豊臣の要・石田三成役の山本耕史さんが、
実は“熱い男”だという三成像を語ります!
僕は第14回からの登場になります。同時期にスタートを切る出演者も多く、世界観もこれまでとは大きく変わるので、すでに出来上がった撮影現場に飛び込んでいくというような緊張感は少なかったです。視聴者の皆さんも、一気に世界がぐっと広がるというか、ここから全く違う新しい世界が始まった、時代が動き出した、と感じられると思います。
大坂編は名だたる武将が次々と登場するので、歴史好きな人にはたまらないのではないでしょうか。演じる僕らも「この先はこうなる」とワクワクしながら話しているくらいですから、見ている方はもっと楽しんでいただけると思います。
そんな歴史上のスターが勢ぞろいするためか、息もつけない鋭さがあります。例えば、右には大谷吉継、左には加藤清正、前には殿下、そして、後ろには信繁がいる。12年前に土方歳三を演じた大河ドラマ『新選組!』(2004年)は、血気盛んな青年たちが一緒に成長しながら前に進んでいく感じでしたが、『真田丸』はすでに出来上がっている人たちが、すれ違いながらどんどん駆け上がっていく感じでしょうか。豊臣の名の下に手を取り合っているようで、どこか個々であるという印象です。
信繁を演じる堺雅人さんとは12年ぶりの共演です。『新選組!』のメンバーでずっと忘年会をやっているので、毎年お会いしてはいましたが、三成と信繁という新しい関係で顔をあわせると、接し方も昔と違っている部分、逆に変わらない部分、の両方があります。お互い、時が経って同じ舞台に立てるのは、とても幸せなことだと思います。
脚本を読んで受けた三成のイメージは、端的、明確で、余計なことを言わず、余計な仕草もしない、というロボットのような感じです。小日向文世さん演じる秀吉は、とても自由なのですが、僕はその横でずっと息を止めて存在しているというイメージです。
しかし、脚本の三谷幸喜さんのお話によると、『真田丸』の三成は「今まで描かれた中で一番熱い男」だそうです。頭も良く、理屈でものを考え、立場で人を分けたりするけれども、実は自分でもコントロールできないくらいの熱さを持っていて、とても人間らしい人物。三成が散る時は、「殺さないでくれ」という声がたくさん届くような役にしたいともおっしゃっていました。
ですから今回の三成は、とても難しい役だと思っています。あまり動かず、反応せず、ほとんど表情も変えないが、実は熱い三成。冷静沈着をやりすぎてもいけないし、熱くしすぎても三成ではない気もします。第20回くらいから徐々に、内に秘めた熱さゆえに、殿下に思いもよらぬことを言ったりするようになります。自分の熱さゆえに、想像もしていなかったことが出てしまうような、人間味にあふれる人物として、三成を演じられたらと思っています。
石田三成はとにかく才覚のある人です。史実やゆかりの地を巡って、いろんな人のお話を伺い、すごく人間らしい人だと感じました。だけど、とても不器用な人でもあります。理屈や目に見えるもので全てを判断して、それが間違いないものだから、人は従わざるを得ない。きっと殿下への忠誠心、豊臣家への思いからくるものなのだと思います。三成は殿下がいるからこそ、自分の才能を発揮できました。だから、自分の居場所はここだと定めていたのだと思います。三成は個人的な思いより、殿下のため、豊臣のために生きるということに意義を見出していたのではないでしょうか。
三成は、信繁のことも徐々に認めるようになります。出会った頃には目もくれなかった三成でしたが、癒やされる雰囲気と、人を惹きつけるカリスマ性を敏感に察し、「お前は何者なんだ」と信繁を意識します。堺さんとは、お互い「真逆」の役柄だと、よく話をしています。信繁は、三成ができないことを実行したり、ちょっとしたアイデアで、頑固でまっすぐな三成を変えたりします。逆に信繁ができないことを三成が補うこともあります。この対比が面白いんです。すでに出来上がっていた大坂の人間関係の中に信繁が入ることで、いろんなことがちょっと柔軟になったというのは、三成も感じているのではないかと思います。
小日向さん演じる秀吉は、人を引き寄せる魅力を持ち、自由で大胆でチャーミングな人物です。しかし、時々ものすごく鋭くて、ぞっとするような面も見せます。左を見ているようで、右端もきっちり見ているような怖さというか。振り幅が大きく、目が離せません。
三成は、信繁のことも徐々に認めるようになります。出会った頃には目もくれなかった三成でしたが、癒やされる雰囲気と、人を惹きつけるカリスマ性を敏感に察し、「お前は何者なんだ」と信繁を意識します。堺さんとは、お互い「真逆」の役柄だと、よく話をしています。信繁は、三成ができないことを実行したり、ちょっとしたアイデアで、頑固でまっすぐな三成を変えたりします。逆に信繁ができないことを三成が補うこともあります。この対比が面白いんです。すでに出来上がっていた大坂の人間関係の中に信繁が入ることで、いろんなことがちょっと柔軟になったというのは、三成も感じているのではないかと思います。
最後まで豊臣家のために生き抜いた男・三成として、これから走っていければと思っています。