あとがき
やり遂げた! 書きおえて最初に思ったことはこれでしたね。昨年の十月から連載開始していますから、もう九ヶ月か十ヶ月連載していたことになりますね。よくぞ最後まで書ききれたものです。あきっぽい私としては上出来でございます。
この『いろは伝奇』は慎条未羽さん主宰の『僧侶ちゃん親衛隊』が発端でございました。その親衛隊の公式サイトに投稿した『僧侶いろは』のショートストーリー。それがすべての始まりでしたね。FC版DQ3が世に出て間もない頃、私なりに自分の使うパーティーのサイドストーリーをあれこれ空想したものです。その時から、女の子僧侶の名前は『いろは』でした。
当時NHK大河ドラマの『独眼竜政宗』が大好きでして、政宗の長女『五郎八(いろは)姫』が気に入ったのです。演じていた沢口靖子さんもですが、とにかく名前に心震えました。
だから、それをもらって自分のパーティーに『いろは』の名を持つ女の子を入れたわけです。僧侶にしたのはただの偶然でしたが、気に入っている名前なので知らない間に女の子僧侶がどんどん好きになってしまいました。
それから数年、その女の子僧侶を思い切りヒイキしているサイトにめぐり合え、迷わず当時の空想を思い出して文章化し投稿したわけです。
しかし、投稿ですからショートに収めなくてはなりません。そのショートを書くうちに自分で物足りなくなり、
「よし、自分のHPで『僧侶いろは』を書こう!」
と決めたのでございます。いったん投稿した以上、『僧侶いろは』のお話は『僧侶ちゃん親衛隊』に委任したも同じですので正式に許可をいただき、自分で書き始めました。
ですが、思いのほか壮大になりつつあったので書ききれるか不安でしたねえ。当初は『ヤマタのオロチ編』で話を終えるつもりでしたが、気がついたらバラモス、ゾーマと書いていましたよ。
また彼らの後日談、私は結局いろはとホンフゥのみ掲載しました。無論のことカンダタとステラ、アレルとマリスのその後も考えました。暴露するとカンダタとステラは中国で云う『遊侠の徒』の道に進むこと。近隣の人々に頼られる隠れた名士とでも言いますか。そしてアレルとマリスは晴耕雨読で二人仲良く暮らした、というような感じです。
これを細々と書くとエピローグだけでまた二章三章置かなければならず、少しくどいかなと思い、やめました。
思えば私の書いた小説の中では最長となった『いろは伝奇』ですが、内容もそれなりに濃く書けたと自負もしております。主役六名のパーティーは私にとっても忘れられないキャラクターとなりそうです。
次回は再び『ダイの大冒険』を書こうと考えています。前回書いた『火水の法則』を越えるのは、中々に困難かもしれませんが挑戦してみますよ。まだ構想段階ですので発表はまだまだ先ですね。
でも今は『いろは伝奇』を無事に書きおえた安堵と共に、しばらくは読者となって他のサイトのDQ小説を見て回りたいと思います。
それでは皆さん、今まで『いろは伝奇』を読んでいただけてありがとうございました。
2003.7.25 越路遼介