮(北朝鮮)と関係を一切断絶すれば、核問題を解決できるのだとしたら、我々はそうするだろう。しかし、そうしたところで朝鮮は決して核を放棄しないはずだ」とも語った。それほど北朝鮮には核保有意思が強いということだ。ならば、中国はこれまで「できもしないこと(北朝鮮の核廃棄)」のために6カ国協議を行ってきたことになる。中国は北朝鮮に対する食糧・エネルギー支援を一度も中断したことはない。こうして見ると、中国が叫ぶ「北朝鮮の非核化」もいい加減なものではないかという疑いが生じる。
中国の外交・安全保障関係者は、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)が対北朝鮮用ではなく、米国の中国包囲網の一環だと固く信じている。中国のベテラン外交官、王嵎生氏は昨年8月、環球時報のインタビューに応じ、「米国のTHAAD配備は韓国を縛り付けるものだが、米日を中心に韓国、オーストラリア、インド、ベトナムまで束ねて、アジア版のNATO(北大西洋条約機構)をつくろうとしている」と語った。こうした認識に基づき、THAADに対する報復は韓国だけでなく、アジア各国を怖がらせ、米国と手を結ばせないようにする意図もある。中国国防大戦略研究所の楊毅元所長は「我々は韓国に強力な反撃を加え、韓国を絶望させなければならない。今回韓国に確実に教訓を与えれば、他国も中国を相手に好き勝手をすれば、厳しい罰を受けるというルールを知ることになる」と指摘した。