「イギリスではペットショップでの犬猫販売が禁じられている。犬猫の入手はブリーダーか保護施設から譲渡を受けるしかない」という、深層NEWSの狂気の大嘘報道
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(Summary)
Dogs4Us - Exposed on Sky News!
Dogs4Us exposed for buying puppies from puppy mills.
BS日本テレビの「深層NEWS」の1月13日放映において、フリーアナウンサーでもある動物愛護活動家の滝川クリステル氏をゲストに招いて、日本の動物愛護の現状とイギリスの比較について放映しました。その中で滝川クリステル氏は、「イギリスではペットショップで犬猫を販売することが禁じられていてペットショップでは犬猫が販売されていない。従ってイギリスで犬猫を入手するには、ブリーダーからの直接購入か、保護施設から譲渡を受けるしかない」と発言していました。しかしこれは驚くべき大嘘です。イギリスでは約半数の犬が、ペットショップとインターネット販売からの入手です。イギリスにおける犬の保護施設からの入手比率は、日本の保健所譲渡+保護施設からの譲渡と変わりません。
まず、1月13日放映の「BS日テレ深層NEW」の内容です。犬猫殺処分に滝川さん「無責任な飼育が続く」2017年 01月12日 22時58分提供元:読売新聞、から引用します。
「フリーアナウンサーの滝川クリステルさんと神奈川県動物保護センター所長の橋爪廣美さんが12日、BS日本テレビの「深層NEWS」に出演し、「犬猫殺処分への課題」をテーマに意見を交わした。
滝川さんは、動物保護の財団を設立して殺処分・虐待ゼロを目指す活動に取り組んでおり、「ペットの大量生産、大量消費を規制する法律がなく、無責任な飼育が続いている」と指摘した。
(画像)
BS日本テレビ「深層NEWS」。1月12日放映で出演した滝川クリステル氏。「イギリスではぺットショップで犬猫を販売することを禁じているのでペットショップでは犬猫は売っていない。犬猫を入手するにはブリーダーから直接購入するか、保護施設から譲渡を受けるしかない」。
このような真実と全く反する大嘘を、全国放送で垂れ流すとは。滝川クリステル氏と本番組制作者の精神状態は大丈夫なのでしょうか?
さらに滝川クリステル氏は番組の中で、「日本と異なり動物愛護に先進的なイギリス」と例に挙げて、このように語りました。「イギリスではペットショップで犬猫を販売することを禁じており、ペットショップでは犬猫を販売していません。犬猫を入手するには、ブリーダーから直接購入するか、犬猫の保護施設から譲渡を受けるしかありません。日本はペットの大量生産大量消費を規制する法律がないためにペットショップでの犬猫の販売があり、それが無責任飼育を招き、殺処分の原因になっているのです。殺処分ゼロを目指すには、日本はイギリスのようにペットショップを禁止し、犬猫は保護施設から入手するイギリスに習わなければならないのです」。
しかしこれは驚くべき大嘘です。私が今までの記事で述べてきたとおり、イギリスの犬猫の販売の実態は以下のとおりです。
1、イギリスではペットショップで犬猫を販売して良いと法律で明記しています。
2、イギリスでの、ペットショップ+インターネット販売から犬を入手したシェアは半数近くで、日本よりはるかに多いのです。
今回は、次について述べます。
3、イギリスでの保護施設から犬を入手した割合は8%程度で、日本と同程度です。
まず、イギリスの動物保護施設が譲渡した犬の数について推測します。イギリスは迷い犬のみ公的に保護し、飼い主を探しますが、1週間後は民間シェルターにすべて移譲します。民間シェルターが保護動物の譲渡をになっています。その民間シェルターの犬猫引受数の推計値があります。 Brits Love Their Pets - Or Not 「イギリス人は自分たちのペットを愛しているでしょうかーいいえ、そうではありません」。(2012年4月14日)より引用します。
more than 260,000 dogs and cats were sent to UK rescue shelters in 2009.
From the responses received it was estimated that 131,070 cats and 129,743 dogs entered the care of UK welfare organizations during 2009.
