旧正月直前に帰省、親戚の小言を回避する韓国の若者たち

旧正月直前に帰省、親戚の小言を回避する韓国の若者たち

 「旧正月(今年は1月28日)に帰省すると、親戚たちが『就職はまだか』と小言を言うでしょう。それが嫌で早めに帰省します」

 ソウルに住む就職活動中のAさん(27)は、旧正月連休(27-30日)の1週間前の19日に高速鉄道(KTX)で故郷の南東部・釜山へ帰省した。Aさんは、昨年の秋夕(中秋節)連休は親戚が集まる場で「ちゃんと大学を出たのになぜ就職もせずぶらぶらしているのか」などととがめられたと言い、「旧正月に帰省しないのも礼儀に反するので、早めに行って親の顔だけ見て戻ってくるつもり」と話した。

 旧正月連休の1-2週間前に故郷へ帰省する若者が増えている。核家族化で親戚とのつながりが薄れたことから生じた現象だ。名節(旧正月や秋夕)を「親族が集まり先祖を弔う日」と捉えず、「親子が久しぶりに顔を合わせる日」と考えるようになっているのだ。

 実際、金曜日だった20日の夕方、KTXが発着するソウルの竜山駅では旧正月連休の帰省ラッシュと似た光景が見られた。ギフトセットを両手に抱えて列車に乗り込む若者が特に目についた。早めの帰省は列車の乗車券を手に入れやすく、交通渋滞もひどくないというメリットもある。

 一足先に帰省する人々は、親戚付き合いが憂うつだと訴える。2015年に結婚したAさん(30)=女性=は、16年の旧正月と秋夕によく知らない親戚たちに囲まれて戸惑ったという。Aさんは「結婚式で少し顔を合わせただけの親戚たちに『義父母にちゃんと尽くせ』『夫に従いなさい』などと言われた。今年の旧正月は夫を説得して1週間前に帰省し、義父母と水入らずの時間を過ごした」と話した。Aさんの義母も「1人しかいない嫁が名節に親戚たちの世話に追われるのを見て、気の毒に思った」と、早めの帰省を承諾したという。

 親世代は賛否両論だ。21日に中部の忠清南道・牙山に帰省してきた長男夫婦を迎えた女性(62)は「旧正月に集まらねばという強迫観念からストレスを受けるよりも、互いに都合のいい時に会う方がいい」と話した。一方で、「名節なのに残念だ」という声も少なくない。19日、息子夫婦に会うためソウルを訪れた女性(72)は「若い人たちが近しい親戚さえも苦手に感じて名節(の帰省)を避けるのを見ると、だんだん情の薄い社会になる気がする」と話した。

イ・ギフン記者
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