「お義父さん、旧正月は当直勤務で帰省できません」

韓国の「帰省ストレス」回避策

 「お義母さん、旧正月(今年は1月28日)に当直勤務をすることになったので、そちらに伺えなさそうです。すみません」

 ソウル・江南の病院に勤務するAさん(37)=女性=は先週、南東部の釜山に住む姑(しゅうとめ)に電話をかけてこう言った。電話口からは「仕事なら仕方がない。次の名節(旧正月や秋夕〈中秋節〉)には勤務を変わってもらって必ず帰省してちょうだい」という返事が返ってきた。

 元々、旧正月連休のシフト表にAさんの名前はなかったが、勤務予定だった未婚の同僚に自分が変わると持ち掛けた。2人の子どもを連れて釜山まで帰省し、家事に追われるのが嫌だったのだ。

 Aさんは「お義母さんには申し訳ないが、帰省したくないからと偽のギプスをはめてけがしたふりをするよりはましでは」と話した。

 旧正月に夫の実家へ行かずに済むよう、当直勤務を買って出る既婚女性が増えている。義理の家族たちに気を遣うストレスを回避でき、上司のいないがらんとしたオフィスで休み休み仕事をしながら休日勤務手当ももらえ、まさに一石二鳥というわけだ。

 自分が当直を勤められなければ、夫を働かせたりもする。大企業で広報を担当するBさん(33)=女性=は、シフト勤務をする警察官の夫に、旧正月当日に働けるようシフトを変えてもらってと頼んだ。Bさんは「夫の実家は全羅南道の康津と遠く、連休中ずっと食事の準備や皿洗いに追われることになれば、ぐったりしてしまう」と話す。

 だが、名節の当直勤務のせいで嫁同士がギクシャクすることもある。会社員のある女性(33)は、夫の兄弟の嫁がすでに4年も名節に義理の実家に帰省していないと言い、「本当に当直なのと聞いたが、互いに嫌な気分になっただけだった」と話した。

イ・ドンフィ記者
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