国連事務総長 広がる移民や難民への差別を懸念

国連事務総長 広がる移民や難民への差別を懸念
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国連のグテーレス事務総長は、国連が定めたホロコーストを思い起こす日に合わせて開かれた式典で演説し、「ポピュリズムが排他的な考えやイスラム教徒への憎悪に拍車をかけている」として、欧米で広がる移民や難民を排斥する動きを念頭に憎悪や差別の撲滅に取り組む決意を強調しました。
国連のグテーレス事務総長は、27日、ニューヨークの国連本部で、2005年に国連が定めた、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストを思い起こす日に合わせて開かれた式典に出席しました。

冒頭、出席者全員で犠牲者に黙とうをささげたあとグテーレス事務総長が演説し、いまでもホロコーストを否定する動きやソーシャルメディアを通じて反ユダヤ主義が拡散していると指摘しました。

そして「ポピュリズムが排他的な考えやイスラム教徒への憎悪に拍車をかけている。世界中で、移民や難民、マイノリティーが差別に直面していることを強く懸念している」と述べ、トランプ政権のアメリカやヨーロッパ各国で移民や難民の流入を制限する動きが強まっているという認識を示しました。

そのうえで「恐怖に支配された20世紀が終わり、21世紀に非寛容が入り込む余地はない」と述べて、憎悪や差別の撲滅に向けて取り組んでいく決意を強調しました。