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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

eternalwind氏追悼

社会学 歴史 映画

俺は自分が貧乏人の生まれで、貧乏人の立場から見て、「弱者の味方リベラル様」の意見が全く役に立たず、むしろ弱者の敵になってる事実に怒ってるだけのアカウントなんですよ。たまたま受けてるのは、俺と同じような意見が世界的に表面化してるからでしょう。うまく言語化できてる方だと思ってます 

昨日、アルファツイッタラーのeternalwind氏(@juns76)のアカウントが凍結された。

氏はネット上でも有名なミソジニスト・人種差別主義者だった。氏の汚言症は最近になればなるほど悪化の一途をたどっており、ツイッター上で彼から罵倒されたことのある人々は、今回の凍結に胸をなでおろしているか、快哉を叫んでいるだろう。

とはいえ、上のまとめをみれば分かるように、彼の凍死を残念がっている人がいるのも事実である。もちろん、そういう人の中には口汚い罵り合いを野次馬的に楽しんでいただけの下品な人もいるだろうが、他方で、氏の汚言症には辟易しながらも彼がしばしば傾聴に値する指摘をするのを楽しんでいた向きもあると思う。私自身はこの最後のタイプである。彼のアカウントはいずれ凍結されるだろうとうすうす思いつつ、でもそれはちょっと勿体ないと考えて、ツイートをコピペしてメモをつくってきた。たしかに、いまのところはtwilogが生き残っているが

これもいつまで閲覧できるかは分からないし、そもそも論点が整理されてないので読みづらい。そこで、余計なお世話ではあろうけれども、メモの一端を紹介しつつ氏を追悼してみたい。氏のファンはこのメモで彼のことを思い出しつつ偲んでやることができるだろう。また、氏のことを今回の凍死で知って「そんな人いたの?」という読者にも、以下のメモは何らかの役に立つかもしれない。

凡例

  • 以下の文章はeternalwind氏のツイート、amazonの商品レビューの文章からの「おおまかな」引用である。ツイートからの引用の多くはtwilogで検索すれば見つかると思うが、かなり古いツイートはログに記録されてないことに注意。また、amazonの商品レビューは Amazon CAPTCHA を参照。
  • あくまでも「おおまかな」引用であって、厳密な引用ではない。誤字脱字などは一部修正した。また、あからさまな罵詈雑言の類は除去したつもりだ。
  • 文章の順番は、ツイートの時系列には沿っていない。
  • 四角カッコ内の表現は私の方で補っている。脚注についても同様。
  • 文章の書き手はeternalwind氏であって、私ではない。以下で記すことのすべてに私が完全に同意しているわけではないと断っておく。ただし、引用するからには「たぶんそうなんだろうな」「一理ある」と思っているのは確かなので、明らかな事実誤認などを見かけたらコメントで知らせていただけるとありがたい。

社会学

  • スティーヴン・レヴィットの「ヤバい経済学」なんかを読めば、本来社会学者がやるべき分野の分析でも、経済学者のほうが遥かに鮮やかにやって見せてしまうのが一目瞭然だし、実際に発売された時にNYTに「社会学者ではの月並みな分析ではこの本に到底及ばない」みたいな書評書かれてた。
  • 家父長制が支配の基本形態で封建制がどうこうと言ったウェーバーマルクスの議論は、今の歴史学ではなんの史学的根拠も見いだせないことなんてフェミ批判の本読まなければ知らなかった
  • マルクス的な原始母系ユートピア社会というのは完全な大嘘でいまのアメリカの文化人類学では、未開社会が「キッツイ」社会だという見方が当たり前*1
  • バッハオーフェン母権制matriarchyじゃなくて女権制gynarchyという言葉を使いたがっていた
  • バッハオーフェンという人が、父権制に先んじて、家母長制というものがあり、原始制社会では、女が家長であったという説を唱え、これは通説として広く広まり、エンゲルスを経由して*2フェミニズムにも大きく影響を与えてた。だけど、これ、今の文化人類学では完全に否定されてる。
  • フェミニズムの理論で「家族制度は作られたもの」という時に、それは原始社会は乱婚制度だったという、19世紀の社会進化学者の間違った議論を元にしてる。いまの文化人類学の定説では、人類は普遍的に一夫一妻制か一夫多妻制による家族制度を持ってた*3
  • ルース・ベネディクトの弟子筋に当たる、マーガレット・ミードが、主観を交えて描いた「サモアの思春期」が完全な事実誤認に基づくものだったということが明らかになり、これが、文化人類学のみならず、社会科学全体にものすごいダメージを与えた
  • タルコット・パーソンズの機能構造分析は、現代人は社会に抑圧された存在で、社会規範を内面化して統制に組み込まれてしまうだけという、きわめて浅薄な人間理解しか持ってないから、こんなもので社会をデザインされても困る
  • 日本の社会学は特に狂ってるが、見田宗介のせい。門下生も北田や宮台みたいなイカレばかり。カスタネダみたいな典型的オカルトになにをトチ狂ったかドハマりしたような見田が、東大教授というだけで未だに特権扱いになってる。オウムにハマった中澤と変わらん
  • 宮台思想の根源はネオリベで、宮台は間違いなく社会ダーウィニズムの信奉者で、普段の時事評論では「クズは死ね」というようなことばかり言ってるのに、一般論として貧困を語るときには「貧困問題を個人に押し付けるな」とか言ってるので、本当に整合性がない。宮台が「日本のキモおっさん」を叩くときは本当にイキイキとこれはダメあれはダメって言ってるわけだけど、「欧米左派の文脈」でいう「貧困は自己責任ではない」っていうのは、文盲で麻薬でラリッてるようなガチの底辺ですら、本人に責任はないって話だから、宮台の普段のシバキ論と全く整合しない
  • 漫画家の見田竜介が、見田宗介の息子だったというのはほんとうに驚く。
  • 北条かや、京大で社会学なんてやらないで、福音派の学校にでも行ってれば、今頃は慈善事業家にでもなってたのかもな。世間知らずすぎるお嬢様お坊ちゃまを洗脳する似非学問を国立大学で堂々とやってる事のほうが悪いのかもしれない。
  • 山本七平が言ってる旧軍の非常識な悪体質は、全く今の日本の官僚組織とそっくりで山本の深く憂えた日本の悪癖は、全く今の日本の社会問題と直結してると言えましょう。ここで山本は、これを日本文化論と直結させちゃうんですよ。社会学マートンの『社会理論と社会構造Social Theory and Social Structure』(1949)で触れられてる官僚制の逆機能っていうのが、まったくもってこの日本軍の悪いところとそっくりなんですよ。要するに、問題は日本人の精神性にあるのではなくて、単に官僚制度というものは、必然的にこういう悪い面を持ってるってことでしょう。日本は、官僚制に対しての警戒心が薄いということです。

