2020年東京五輪のゴルフ会場で正会員を男性に限定している霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)が国際オリンピック委員会(IOC)の改善要請を受け、対応を協議する見通しであることが28日、分かった。同倶楽部の理事会は来月上旬に開かれる。
同倶楽部は定款の細則で正会員を男性に限っているため、女性がプレーできない日がある。東京都の小池百合子知事が「21世紀に女性が正会員になれないのは違和感がある」と問題を提起した後、大会組織委員会の照会に対して同倶楽部は「現状で規約の変更は難しいが、今後検討する可能性はある」と文書で返答するにとどめたが、IOCの改善要請を重く受け止めた。規約の変更は理事会の決議が必要となる。
中長期改革「アジェンダ2020」で男女平等を打ち出すIOCは同倶楽部の現状に「差別を禁じるIOCの精神と相いれない」と見解を示したうえで組織委に「女性も男性と同じように利用できるような解決策を」と改善を要請した。IOCは「現状では会場を変更せざるを得ない」とも伝えてきている。
組織委は日本ゴルフ協会(JGA)や国際ゴルフ連盟(IGF)が対応すべきだとの立場だったが、IOCの要請を受け「こちらも強く改善を求めることになる」と事態の打開を図ることにした。【小林悠太】