2565年12月17日

東北大学自治会選挙 あおの新執行部信任

週刊『前進』06頁(2565号5面2)(2565/12/17)

東北大学自治会選挙 自治破壊の攻撃ぶち破り
 あおの新執行部信任

(写真 拡大中央委で発言する東北大学生自治会の青野弘明委員長)

 11月29日〜12月7日の東北大学学生自治会執行部選挙は、総投票数981票、うち信任592票を獲得した「あおの統一候補」が、新たな執行部として信任されました。
 11月27日に行われた「大学の主人公は学生だ! 東北大一日行動」(2563号既報)の成功に続き、東北大学当局の自治破壊の攻撃を根底からうち破る決定的勝利です。本年6月の京都大学同学会再建に続く大勝利であり、全国大学に闘う学生自治会の建設を呼びかける号砲です。

 1年生が立候補

 とりわけ今回の選挙で決定的だったのは、委員長候補として出馬した青野弘明君(医学部1年)を始め、「3・11」後に自治会活動に加わった若い世代が立候補し、当局による選挙妨害を敢然とうち破って闘いぬいたことです。そして、彼らが選挙戦の過程で日々飛躍をかちとりながら、一生懸命東北大生に訴えかけたことが、今回の勝利をもぎりとる最深の力となりました。
 あおの統一候補は、「大学の主人公は学生だ!」をメインスローガンに、「①学内規制の強化反対・非公認サークルからの部室剥奪を許さない!②キャンパスを反原発の砦に!③『教育の民営化』反対!」の3点を掲げ、大学当局との対決姿勢を鮮明にキャンパスに登場しました。
 特に、当局が狙うサークル自治破壊、学生からの部室配分権の剥奪、そして学生支配のための学内規定=「内規」の適用に対し絶対反対の立場をはっきりと貫きました。
 「私たちは大学が教育機関である以上、その主人公は学生であるべきだと考えていますが、それとは異なる現実がさまざまな場面で見られます。私たちはそうした状況を東北大生のみなさんと団結して変えていきたいと思います」
 「長年、大学が原子力業界に牛耳られてきたことが、3・11以降、全社会的に暴露されました。これは大学の私物化の最たるものであり、その結果が昨年の福島第一原発の大事故の背景にあると思います。……これからも地域・全国の原発反対の行動と共闘してキャンパスの内外で反原発運動を貫きます」
 「東北大では2000年に、当時の学生自治会が国立大学法人化(=教育の民営化)に反対して全学ストを貫徹しました。こうした力が東北大生の根底にはあり、それが今なお『内規』を貫徹させていないのだと思います。私たちは『教育の民営化反対!』をこれからも訴えていきます」
(統一候補声明より)
 この旗幟(きし)鮮明な訴えに多くの東北大生が注目し、教室や食堂で次々と議論の輪が広がっていきました。特徴的だったのは、「サークルのことを訴えているから投票しよう」と隣の仲間に呼びかける学生や、何日も考えた末に投票所まで足を運んで投票していく学生など、主体的かつ目的意識的な学生の投票が選挙の終盤過程で急増していったことです。

 当局が誹謗中傷

 こうした東北大生の決起に恐怖した大学当局は、11月29日付「学生協ニュース」№68なる文書で学生自治会選挙を誹謗(ひぼう)中傷し、例年多くの学生が投票してきた授業時間前のクラス投票を「授業妨害」などと決めつけてきました。しかし当局は、あおの統一候補の主張には何一つ言及することもできず、学生の前に出てくることさえできませんでした。
 今回、選挙管理委員を担った東北大生は、こうした当局の自治破壊の攻撃に怒りをもって対決し、全学生に投票を呼びかけました。また、あおの統一候補は連日キャンパスのど真ん中に登場し、生き生きと学生に訴えました。結果、千人近い学生の投票をもって当局の選挙妨害=自治会つぶしの狙いはを完全に粉砕されました。

 6割が信任の○(まる)

 この勝利について、青野新委員長は選挙直後の全学連拡大中央委員会で次のような総括を提起しています。
 「われわれ東北大学学生自治会は、入学式や学部別オリエンテーションの時から、ゴリゴリと当局から『カルト』『政治セクト』などと宣伝され、誹謗中傷されます。それなのに、6割の学生が信任の『○』を書きました。学生自治会が非公認化された2001年以降、12年間の闘いへの学生の信頼があるからこそ、当局の誹謗中傷の中、毎年の選挙で信任をかちとっているのだと思います」「この1〜2年の自治会をめぐる攻防はかなり激しく、寮生への退寮強要攻撃、サークルからの部室取り上げ、さらに自治会活動をやっている学生への呼び出しがあります。それらを一つひとつ粉砕して勝利してきました。その結果として今回の勝利があると総括しています」「親をも使った『呼び出し』という攻撃は、東北大学だけではなく、法政大学、福島大学でも同じです。この大学当局を断固粉砕しようと、僕はこの1年間、本当に怒りで沸騰するような、脳みそに血が上るような思いでした」「この1年間の闘いの総括、そして自分に何ができるのかを考えた上で、委員長に立候補させてもらいました」

 “闘って勝つ!”

 このような不退転の決意をもって東北大学学生自治会の若き執行部がうち立てられたことの意義は計り知れません。
 さらに今回の自治会選挙は、野田・安倍・石原・橋下らが労働者人民を踏みにじって醜悪な泥仕合を演じる総選挙情勢と全面的に対決し、キャンパスから学生の団結をよみがえらせ、大学を反原発・革命の砦へと転化する決定的な第一歩として闘われました。
 「既成政党や体制内政党は、国民に絶望しかもたらしていない。それをうち破って誰が求められているかというと、それはわれわれなんです。本当に闘う存在が今、求められている。今回の総選挙の結果、大学での新自由主義攻撃や原発の再稼働の圧力が強まっていくと思います。ここで負けないで、闘って勝つ! それがわれわれに求められています。その先頭で僕も闘います」(青野委員長、同前)
 新執行部の決意は鮮明だ。東北大の勝利に続き、全国学生に闘う学生自治会をうち立てよう!
 (東北大学・J)