千代田区長選立候補の与謝野信氏、報知新聞に気遣い「心苦しいんですけど、ライオンズファンです」
中学と高校をフランスと英国で過ごして東大に入学。英ケンブリッジ大を卒業した後は外資系証券会社に入り、香港やパリなどに勤務。この華麗なる経歴の持ち主は、千代田区長選(29日告示、2月5日投開票)に立候補した自民党推薦の与謝野信氏(41)だ。
明治時代に歌集「みだれ髪」で人間解放を歌い、近代短歌の端緒を開いた与謝野晶子のひ孫で、千代田区を地盤として来た与謝野馨元内閣官房長官の甥である。
一つの地方選挙に過ぎないこの区長選が、全国的に注目されているのは、現職の石川雅己区長(75)を支援する小池百合子都知事(64)と与謝野氏を推す「都議会のドン」内田茂都議(77)との代理戦争と見立てられているからに他ならない。
与謝野氏サイドは、争点をあくまで「新旧世代交代」とし、「小池VS内田の代理戦争」という見方にうんざりしていることを隠さない。確かにこの構図でばかり報じていても仕方がないのももっともだ。先日、与謝野氏の記者会見に出席する機会があったので、ぶしつけな質問をしてみた。「報知新聞なんですが、お人柄を知りたいので、あなたの趣味はなんですか?」
「ここで言うべきじゃないと思うけどカミングアウトしますと…私、東久留米市出身なので報知新聞さんに言うのは大変心苦しいんですけど、西武ライオンズファンでございます。ここで巨人ファンと言わないといけないのは分かっているんですけど、これはもう生まれたところで一度身に着いてしまうと、なかなか取れない。ライオンズも今は厳しい状況。小中時代に黄金時代を迎えていたので、野球ではライオンズは好きです」
趣味を尋ねたので映画観賞とか史跡めぐりといった答えが返ってくるかと思いきや、回答は好きなプロ野球球団となった。スポーツ紙からの質問ということで、大きく飛躍したらしい。もちろん「巨人ファン」という答えを期待していない。そもそも報知新聞の社員にだって阪神ファンや西武ファンはいますので…。
それにしてもこの回答には嫌がるどころか、むしろ「よくぞ聞いてくれました」という気持ちもくみ取れた。スーパーエリートと見られているという意識から庶民的な一面も知って欲しいと思いもあるのかもしれない。
ちなみにサッカーでは、思春期にはロンドンで過ごしたとあってプレミアリーグ・チェルシーのサポーターだそうだ。(記者コラム・甲斐毅彦)