保険会社で働く人の多くが「医療保険はバカバカしいので入らない」!? その理由とは

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 入院などに備えて医療保険に加入する人は多いが「私の知る限り、保険会社で働く人の多くは『医療保険に入るのはバカバカしい』と考えています」と、保険コンサルタントの後田亨氏。

「入院時の費用など『お金の使途別』に対策をとらないことです。お金の問題を解決するのはお金ですから、自己資金で払うのが一番。医療保険に頼ると、数万円程度のお金のためにも保険料を払うことになる。健康保険の保障もあるのにもったいないということです」

 そもそも保険料が高すぎる――と、後田氏は語気を強める。

「保険数理の専門家によると、医療保険の保険料には保険会社の運営費が3割ほど含まれている。1万円入金すると3000円手数料がかかるATM機のイメージです」

 高額の保険料の背後には「経費の使いすぎ」という問題も。

「各社の保険料収入に占める事業費の割合を見ると、例えばアフラックで20%超。大手でも10%前後。大手の数十分の1の規模である埼玉県民共済が3%程度の事業費率で運営されていることを思うと、コストがかかり過ぎです」

 ちなみに「医療保険に入らない」保険会社の中の人たちは、どんな保険に加入しているのか?

「掛け捨ての死亡保険ですね。自分で出せない1000万円単位のお金は保険に頼る一方で、“貯蓄性”は保険でなくてもできることなので求めない。一般には販売されていない『団体保険』が彼らの間で人気なのは、販売手数料などのコストが低いからです」

 団体保険は大手企業などで導入されている。生命保険に入る前に、国や職場の制度をチェックだ。

<知っ得! 新常識ベスト3>

1.「使い道」ではなく「金額の大きさ」で考える
知ってる…26%
知らない…74%

2.保険に「貯蓄性」は求めない
知ってる…31%
知らない…69%

3.こだわるべきは、保険料に含まれる「コスト」
知ってる…18%
知らない…82%

【後田亨氏】
保険コンサルタント。オフィス・バトン「保険相談室」代表。生保会社の営業職を経て独立。近著に『生命保険は「入るほど損?!」』(日本経済新聞出版社)

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