性の科学

  • 古典になってるヘレン・フィッシャーの本では「恋愛」は原始狩猟時代に赤子が歩けるようになるまでのカップルがつがいを続けるための、脳のドーパミンの分泌に過ぎない。だから恋愛は三年で覚める。
  • ペドは生物学的に禁忌だとおもうが、ロリコンは文化的規制に過ぎない。
  • ペドフィリアなら異常だけど、本来のロリコン(ミドルティーン)に対して性的な欲望を抱くのはむしろ生物学的に見ても当然。
  • 初婚年齢が一番下ったのは室町期から戦国初期にかけてだけど。このころ14-18ぐらいで嫁に行ってる。当時の男はみんな性的異常者とでも言うつもりなのかね。
  • 一部の男だけが、心理倒錯で女子中学生に性的欲望抱いてるって思ってるわけでしょ。根本的にアタマが悪いよね。フェミニズムとか似非心理学にかぶれると第二次性徴を過ぎた女に性的欲望を抱くのが生物としてあたりまえじゃないかという、基礎的なことすらわからなくなるんだよね。
  • 同性愛が変更不可能な性的嗜好であるように、小児性愛も変更不可能な性的嗜好であるというのは、研究者の間では主流の見方になりつつある。もともと、同性愛は「性的倒錯」であり「病気」だったんだよな。で、同性愛が「病気」でないと主張するのに使ったロジックは、そっくりそのまま「小児性愛者」も応用できてしまう。で、どうしてもそれはまずいので、リベラルは「ペドフィリア」をデモナイズして人権を取り上げたわけだ。小児性愛者は人間なのに人権がない。だからミーガン法なんていうのができる
  • アメリカでクリス・ハンセンという人がやってるTo Catch a Predatorって言う番組があって、これは、「ネットやチャットで少年少女のふりをして、小児性愛者を誘い、まんまと誘われた小児性愛者をカメラの前で散々嬲りものにした挙句、警察に逮捕させる」という番組で、自殺者も出てる。要するに「小児性愛者」はプレデターであり人間でないので、必然的に人権はない。このプロパガンダがもう、多くの人間に浸透してるから、コレが人権侵害番組だとは誰も思わない。コレが今のアメリカの状況。LGBTの主張を認めるには、その影で「人間なのに人権がない人」を作る必要がある。
  • 種なし精子の男と別れるための仕組みがPMSなのだが、これは、生涯に数十回しか起こらないから機能した話であって、現代女性みたいに閉経まで数百回生理が来る人がPMSだと[以下略]
  • 子供を生まないのに月経を繰り返してることが現代女性の子宮周りの病気の基であって、同じように子供を生まなかった中世の修道女は、なるべく生理が来ないように、食事制限やハーブティーを飲むなどいろいろ工夫をこらした。

土地開発

  • UR[都市機構]が計画造成した分譲マンションに住めば、あとからいきなり保育園が立って騒音で困るとかいうことはないでしょ。日本は都市計画を軽視し過ぎで、居住者の権利を擁護しすぎなのだよ。それによって結局のところ全員にとって住みにくい都市になってる。
  • 都営や市営の住宅は老人優遇になってる。何故働きもしない老人が、新宿駅から15分のところに住んで、一方妻子持ちの男性が、郊外から一時間以上かけて通勤しなければいけないのか意味不明。多摩ニュータウンとか青梅とか、過疎化してるところに老人を移住させて、そこに老人向けの総合スーパーでも立てればいい。アメリカの老人はマイアミに移住するのに、日本の老人は頑なに23区の便のいいところにしがみついて、若者が通勤地獄に苦しんでようが知らん顔
  • 戦前の大阪が東京を凌ぐ大都市だったのは事実で、堺屋太一が維新のブレーンになって「戦前の大阪を復活させる」みたいなことを言ってたけど、やってることは緊縮だったからなあ。歴史を紐解けば、戦前の大阪が日本一の都市になったのは、御堂筋の整備や地下鉄網などのインフラ整備のおかげ
  • 成田闘争で、百姓と新左翼が土地にしがみついてるのを権力で叩き出さなかったのは、民主主義を順守してたわけでも何でもない。むしろあれは百姓の封建的メンタリティーに極左が政治的目的を持って乗っかっただけ
  • 土地収用権が異常に弱いのは、左翼が、国家が土地収用しようとすると、「戦前の全体主義」と喚いたから
  • 千葉の鉄道建設が進まなかった理由は、中核派が「京成はもともと軍事路線だから、千葉の新線は軍用に転換できる」とかいう珍論かまして、鉄道建設自体を妨害したから。
  • 千葉茨城は、第二常磐線が80年台に開通してりゃ今とは全然違ってたと思う。完全に日本衰退期に突入した後の2005年の開通は遅すぎた。国鉄三羽烏の一人で、JR東日本の社長になった松田昌士常磐新線をJRがやることに強硬に反対したんだよな。「私の履歴書」で、わざわざ常磐新線に反対したことをドヤ顔で書き散らしてるけど、TX[つくばエクスプレス]が大成功した今となっては、見識のなさをさらけ出してるだけ
  • 三里塚闘争新左翼が介入して以降、ずっと収用委員会に対する暴力的威嚇は続いていたので東葉高速線北総線の運賃は収用に手間取ったコストが上乗せされている。北総線とかの割高さえなければ、千葉は普通にベッドタウンとして機能したでしょう

公共事業

  • 東京が日本で突出してここまで巨大化してしまったのは、単にそこが首都というだけでなく、鈴木俊一が副知事時代と知事時代にやったインフラ整備が全部成功してるから。お台場再開発と新宿再開発で、一時的に赤字になったら、放漫都政みたいに言われたけど、どっちも今は大成功して、膨大な法人税収生み出してる。
  • 運輸大臣時代の京成成田乗り入れ実現と、東京外環、羽田の拡張は後世に遺る石原慎太郎の功績
  • 大江戸線も東京外環も共産党は全部反対したよね。結局、公共事業全部反対するのが左翼。ソ連中共も、あんなに鉄道作ったのに、なぜ日共はつねに鉄道建設に反対するのか。 文明批判のポルポト派なのかな
  • 奥多摩って本当に廃村多いんだよね。むしろベッドタウンから外れた東京近辺が一番公共投資の恩恵がなくて、中国地方あたりの山の中の村がやたらと立派な村役場だったりする. 中選挙区の弊害で、どんな山奥にもインフラ投資した
  • 90年代に、ニューステーションが散々報道した「無駄な公共事業」っていうのは、多くが、ウルグアイ・ラウンド対策で急に決まった、農村地帯への無駄なバラマキ投資なんだよな。本来必要とされている公共投資とは別枠のものがほとんど。
  • 公共事業は経済的内部収益率のみを考慮してやるべきなのよね。安易に選挙対策とか、地方対策とかでやろうとするから、費用対効果の薄い公共事業が増える。国際ハブ空港は一つもないのに、農業空港は世界有数にあるのが日本
  • 日本のインフラが過剰だとネットで吠えてる人たち、そもそも海外見たことがないのではないかと疑ってる。成田空港なんて、もはや東南アジアの中進国レベルでしかない
  • 必要なのは県道ではなくて高速道路であり、漁港ではなくてスーパー港湾であり、農業空港ではなく国際ハブ空港だった。メリハリのない一律バラマキをやったせいで、必要なインフラが全く揃ってない。
  • 公共事業無駄無駄」言ってるうちに大型客船もコンテナ船もメガシップは着岸できない途上国並の貧弱な港湾設備しか持てない国になった。70年台は世界最大のコンテナ取扱量だった神戸港は、大型化の波に乗り遅れて今や世界23位ですよ。日本国内向けのトランシップ貨物ですら韓国に取られてる。

