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「PPAP商標出願」男性を直撃 「ビジネス」と強調
更新:01/26 20:07
大ヒット曲「PPAP」のタイトルや、決め台詞の「ペンパイナッポーアッポーペン」がピコ太郎さんとは無関係の大阪の会社によって商標出願されていたんですが、経営者の男性がMBSの取材に応じました。男性は、「レコード会社に警告書を送った」と明言しました。
2016年を代表する大ヒット曲となったPPAP。ところが、あの決め台詞「ペンパイナッポーアッポーペン」が、ピコ太郎さんとはまったく無関係だというこの男性によって、商標出願されていたといいます。
「あれはたぶん…インターネットかテレビで見て出願したんだと思います。きょうエイベックスさんの方に商標に関する警告書を郵送しました。私が(商標を)出願していますので、それを無視して事業を進めたら、今後商標権侵害になる可能性がありますので…」(ベストライセンス社 上田育弘さん)
26日、レコード会社に警告書を郵送したという男性。一体なぜ、そんなに強気なのでしょうか?
「こちらは誰が商標を持っているか検索できるサイトなんですが、PPAPと打ち込むと、あの男性の名前がエイベックスよりも上に出てきます」(神崎智大記者リポート)
ネットでPPAPが話題となったのは去年9月。男性はその直後、エイベックスよりも先に商標を出願していました。商標は、先に出願した人の権利が認められる「早いもの勝ち」が原則で、特許庁が認めれば権利を使えるようになります。男性は他にも年間1万件以上の商標を出願。日本全体の出願数の約1割を占めています。
「何百件、何千件もの出願が…この『地方創生』のようにニュースでよく見る言葉もあれば、こちらは『アナと雪の女王』…これ完全に他人のものですよね」(神崎智大記者リポート)
他にも「民進党」や…「北海道新幹線」、「統合型リゾート」などニュースでよく見る話題から、「妖怪ウォッチ」や「おとなの自動車保険」など明らかに他社の商品名まで。
そして、こんな言葉も…
「STAP細胞はあります」(小保方晴子氏・2014年)
この言葉は、一体何に使うつもりなのか。さらにMBS系列にとって見過ごせないものも。
「倍返し」「世界ふしぎ発見」
なぜこんなミステリーが起きてしまうのか。男性は出願に必要な手数料を支払っておらず、大半が半年後には却下されるといいますが、それまでは「仮押さえ」の状態になります。その間に「商売」になりそうなものを見極め、他社に取引を持ちかけるのだといいます。
「とにかく先に出願した方が、最も早い出願人が勝つんです。新聞やインターネット等のメディアを通じて、この言葉いいなとか、自分がこれから使用するかもしれないなとか、そういうものに限って出願しています。ビジネスモデルが確立して、もっと大きな会社になった時点で有名になりたい」(上田育弘さん)
もともとプロの弁理士だったという男性。約3年前から始めた大量の出願は決して「愉快犯」ではなく「ビジネス」だと強調します。
「(商標には)盗むという概念はないんですよ、原則として。だから私自身は不正な利益は一切求めない。正当な利益を求めていく。(エイベックスには)当社と交渉の上、ライセンス許諾を受けた上、事業展開をするようにと警告書を発送しました」(上田育弘さん)
特許庁は「問題のある出願は却下されるので、もし他人から出願されても諦めないように」と注意を呼びかけています。