聴いて美し、食べて美味(おい)しい!? フルートの世界三大コンクールの一つに数えられる「第9回神戸国際フルートコンクール」(5月25日~6月4日、神戸文化ホール)の関連行事として、神戸市が、ちくわに穴を開けて作る「ちくわ笛」を使った国際音楽祭を4月16日に催す。今月から市民楽団が特訓を始めている。(井上 駿)
市はコンクールに合わせ、3~6月に「神戸国際フルート音楽祭」と銘打ち、市内各所でのコンサートなど約120の関連行事を計画。ちくわ笛の音楽祭もその一環で、市の担当者は「食と音楽の融合。高貴な楽器のイメージが強いフルートと違い、笑いありの楽しいイベントにしたい」と話す。
アイデアが生まれたのは昨年7月のイベントの企画会議。出席者から「ちくわ笛というものがあるらしい」と発言があり、スマートフォンで検索。動画投稿サイトの映像を見て、「おもろいやん!」と声が上がった。
出演団体に挙がったのが、打楽器「スチールパン」を演奏する「ファンタスティックス」(同市長田区)。2001年、阪神・淡路大震災から復興する長田を元気づけようと発足し、東日本大震災の被災地にも赴くなど、エネルギッシュで陽気な楽団だが、笛を演奏した経験はない。
スティックをちくわに持ち替え、今月12日にあった初の練習会。「ピュー、ピュー」。なかなか音が鳴らず、悪戦苦闘する団員が続出した。中にはこつをつかみ、「ド、レ、ミ」と音を出す団員も。練習が終わると、皆でパクッと頬張った。
リーダーの山本亜純(あずみ)さん(40)=同市長田区=は「安定した音を出すまでが一苦労。コンクールとは趣が違うイベントだが、楽しんでもらえるよう練習を重ねたい」と意気込む。特訓は続いており、「今は『ラブ・ミー・テンダー』なら吹けますよ」と笑う。
イベントには、練り物メーカー「カネテツデリカフーズ」(同市東灘区)が協力し、「はも竹」「煮込ちくわ」の2商品を提供している。
音楽祭はJR新長田駅近くの若松公園(同市長田区)で開く。同楽団の演奏のほか、笛になるものを持ち寄って音を出す「何でも笛自慢大会」や、ちくわ料理のグルメ屋台などを予定している。
■ちくわ笛の作り方
1)上端に吹き口を作る。45度の角度で斜めに切り落とし、唇が当たる手前側も20度に切ってとがらせる。切り落とした部分は食べる。
2)ペンのキャップを使って、音階の穴を開ける。表側の中央に一つ開け、上に一つ、下に二つ開ける。裏側にも一つ開ける。等間隔ではなく、押さえやすい場所に開ける。
3)下端をかじって音を調整する。
■音を出すこつ
・新鮮で水気の多い、太めのちくわが適している。白身魚が原料で、小麦粉のつなぎが少ない高級品だと音が出やすい。
・口をすぼめて息を細く吹き、音が出るスポットを丹念に探す。
・音階を作るには、長さ15センチ以上が必要。
(岡山市のちくわ笛奏者、住宅正人さんへの取材を基に作成)