左翼批判

  • 「プロパガンダ」を「教育を受けていない人の不平不満を利用するための扇動」という意味で政治用語として初めてつかったのはレーニン
  • レーニンが1902年に書いた「なにをなすべきか」という有名な論文で、教育のある人には歴史と科学を引用し、教育のない人には不平不満を煽り立てて扇動しろってちゃんと書いてるんだよ。だから左翼は基本嘘を正当化する
  • 日本共産党は労働者の党なのに委員長は、宮本顕治不破哲三志位和夫も全員労働者経験ゼロだからな。共産党メーデーで[反原発とか護憲ばかり主張して]労働者の権利を優先しないのは必然。単に労働者をオルグしたいだけのことであって、労働者の目線なんて最初から持ってない
  • 極左運動家と、労働者って実のところ根源的なところでイデオロギー的に相容れないんだよな。立花隆の「日本共産党の研究」で分かる通り、戦前の日本共産党は労働者の支持を集める点で完全に天皇制に完敗していた。
  • レーニンですら、結局のところ都市の一部の労働者の支持しか得られず、暴力革命で政権を取ったが、最終的にはその暴力革命を支えた、クロンシュタットの水兵たちですらレーニンについていけずに、反乱起こして虐殺されるわけで
  • 国鉄のストって、労働条件の改善より、「流通を麻痺させることにより、国民生活に打撃を与えて社会主義革命を成功させる」とかだったわけだよ。1950年台ならともかく、1975年のスト権ストの時な
  • 左派の労働運動が何故衰退したのかといえば、労働者の権利闘争だけやってりゃいいのに、成田闘争だの原子力船むつ反対だのって言う、余計なことに首突っ込んで世論の支持を失ったっていうのがあるよな。で、どう考えてもそういうのってソ連や中国の遠隔操作
  • 朝日新聞が経済成長嫌いなのは今に始まったことじゃなくて、朝日新聞が「くたばれGNP」キャンペーンをやったのは石油ショック前の1971年。50年代にソ連が平均6%高度成長を達成してたときは、左翼はGNPを礼賛してたんですよ。70年代以降、共産圏の経済成長がぱったりと止まって、自由主義国家のほうが優位に見えたあたりから、朝日新聞ははっきりと反経済成長路線に紙論を転向させます。
  • 1965年の日韓基本条約で、莫大な資本が韓国に投資されて以降、経済成長率で北朝鮮金日成は韓国の朴正熙に惨敗して、経済指標の公表をやめてしまったわけなんですよ。で親北文化人の羽仁五郎が「GNPの総額で幸せは決まるのか」と喚いた
  • 共産党は、貧乏人を大学に行かせるんじゃなくて、高卒公務員枠を増やせよ。やってることが頓珍漢。貧乏人が、アカデミズムによって、一代で階級上昇図れる必要がどこにあるのかっていう。そもそも、貧しい人が大学に行けば、他の貧しい人の意見が反映されるのかっていう事自体がなんのエビデンスもない。アカポスの権益守りたい連中の妄想。アメリカの自動車産業の歴史みたいに、それを支える労働者は、学歴がない東欧などの貧しい移民だが、子供は大学に通わせることができるという世帯を継いだ階級上昇のほうがよほど有意義なのだよ。数万人に一人の貧乏人がエリート大学行けることになんの意味が?

