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 米空母艦載機の発着訓練(FCLP)の移転先として挙がる無人島「馬毛(まげ)島」を抱える鹿児島県西之表市長選が29日投開票された。移転容認派2人、反対派4人の計6人がいずれも法定得票(有効投票総数の4分の1)に達せず、当選者が出なかった。異議申し立ての期間を経て、50日以内に再選挙が実施される。

 当日有権者数は1万3303人。投票率は77・26%(前回78・64%)だった。総務省によると、首長選での再選挙は2003年の札幌市、07年の宮城県加美町などに続き5例目となる。

 FCLPの移転に反対の姿勢を取ってきた長野力市長が立候補せず、同市長選では過去最多となる新顔6人が出馬。容認派は「経済効果が生まれ、人口減少に歯止めがかけられる」、反対派は「騒音問題や事故の危険性がある」などと訴えた。

 馬毛島へのFCLPの移転は、硫黄島(東京都)に代わる場所として2011年の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の合意文書に明記。防衛省は昨年、島のほぼ全域を所有する開発会社との間で、双方が不動産価格を鑑定したうえで交渉する内容の覚書を締結し、島の買い取りに動き出している。