2009年には26万頭以上の犬と猫がイギリスのアニマルシェルターに送られました。
受け取ったアンケートの回答から、2009年に131,070匹の猫と129,743頭の犬がイギリスの福祉団体の世話を受けるようになりました。
さらにイギリスでは、最も権威ある動物保護団体、RSPCA(「英国王立動物虐待防止協会 」The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)が、約半数の収容動物を殺処分しています。この記事に詳細が書かれています。Revealed: RSPCA destroys HALF of the animals that it rescues - yet thousands are completely healthy 「RSPCAは、救済という名目で、半数の健康上問題のない数千もの動物を殺します」。(2012年12月29日)。
おそらく、イギリスの全民間アニマルシェルター(保護施設)の殺処分率はRSPCAより高いと思われますが、全イギリスのアニマルシェルターの平均殺処分率が約半数であることを前提とします。とすれば、イギリスのアニマルシェルター(保護施設)で殺処分されなかった犬がすべて一般譲渡されたと仮定すれば、イギリスにおけるアニマルシェルター(保護施設)の犬譲渡総数は、129,743の半数、つまり64,872頭となります。実際は施設内死亡などがありますので、譲渡数はそれよりも少ないでしょうが、譲渡数を6万5,000と推計します。概ねイギリスの年間犬取得数は*1、77万頭です。つまりイギリスのアニマルシェルター(保護施設)が一般譲渡した犬の、全体の犬取得数に占める割合は多く見積もっても8%台なのです。
滝川クリステル氏が「深層NEWS」で述べた、「イギリスではペットショップでの犬猫の販売を禁じている。したがって保護施設かブリーダーから直接購入するしかない」との発言には疑念が生じます。前回記事で述べた通り、イギリスでは、47%の飼い主が、ペットショップ+インターネット販売で犬を取得しているからです。しかしながら滝川クリステル氏は、「日本は保護犬猫の譲渡が遅れている。イギリスを見倣って保護犬猫の譲渡を増やし、殺処分を減らすべきだ(*2、イギリスは実数では、日本よりはるかに殺処分数が多い)と結論づけています。
一方日本ですが、イギリスに比べて極端に保健所や保護施設からの犬の譲渡が少ないわけではありません。以下のグラフは、○犬猫の入手経路(犬 n=516、猫 n=460) ※環境省調べ(平成 23 年度:一般市民へのアンケート調査結果) です。これによれば、日本の保健所+保護施設から犬を入手した人の割合は6.3%です。
(画像)
さらにこのような調査結果もあります。以下の画像は、東京都が平成23年度に調査したものです。これによれば、「行政機関からの譲り受け」、または「譲渡団体からの譲り受け」が9.1%となっており、イギリスの保護団体による譲渡割合より高いのです(なお、「ペットショップで購入した 50.3%」は、ペットショップ+ブリーダーの直販の合計と思われます)。
(画像)
東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要 (平成23年度)
以上のように、滝川クリステル氏が、「深層NEWS」で述べた、「イギリスではペットショップでは犬猫の販売が禁じられており犬猫は販売していない。イギリスで犬猫を入手するには保護施設かブリーダーからの直接購入しかない。日本は保護施設から保護犬猫を入手することが遅れている」は、全く事実無根の大嘘であることがお分かりいただけると思います。
イギリスには、巨大な犬猫の生体販売に特化したペットショップがいくつも存在します。そのようなペットショップの中には、「パピーミルから子犬を仕入れている」「展示環境が劣悪」「わずか5週齡の子犬を展示販売している」とのことで、批判を浴びているところがあります。しばしばTVニュースでも取り上げられています。次回以降の記事では、そのような、イギリスの「巨大犬猫生体販売ペットショップ」の実例を取り上げます。
(動画)
イギリスの犬猫生体販売に特化した巨大ペットショップ、Dogs4Us。Dogs4Us - Exposed on Sky News! 「ペットショップ、Dogs4Usを暴く」。イギリスの巨大犬猫生体販売ペットショップは、パピーミルから子犬を仕入れています。2012/06/14 に公開。イギリス、Sky NEWSより。
(参考資料)
*1、
・Pet Population 2016
・Pet Population 2016
*2、
・イギリスの殺処分の実数
その他、参考記事
・「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
・イギリスでは法律で犬猫を「ペットショップで販売して良い動物種」と明記しています~「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
・イギリスでは犬のペットショップ販売は一般的です~「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
*1、
・Pet Population 2016
・Pet Population 2016
*2、
・イギリスの殺処分の実数
その他、参考記事
・「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
・イギリスでは法律で犬猫を「ペットショップで販売して良い動物種」と明記しています~「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
・イギリスでは犬のペットショップ販売は一般的です~「ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります」との滝川クリステル氏の大嘘
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