日本史 

  • 山本七平も言ってることだけど、江戸幕府というのは調べれば調べるほど先駆的な政府
  • J.M.ロバーツが書いた世界の歴史で、江戸時代がやたら激賞されてるんだけど、理由が、すべての階層が食えた身分固定社会だからってことらしいんだな。もちろん、現実の江戸社会ですべての階層が生計営めたのは中期まででマルサス限界に達したあとは、田畑もらえない下層の次男以下は悲惨だった
  • 廃仏毀釈は政府自ら行ったわけじゃないし、神仏分離が特に徳川家と関係が深かった浄土宗に対する攻撃だったことがわかるように、神仏分離は、フランス革命の時のキリスト教弾圧のようなもの。徴税代理権のあったフランスの修道院程ではないだろうが、日本仏教も江戸時代には寺請制度によって幕藩体制と密接に結びついていたのであって 、神仏分離まで否定したら革命などできなくなる。アフガンのバーミヤン遺跡は、何かの権力があったわけではないのに攻撃の対象だったのでぜんぜん違う話
  • エタヒニンが江戸幕府のガス抜き政策っていうの、戦前に天皇制を直接攻撃しづらかった水平社が、代わりに「幕府が、俺達を意図的に差別階級に押しやった」と歴史の偽造をしたにすぎない。エタヒニンが、江戸幕府の階級政策の犠牲者だというのが事実なら、天領が多かった関東より関西のほうが圧倒的に同和問題が深刻な理由が説明できない。むしろ幕府は、被差別階級に特殊権益を与えて保護した
  • 関東に同和問題がなくて、関西の同和問題が深刻なのって、関東は江戸時代に徳川家康が浅草弾左衛門を穢多頭にして厳しい統制しいたのに、関西は寺社にぶら下がって気ままに生きてたからですよ。前者は明治になって皮革加工業とかになったが、関西には泥棒部落とかが残った
  • 部落民朝鮮人が差別に対して怒るのは正当だけど、「日本が特に差別がひどい」みたいなことを言うのは単なる事実の誤認なので、ソレは反論してもいいと思う。歴史的にも、江戸幕府は被差別階級保護してたし、明治政府の朝鮮人に対する態度は、欧米よりはるかにマシだった
  • 堕胎法の罰則があっても中絶は当たり前なのが日本。江戸期など日本の文化においては7歳までの子殺しは普通の風習だった。七五三というのはそういう暗意を含んだ風習です。ラフカディオ・ハーンの『知られぬ日本の面影』には*4、貧しい出雲の百姓が生まれてくる子供を六人殺して、ようやく生活が好転したので、7人目の子供を溺愛した。そしたら、月夜の晩、親の背中におぶさっていた子供が「ワシを最後に殺した夜も、こんな月夜の晩だな」といきなり言い出したという怪談があります。これは、6人を殺してる親が、7人目を溺愛して育ててるとかそういう前提からして、子殺しが当たり前の社会でなければそもそも話が成り立ちません。現代的基準から見てしまえば6人子供を殺してる時点で鬼畜ですから。
  • 7歳までは神のうち。というのは、要は今のように精神科もない時代なので、障害児の見極めが難しかったからです。単に貧困で7歳まで育った子供を殺すことはあまりありませんが 重度の知能障害(という言葉は当時ありませんが)などが明らかになったら、本人が子殺しをするか、村落共同体が、神かくしという名目で代理で殺します。江戸期の村落共同体は今では考えられないほど相互扶助が強力なので、そういう障害を持った成員を抱えることは、村落にとっての生存問題になりかねないからです。
  • 統計学的に見ると、江戸期の出生率は、米価と連動してるそうです。つまり米が不作になると貧困層では嬰児殺がふえ、米が下落すると嬰児殺が減って出生率が上がるそうです。インドや中国の場合、農業生産性の増加以上に人口の増加があったため、マルサス的限界により資本の蓄積が進まず、近代化ができなかった。一方日本は江戸中期に農業生産力が限界に達したにもかかわらず、人口抑制がうまくいったので資本蓄積が進んでいき、それが故に明治維新で西洋文明にビルドインできたのです。
  • アヘン戦争で惨敗した清朝が、全くその後も欧米に対して学ぶ気がなく魏源という林則徐[註:アヘン密輸の厳格な取り締まりをやったことで、結果として、イギリスとの戦争のきっかけをつくった]の個人的ブレーンが「海国図志」を一冊出しただけなのに対し、江戸幕府自身は、アヘン戦争以降、負けた清朝よりは極めて鋭敏に衝撃を受け欧米の情報を長崎奉行を通じて体系的に受容し編纂していた
  • 1911年はかなり深刻な不況、日露戦争の反動不況に加えて、アメリカでこの年に恐慌が起きてたはず。三年後に第一次世界大戦が起きてなければ日本破綻してたのよね。
  • クリストファー・ソーンも言ってる通り、東洋にファシズムというのが存在したのだとしたら、それは日本でなくて中華民国
  • 戦前、浙江財閥あたりがアメリカのリベラルに工作しまくったから、日本は宣伝戦で惨敗した
  • 満州事変までだったら、一部財閥企業と統制派が積極的に拡大政策を撮っていたのは事実だが、伊藤隆の研究などを見ても分かる通り、満州事変以降は、むしろ統制派の上層部はむしろ戦争拡大を止める方向に向かってる。
  • 中国側が先に発砲したということは、90年代からほぼ定説ですよ。だから日本のサヨクは、日中戦争の起点を盧溝橋じゃなくて満州事変にしたがるわけです。だって、「戦争を仕掛けたのは中国」じゃサヨク的にまずいから
  • 皇軍の戦争方法に日露戦争日中戦争で別に変化してる点はないだろうね。日露戦争の時だって旅順虐殺はあったし。後世の評価がぜんぜん違うのは、単に英米メディアが日露戦争の時は味方で、日中戦争の時は敵だったという話にすぎない。あと単純に負けたという理由。
  • ロンドン海軍軍縮条約に反対してる当時の右翼とか本当に頭おかしい。あんなのどう考えても、列強で一番日本が救われる条約だろうに
  • 重慶爆撃と東京大空襲を同一視するのは単に歴史を知らない人で、東京大空襲は螺旋状に空爆することによって意図的に避難民を中央に追い込んで焼き殺した、完全なジェノサイド。精密爆撃と絨毯爆撃の違いは、目標に対する精度を重視するか否かの違いであって、あくまで戦略目標に対する爆撃という点は、ハーグ陸戦条約の範囲内。一方東京大空襲は明らかに一般市民の虐殺を目的にしているので明確な国際法違反
  • ファーガソンランデスなど、西欧植民地主義の肯定的な面を評価する歴史家は、同じように、日本の台湾統治や朝鮮統治も評価している。
  • 専門の歴史家ならまともな歴史啓蒙書を描くなど、日本の場合大嘘で、日本の歴史学の最大学会は日本共産党べったりの歴史学研究会であり、委員長の遠山茂樹藤原彰岩波新書で出した「昭和史」には、「朝鮮戦争は韓国軍が38度線をこえ進撃した」と史実とまったく逆のことが書いてあった
  • 沖縄の独立が絶対に有り得ないのは、沖縄本島以外の小島で、琉球王国に対する反発が歴史的に強く、沖縄独立に賛同しないから 。周辺の離島が日本に残ったら、もうその日のうちに沖縄の独立は無意味になる。
  • 日本はアメリカと違って、マジョリティである大和民族が思想的な共同体を持たないから、マイノリティの政治権力の攻撃に弱い。朝鮮総連や民団の無法に対抗できなかった歴史がある。東南アジアや中国からの、少数ずつ均等の移民なら、日本社会に問題は起きないと思いますよ。特定の民族集団を集中的に受け入れることによって、在日朝鮮人のように政治権力を持てる程度の数になると問題

嫌韓

  • 昔のハングル板は和田春樹、梶村秀樹、井上秀雄あたりの朝鮮学者のデタラメに対して批判をする場所であって、そもそも韓国知らない人は論外で、「朝鮮を知る辞典」ぐらいは読んでて当たり前だった。
  • 2ちゃんねるハングル板って、そもそも語学板なんだよ2000年前後は、韓国駐在してるリーマンとか、韓国語勉強してる人たちが愚痴を言ってるだけの所。
  • 今のネトウヨ嫌韓の源流である、ハングル板が、(昔は)駐在員やハングル語学習者などの知韓層だったという事実から考えれば、「韓国を知らないから嫌韓にハマる」が成り立たないことは明白。
  • 山野車輪2ちゃんねるハングル板をパクって「嫌韓流」を書けたのは、当時のハングル板がソース主義で、しかもハングルと英語ができるような人が多く情報源として有用だったから。
  • 90年代後半って、朝鮮が捏造して、井上秀雄あたりに半分受け入れられてきたような古代史プロパガンダが、韓国での古墳の発掘と放射性炭素年代測定でどんどん覆されてる時期でおもしろかった。
  • 00年代のネトウヨが読んでた嫌韓本のほうがネタの鮮度が高くて、今サヨク連中が「書店に山積みになってる」と喚いてる嫌韓本のほうが玉石混交。と言うかネタ切れは否めないよね。単に多くの国民は韓国のキチガイぶり知らなかっただけだよね。知らせないほうが良かったかもしれないが。
  • 大韓民国臨時政府がなんの実態もなく、人生の過半を韓国の外で暮らした李承晩がトップになれたのは、単にメソジストでアメリカ通だったという理由にすぎない
  • 「進撃する中国軍は韓国軍部隊を次々と敗走させ、そのたび韓国軍は補充困難な、高価な多数の装備を放棄した」 。[しかし、]朝鮮戦争では白善燁や金錫源などの旧日本軍や満州国軍で教育受けた軍人のもとでは、韓国軍も戦果を上げたわけで、要するに李承晩みたいな軍事素人の基地外を最高司令官に据えたアメリカが一方的に悪い。大韓民国臨時政府のメンバーでも呂運亨みたいな、まだ常識のある指導者は、戦前の日本に招かれて当時の日本の政治家と会合したりしてるんだよな。で、アメリカはそういう経歴の持ち主は気に入らないで、カルトクリスチャンの李承晩を指導者にしたわけだよ。ガンジーネルーがイギリスと交渉してたように「独立運動家」が宗主国と交渉したりするのはアタリマエのことなのに、アメリカが「大日本帝国」の影響が全く無い独立運動家を権力者に据えようとしたから李承晩みたいなのが選ばれた。アメリカは、李承晩でさんざん痛い目にあったくせに、その後ベトナムでクリスチャンのゴ・ディン・ジェムを傀儡に据えて全く同じ失敗してる
  • 新羅高句麗百済は全く別の民族だったのが、いつの間にか同民族ってことになっていて、今はそれを疑う人はいないわけだけど、実際は選挙見ても分かる通り、地域対立がすごくて、民族共同体意識なんて皆無。日本という敵がいて初めて朝鮮民族という意識を持てる
  • 韓国が経済大国になる前は、ソウルで市街戦に引きずり込んで南進を止めるのが合理的だったんだよ。だからソウルの高層団地は防壁に使えるように設計されてる
  • 在日朝鮮人ってほとんどが済州島動乱で日本に逃げてきた人だよ。手続き上特別在住ということになってるだけで実質は難民の受け入れ
  • 神奈川朝鮮高校の教師が、神奈川新聞に、「日常的に他人に暴力をふるっていた学生時代」を差別の糾弾闘争と正当化するような投稿載せるのが朝鮮学校なのよね。そういう連中と共生しろってウエメセで説教するのがリベラル。
  • 梁石日崔洋一、鄭義信の鼎談 崔「一時流行ったんだな。左翼の日本人少女を口説くときは日帝三十六年史で落とせというのが(笑)」  鄭「いまだにそんな手を使っている人、いるんだよね」  梁「男の風上にもおけんなあ」  崔「梁さん、唇、震えてますよ(笑)」[このように]「日本人」は「朝鮮人」に対して背負う原罪があると朝鮮人運動家が散々に言い立てて日本人の運動家を洗脳するのは、戦後の人権解放運動のなかで頻繁に使われた運動理論であって、崔洋一梁石日みたいに、それで日本人女をレイプしたことを自慢気に語る人も昔はよくいた。
  • アメリカで慰安婦問題のロビーやってるの、世界抗日戦争史実維護連合会って言う華僑系の団体だから、韓国政府が折れたって、いくらでも蒸し返してくるよ。というかすでに挺対協と抗日連合会は共同でロビー活動してるし。

