■安楽死は殺人行為
ホサインさんの嘆願書が全国ニュースで取り上げられ、政府当局者が彼の家を訪ねてきた。嘆願書を「絶望した父親の訴え」とした当局者は、だれが家族を死なせる許可をだせるのだろうか? とAFPの取材に語り、現在、治療費を援助する方向で動いていると明らかにした。
ホサインさん一家の窮状は、これまでバングラデシュでほとんど見られなかった安楽死をめぐる論争に火をつけた。自殺未遂で禁錮刑となりかねない同国では、安楽死も法律で厳しく禁じられている。イスラム教徒が大半を占めていることから、宗教的にも安楽死は認められていない。
地元人権団体の代表は、バングラデシュ人のほとんどが安楽死を支持しないだけではなく、それについて議論することすら反対の立場であると説明。そして「人々は(安楽死を)殺人行為だと見なしている」と続けた。
首都ダッカ(Dhaka)にあるバングラデシュ唯一の緩和ケアセンターの所長は、不治の病で苦しむ人たちの看病や安楽死の問題について「率直な議論」をする時が来たと語る。「(ホサインさんの訴えが)安楽死をめぐる健全な論争につながるだろう」
ホサインさんの家族を診ている医師も、3人がひどい身体的苦痛に悩まされていることを指摘しながら「人道的な問題」であるとコメントしている。【翻訳編集】 AFPBB News
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