欧米

  • 「ヨーロッパが狩猟民族」などという概念は日本にしかない。ヨーロッパの農民は、狩猟を領主から禁止されていたぐらいなので、ヘタすると日本の農民より狩猟から縁遠い。「狩猟民族」って言う概念、アボリジニブッシュマン(サン族)のような部族のことを言うのであって、ヨーロッパの普通の概念では普通はどこの国でも有史以前に農耕民族に滅ぼされるのが普通

  • イギリスの料理はまずいっていうのは、誰でも知ってることだけど、これ、 産業革命以降の労働時間拡大の中で都市労働者が、食事を作る時間すらなかったからなんだよな。だから茹でたイモと砂糖入りの紅茶でカロリーとったわけで。それでフィッシュアンドチップスと紅茶が大衆に普及した
    イギリスが、光栄ある孤立って初めて言ったのは1896年で、日英同盟1902だから実はそんなに長くない

  • ベストセラーになったグレゴリー・クラークの本とか読むと、中世まで負けていた西欧が東洋に勝ったのは、「富裕層出生率が高くて、貧困層出生率が低かったから」みたいなバリバリの社会ダーウィニズム礼賛が書かれてて*5、今でもこれが西欧エリートの本音だってわかるわけよ。

  • ニュルンベルグ裁判では、自らナチに近づいてドイツの再軍備計画を主導したシャハトは無罪、しかも戦犯であることすら後に否定されたのに、東京裁判では大蔵省主計局で財政やってたというだけで賀屋興宣A級戦犯なんだよ。だから戦犯だからといって切り捨て出来ない 

  • 国家への忠誠を涵養するために年金制度を拡充するというのは別にナチが始めたことでなく、ビスマルクが始めたことだし、そもそも、合理的なことであって何が悪いのか全くわからない。
    ドイツが敗戦国だから黙ってるなんて大嘘で、ナチスの罪だけは、どうにも弁解できないから無条件で黙ってるだけ。ポーランドとは国交断絶手前と言われるぐらいまでやりあって、歴史教科書などポーランドのほうが書き換えさせられることが多い。 

  • ドイツはホロコーストに関しては謝罪してるけど、オラドゥール村で武装親衛隊が村民虐殺したことや 、チェコでハイドリヒ暗殺の報復に無差別虐殺したことはどっちもどっちって言ってる。 

  • 70年代までは、「ナチのファッション」なんていうのは西ドイツですら規制の対象になっておらず、ここまでの過剰規制は70年台に起こったヒトラーブームに懸念を抱いた西ドイツと、サイモン・ウィーゼンタール・センターによる表現刈りに過ぎな

  • 第二次世界大戦の時に、イギリスに駐留してる米国兵が娼婦を買いまくるので、モンドゴメリーは米軍に対して外出制限令を出すよう要請してる。

  • イタリアが枢軸に参戦したあと、対英や対仏には全く役に立たなかったのに、勝手に中立国のギリシャに宣戦して敵を増やした

  • ソルジェニーツィンですら、ウクライナとカザフに譲歩過ぎたと怒りながら、北方領土は返してやれって言ってた*6。あれがロシアの歴史となんの関係もないことはロシア人は皆知ってる

  • アメリカは訴訟社会が行き過ぎて、まともに軍事行動もできない社会になってしまったわけで、アメリカの軍隊はスペックでは計り知れないほど弱い。兵員装甲車で、対人地雷を踏んでも、当然中の兵士が大きな怪我を負うことは殆ど無いのだが、大抵そういうことが起きると、中の兵士がシェルショックだの何だのを訴えて傷病手当目当てに除隊しようとするのがアメリカの今の社会の現状 。昔、アンチマイケル・ムーア本を読んでて、ムーアが「ブッシュは愛国心を訴えるくせにアメリカの傷病除隊兵に対する手当を減額してる」という批判をしてることに対して 、どれだけ詐病が多いかみたいな再反論してたけど、アメリカって軍人批判がタブーなんだよな。だから詐病し放題。
  • 湾岸戦争の戦訓は戦歩連携ができない戦車の単独行動は「重大な損害を招く」

財務省批判 

  • 財務省主導になると、考えられる限り最悪としか言い様がない経済政策が実行される。
  • クルーグマンは、強力な財務省日銀批判者
  • 財務省は、法人税切り下げの原資として消費税を考えてる。そもそも法人税引き下げで経済成長するってフリードマンの間違いの一つだとおもう
  • 法人税下げて間接税重視の税制に切り替えという財務省の方針をそのままやったのが「民主党
  • 竹下、橋本龍太郎の消費税導入と5%増税による人気低下と経済失政が経世会支配を終わらせたようなもんで、それが故にその後に権力についた小泉は、その失敗をしっかりと見ていて、財務省主導を許しながら、断固として消費税増税だけは否定し続けた
  • リーマンショックだってなんだかんだ言いつつ、アメリカは克服してるわけで、CDS[Credit default swap]をほとんど扱ってなかった日本がこれだけ影響受けてるのも単に財務省がバカだから
  • 日本はリーマンショック後の景気回復が震源地でもないのに先進国で一番遅れた
    リーマン・ショックのせいで、団塊とポスト団塊の連中が「マルクス様の予言は正しかった」と一斉に反資本主義的な政策をやったわけだけど、アメリカはリーマン・ショック以降すでに10%成長したんだよな。トータルマイナス成長なのは日本。
  • リーマンショック以降の景気後退を抑えられなかったのは、「民主党」だからというより、「民主党財務省を抑えられなかったから」だよね。
  • 麻生政権の時も「与謝野馨」という財務省の犬がいたせいで同じように経済失策続きだった。「民主党」の藤井裕久の罪と、麻生政権時の与謝野馨の罪の大きさは甲乙つけがたい
  • 野田佳彦財務省の言うなりでしかなくて、やってることも庶民のためにならない首相だった。
  • 野田佳彦が在任中、朝日、毎日、読売、産経、中日 全部に国税庁の査察が入ったからね。消費税反対の急先鋒だった中日新聞が特に集中的に狙われた。
  • 榊原英資が10万円金貨作ったせいで、偽造がはびこって100億円の損害与えたのに、結局最後は次官級ポストもらったからなこいつ。 大蔵省が「国益」とは無関係に出世が決まる組織だということはこいつを見ればわかる。民間で100億赤字出した奴が社長になれるかよ。
  • 財務省から学者になった]野口悠紀雄は昔から「円高にすれば、企業は一生懸命イノベーションを開発して競争力が上がる」としか言ってない。要するに、自分と直接関係ない人間に、「俺のためにお前等苦労しろ」っていう説教してるだけ。シバキ主義ネオリベ
  • 野口氏のふだんから言ってることをわかりやすく噛み砕くと、「利益率の低い産業は、それがなんであろうと全て退出させろ」「今の日本がそういう利益率の高い新産業を生み出せないのは、日本の若者が怠惰だからだ。」の2つに尽きる。円安政策を否定してるのは、円安政策によって、利益率の高くない職業が延命すれば、「若者」がそういう職について生計を営むことが可能になってしまうため、若者を厳しくシバくことができないというだけのことです*7
  • 中華人民共和国財政部が、ここ20年極めて適正な金融政策を続けることができたのは、80年台の開放政策時代に、アメリカ有名大学の経済学部でPh.Dをとった人が中国に帰ってきて実務についたから
  • 日本のトップエリートを揃えた財務省が、間違った経済政策を20年続け、ようやくその間違いを正そうとしてるのは、成蹊大学の首相に法政大学の官房長官。政策を考えたのはアメリカの経済学者

経営

  • 日本という国は、インフラ系と銀行と財閥が国と癒着してすべての資金と権力を握ってる国であって、すべての労働者の待遇は、その権力の中枢からどれだけ近いかによって決まる。
  • 電電御三家[富士通NEC、OKI or 日立]は、そもそもNTTと日本の電話網という既得権益があったからやっていけたような会社
  • 楽天、立ち上げの時からオラクルサーバー使ってたからな。当時e-commerceベンチャーでそんな高価なもの使ってるアホな企業は世界で楽天ぐらいなもので、普通だったら設備投資コストで負けるわけだけど、結局三木谷みたいにコネさえあれば低利で資金が調達できるから勝つわけでしょう。世界中の既存の大手流通産業がEC進出で失敗したのに、ベンチャーが勝ったのは、ベンチャーがMYSQLやLINUXなどのオプソ資産を使ってコストを軽減したからなんだけど、日本の楽天だけは、普通にオラクル使ってたし、コストの優位性もクソもなかった。だから、アマゾンがトップランナーだとすると、アメリカの既存の大手流通産業は周回遅れで、楽天も周回遅れなんですよ。ただ、日本の場合は、他の企業が2周遅れてるから周回遅れの楽天が勝ち組になってるだけで。日本の場合、他の企業が「ネットで商品を本気で売ろう」と考えなかったので、別にコスト削減力が優れていたわけでもなんでもない楽天が勝ち組なったわけです。要するに他の日本企業の経営者が異常に無能だっただけで勝ち組になったのが三木谷。要するに井の中の蛙。だから楽天が海外進出して勝てるわけないのに、三木谷がアタマが悪いところは、その自分の置かれた立場がわかっておらず、社員に英語強制してるところなんですよ。本当にコネだけの馬鹿ですよね。親の人脈とか興銀人脈とか使って、IT創世期に起業資金を集めることができたから勝ち組になっただけで、他のヒルズ族社長とかと比べても圧倒的に無能だと思う
  • 日本って本当にダメだと思うのは、三木谷みたいにメンバーシップ社会の中にいる人だけが、人脈でのし上がることができて、その外にいる人は、ホリエモンみたいに曲芸まがいのことしなければ、起業資金集められないところだよね。んで外にいる人は、ライブドアのように軽罪でも重罰食らうわけでねえ。
  • [ただし、ホリエモンを経営者として評価しているわけではない。]株式分割粉飾決算錬金術で、市場から金集めまくってた時も、結局集めた金の有効な再投資ができなかったのがライブドア。要するに「うまい商売の仕組み」を思いつかなかった。手元資金が数百億ある時ですら、ネットを使った革新的なビジネスなど何一つ思いつかなかった。数百億金集めても、その有効な投資先が思い浮かばず、それが故に「株式持ち合いで含み資産たくさん持ってるマスコミを買収する」という禁じ手に出たことによって、既得権益層とガチでぶつかることになって、あっさり負けた。彼にネットベンチャーとしての実態はない
  • 三木谷や夏野の会社は、IT奴隷がいて初めて成り立つ。海外水準での賃金払えないから、インドや中国の優秀な技術者引っ張ってくるのも限界がある
  • 渡邉美樹が佐川で苦労したなんて半分ウソ話で、あの当時佐川で開業資金貯める苦労なんてない。単なるワープア騙しのエピソードにすぎない
  • 昭和の時代のドラマ見てると判ることですが、上場企業の課長さんとかでも、結構、屋台やバラックみたいなところで飲んでるんですよね。あかちょうちんってやつ。回転率が悪いから高い賃料払えないはずなので、居酒屋というのは本来、もっと不便なところにあるべきビジネスなんですよ。アルバイトを奴隷化して徹底的に人件費を下げることによって、表通りの高い賃料でも回転率の悪いビジネスを成功させたのが渡邉美樹。
  • 従業員を過労死に追い込んで酷使しながら、カンボジアに学校作って人権派気取ってる渡邉美樹
  • ワタミなんて欧米先進国ではありえない労働形態. 日本と海外の失業率を単純に比較しないほうがいい
  • GEだって情報関係のエンジニアだけで数万人いるわけで、外資はリストラが云々いうけど、普段はむしろ日本より圧倒的に人員が多いんですよ。日本はわけの分からない間接部門にばかり人がいる。総務とか。

経済

  • 田中支配が行き詰まったのは、結局のところ旧型の公共事業の事業収益率が低くなったからで、田中のやったことは正しいというのがこの本[『田中角栄と国土建設』]。10年ぐらい前に読んでかなり影響受けた。
  • プレストウィッツの『日米逆転』は本当に良く出来た日本研究本で、80年代までの日本は基礎研究に全く金を出さず、欧米の成果のタダ取りをしてたことがよくわかるんだよな。 今のノーベル賞ラッシュはアメリカのただ乗り批判を交わすために、基礎研究に金を出したからであってもの作り日本とは無関係。低学歴のネトウヨ界隈とか顕著だけど、ノーベル賞と日本の製造業を安易に結びつけて、理系への研究費を削ればものづくりが衰退するみたいな安易な論調がよくあるけど、ノーベル賞レベルの基礎技術と製造業の隆盛はそこまで関係ない
  • プレストウィッツ『日米逆転』読みゃわかるけど、日本の最盛期すら、ほとんどの基礎技術はアメリカのライセンスだよ。通産省の超エル・エス・アイ技術研究組合だけが成功して、唯一DRAMでアメリカを追い越したことはあったけど。そのDRAMの優位も、牛肉オレンジ交渉で、関税引き下げ待ってもらうのと引き換えに、あっけなく引き渡したんだよな。日米半導体協定で独占シェアの引き下げ飲まされて、韓国に安いライセンスで技術流すはめに。東大法学部をでた文系の官僚が、「技術立国日本」みたいな戯言信じてるからこそ、牛肉関税ごときのために、[日本は技術者と技術が安く手に入る国だと信じて]半導体技術を売り渡すような馬鹿なことが平気で行われる
  • USBとかで使われてる高速シリアル技術って大本はNECの発明で、これのおかげで、周辺機器は革命進化したけど、この技術ってNECマイクロソフトに強請られて無料みたいな値段で開放したんだよな。要は「エンジニア」がいくらがんばっても経営陣が馬鹿なら、技術無料取りされるだけ。エンジニアが技術開発をいくらがんばっても、企業は儲からない。その技術を使って市場をコーナーリングして初めて儲けることができる。日本企業の無能経営陣に市場のコーナーリングなどできないので、「ものづくり大国」などといってる時点で団塊は無能。だから日本は滅びる
  • 低所得者政策には2つあって、ヨーロッパ方式(失業給付や社会補助を厚くする) アメリカ方式(負荷の軽いチープワークを増やす)の2つがあります。日本の場合、ワタミゼンショーなど明らかに低賃金労働の負荷が重いのでそれが貧困の根本原因
  • 経済政策で社会政策の肩代わりができないというのは、根本的に間違った考えですね。なぜなら、経済政策こそが主で社会政策はその補助にすぎないからです。実際に経済成長と貧困の相関関係を否定してる経済学者が世界のどこにいるというのか
  • 井上準之助は、たしかに人格的には立派な人だったかもしれませんが、彼がやったことは完全に経済学的には間違いで、彼のやった金解禁は大不況を起こして、当時の日本は路頭に迷う人が続出し、農村娘の身売りも大量に出ました。要するに城山三郎『男子の本懐』は、経済小説の第一人者と言われていながら経済学を全く理解してない。
  • IMFとか糞だものね。観光地への軽減税率は、「負担をちゃんとしろ」とかいって認めないのに、ギリシャが出した企業に対する社会保障負担増加は「競争力を損なう」とか言ってるあたり、地場の産業は救う気ないのに、多国籍企業の経済進出がしやすい国に作り変える意図が見え見え
  • 租税回避国は、資本主義自体の存続を危うくしてるしてるわけで、イランやシリアなどより、シンガポールの存在のほうがよほど世界にとって害悪だと思うが、シンガポールが何をやらかしても批判されないのは先進国の富裕層にとって都合がいいから
  • 法人税引き下げによる金融立国では、中級国家一つ養えないことが明らかになったのが今のイギリスの惨状からも明らかだし、法人税引き下げ競争に参加できるのは都市国家だけ。

薬物 

  • シャブセックス、男にとっては射精感が10秒ぐらい長持ちするだけやで。もともとオーガズムの時間が長い女のほうがシャブセックスのメリット大きいらしい。だからタイの底辺女はみんなヤーバーキメてセックス。実際覚せい剤で捕まる女芸能人はみんな男から教えられたシャブセックスでしょ。
  • 混合比率とかにレシピがあって、日本のヤクザが売る覚醒剤が一番セックスドラッグとして最高と聞く。日本のヤクザ、本当に色んな意味で技術レベル高い。俺は日本の覚せい剤はやったことがない
  • オウム真理教が純粋なメタンフェタミンしか作れなかったので、オウムのシャブは評判が悪かった&北朝鮮とヤクザの下請けに過ぎなかった、という話はよく言われますね。
  • アメリカだと、ヘリコプターから赤外線カメラを使っての大麻栽培摘発がLED化によってわかりづらくなった事例とかあるしな。アメリカで電気使用量が多いと、マリファナ栽培してるんじゃないかと思ってFBIが家宅捜索に来る
  • 性欲の薄いパンダになんとか性交させようと、日本やヨーロッパの動物園が数億円かけて防音設備完備の専用部屋作ったりしてる一方、中国はパンダに薬物打って強制的に発情させて繁殖成功したって話が結構好き。

文学 

  • 赤毛のアン」にマリラってでてくるでしょ。メソジストの堅苦しい道徳を固持して生きてるばあさん。んで、マシュウって爺さんは、その妹ばあさんに抑圧されて風俗も行かずに酒も飲まずに堅苦しい人生生きてるわけ。アンドレア・ドウォーキンが出てくる下地になってるのは、あの社会
  • 樋口一葉の名作「たけくらべ」でヒロインの美登利が最後いきなり元気がなくなる場面があって、この場面、学界の定説では100年ちかくずっと「美登利が生理になったから」だったんだけど、ある女性作家が「生理なわけないだろ。遊郭の女なんだから客に買われて処女喪失」と言って男たち唖然. これは女の意見のほうが正しそうな気がするよな。
  • 倉田百三出家とその弟子』、賀川豊彦死線を越えて』、島田清次郎『地上』が大正時代の三大ベストセラーだったのに、今や彼らは教科書に名前すらのらない
  • 大正期の大ベストセラーになった島田清次郎『地上』の冒頭が、「柔道初段のホモが、美少年に襲いかかる」描写から始まるのを見ても判るとおり、日本の歴史においてホモがタブーだったことなんてないんだわ。
  • 菊池寛の周りに集まってゴシップ書いてた連中が戦後の混乱に乗じて、文学のランク付けの再定義したんだよね。芥川なんて、もともと、そのへんのお仲間でしか評価されてない初版千部程度の同人作家みたいなものだった。大正時代すでに出版文化は数十万のベストセラーを出すに至ってた。芥川の本なんて誰も読まなかった
  • 文藝春秋というのは、菊池寛の周りにいた売れない文学連中が、流行作家のゴシップを書いて溜飲を下げるゴシップ雑誌だったのだよね。主にターゲットになったのは倉田百三とか。菊池寛の周りにいた連中は、無駄に高学歴の割に、大して売れない作家ばっかりだったので、小卒の山本周五郎吉川英治を学歴マウンティングでいじめまくったのだね
  • 気の狂った島清や賀川はともかく、倉田百三の場合、当時の旧制高校のエリートたちに絶大な影響与えてて、戦前教育受けたパワーエリートの中には、晩年になっても倉田百三愛読書に上げる人多かった。だから日本の昔のエスタブリッシュは文学の権威なんて嘘だってよく知ってる
  • 戦前において、「私小説」っていうのは完全に世間に見切られた存在であって、「旧制学校制度の落ちこぼれであった文学部の連中の書いているたわごと」だと知っていたから、帝大法学部、経済学部出てパワーエリートになってる連中はあんなものは一切読んでなかった。白樺派なんて言うのは「お金持ちにの坊ちゃんに生まれて、お金持ちしか進めない旧制中学コースに進んだけど、途中で落ちこぼれて、バカでもはいれる文学部しか行けませんでした」という人たちの集まり。で、そういう金持ちの落ちこぼれ坊ちゃんが、日本に対するヘイトをわめきながら、でも「ヨーロッパは人権先進国」で優れてるとわめき続けるのが白樺派文学なんだよ。で、戦後の混乱期に乗じた「文学史の書き換え」があって、学校の国語の時間で「文学史」を教えるようになって、受験の問題に「白樺派」だの「私小説」だのが出るようになって初めて日本文学の評価が上昇したんだよ。日本のエリートは学校で教わったことはすべて正しいと信じるからね。
  • 買い食いが禁止されていたのはむしろ戦前から子供向けの駄菓子屋とかが多くあって、そういうところでの衛生状態の悪いものを食べて中毒になる事例が絶えなかったからです。学童の買い食いなんて、戦前の講談小説読んでりゃいくらでも出てくる
  • 優秀だが貧しくゆとりのない戦前の子供の人生がどうであったかは、松本清張の半自伝的小説「父系の指」を見ればよく分かる。
  • 山崎豊子には、大傑作小説「ぼんち」があるがあるんだけど、あれは、山崎豊子が幼少期を過ごした船場の話。女作家の傑作は大抵自分の生まれた世界を描いたもので、「嵐が丘」も「風と共に去りぬ」もそうだ
  • 城山三郎の名著、『鼠 鈴木商店焼打ち事件』。大阪朝日新聞が、鈴木商店が米を買い占めてるとデマを流して、鈴木商店が焼き討ちされたという話。朝日新聞は戦前からデマばかり流す嘘つきだというのがよく分かるのだね。
  • 戦後の経営者に影響を与えたのが山岡荘八の「徳川家康
  • 津本陽の「下天は夢か」が大ブームになったあたりから、日本のおっさんが「信長好き」になった。本来の信長は、常に軍陣に、部下に与えるための褒美をたくさん持ち込むような豪気な革命家であったのだが、津本陽の書く信長はけちくさい小市民気質で、そのくせに社会変革には異常な執念を燃やす主人公なのだが、これが全共闘ジジイの琴線に触れたのではないか。

映画

  • 映画館で公開された当時から、火垂るの墓の清太自己責任論はずっとあった。宮﨑駿が批判してるように、海軍大尉の息子が戦争孤児になったら普通は水交社がほっておくわけがないんですよね。だから、あの作品は、清太が愚かでないと話が成立しない。
  • 良くも悪くも宮﨑駿の思想は明確なんだよな。赤から緑へっていう70年代以降の左翼のトレンドに乗ってるわけだし。反戦とかエコフェミとか、いちいち薄っぺらいとは思うけど
  • おおかみこどもの雨と雪」。「生活力の無さそうな男と学生結婚して二人も子ども生んだ」ということに対する女性の怒りコメントが、異常なほどついていますが、これ、日本特有ですねえ。生活力の無さそうな男と女は結婚してはいけない。男は甲斐性があって当たり前。生活力のない男と結婚した女が幸せになるなんて嘘だ!!現実みてない!という咆哮がね
  • 昔は、ハリウッドはレイティングが厳しくて、暴力シーンがあるとぜんぶR指定になり、子供も見る映画はすごい規制が厳しかった。今は、スピルバーグが議会に政治活動したおかげで暴力に関してはレイティング完全に骨抜きになってる
  • ダーウィンの悪魔』。ナイルパーチのせいで地元民が困ってるなどという事実はなく、逆にかなり潤ってるのが事実であるそうです。映画で映し出された貧困は一面を捉えてるとは思いますがもともとタンザニアナイルパーチ輸出以前から恐ろしい貧困を抱えてる国です。ナイルパーチのおかげで多様な生態系が云々というのも、一概にナイルパーチのせいだけにできないのだとか。ダムによる水位の現象とかいろいろです。
  • 台湾映画の「セデック・バレ」っていうのが、「民族の誇り」という台湾原住民側の論理と「土人の教化」という日本側の啓蒙主義的論理を両方描いてるんだよな。でも、実際にこういう映画を作ると、「啓蒙主義的論理」の正統性のほうが見えてしまう
  • 日本の映画界、奴隷のような下積み時代を十年以上も経験して、助監督になってすら、監督には下男のように奉仕する社会らしいが、そういう人が数十年の下積みの末に、映画監督になったとして、その人のクリエイティビティなんて、もう完全に摩滅してるんでないの?だから邦画はつまらねえんだと。テレビでは人権だの平和だのを言っていた大島渚は、撮影所では、スターリン並みの暴君だったそうだが、そういう権威主義者の頭のおかしな人におとなしく仕えられるような人が、社会に対する優れた風刺などできるわけない
    日本より市場の狭い韓国映画に負けてる時点で「予算がない」は通用しないんだよな。負けてるのがハリウッドだけならその言い訳は通用するだろうが。
  • 80年台のTom Hanks『big』という映画の中で、ある日突然、大人になってしまった子供が、バックオフィスで働くことになるんだけど、あまりにも真面目にやろうとしたんで、「お前が真面目に働くと周りが迷惑するだろ」みたいに言われるシーンが有る。これが普通のアメリカの労働意識

*1:ダイアモンド『昨日までの世界』

*2:エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』序文

*3:Wikipediaの「乱婚」によれば、原始乱婚制を否定する証拠が3つある。人類学的にはどんな未開社会を観察してもそういうのはないこと、考古学的に発見されてる遺跡も家族を単位としていたこと、進化論的には、性的二形がそれほどはっきりしないことなど。

*4:日本海に沿って」

*5:「中国や日本が英国と同じ速さで発展しなかったのは、上流階級の出生率が、一般大衆の水準を若干上回る程度にすぎなかったからだ」『10万年の世界経済史(上)』p.30

*6:「廃墟のなかのロシア」

*7:http://www.videonews.com/marugeki-talk/475/