南京大虐殺犠牲者名簿8巻を出版、計1万3000人分を収録
12月 4, 2007
(中国通信=東京)南京3日発新華社電によると、「南京大虐殺史料集」55巻の重要な構成部分である「犠牲(殉難)同胞名簿」8巻が3日南京で出版された。この8巻の中には、計1万3000人の南京大虐殺犠牲同胞のかなり詳しい個人情報が収録されている。
2005年に「南京大虐殺史料集」28巻が出版されたのについで、南京大虐殺犠牲同胞70周年記念に際し、さらに27巻からなる「南京大虐殺史料集」が3日南京で初めて出版された。
新たに出版された史料集の中の「犠牲同胞名簿」8巻が多くの人々に注目されている。「犠牲同胞名簿」主要編集者である南京大学の姜良芹副教授は、2000年から、学者らは南京大虐殺「犠牲同胞名簿」の収集を始め、次々に編集したと述べた。
この名簿はカード方式で、公文書、口述資料および一般からの投稿などを基に、南京大虐殺犠牲者のかなり詳しい個人情報を収録しており、現在、収録されている犠牲者の情報カードは1万4961枚あり、重複調査者を除いて、今回の史料集には計1万3000人余りの個人情報が収録されている。
今回出版された名簿には、大虐殺の期間中に、日本軍が南京の市街地や近郊で、さまざまな方式で直接または間接的に殺害した罪のない民間人や武器を放棄した軍人が含まれている。
姜良芹氏は次のように説明している。「犠牲同胞名簿」に収録された南京大虐殺犠牲者の個人情報はかなり詳細なものであり、姓名、性別、年齢、本籍、住所、職業、殺された時期、場所、方法、調査者、陳述者などが含まれている。各犠牲者の名簿にはすべて史料と出所が揃っている。
年代が古いことや戦乱など多くの理由により、南京大虐殺同胞名簿の収録活動は困難をきわめた。1960年代以降、南京大学、南京師範大学、南京宇宙航空大学などの学生、侵華日軍(旧日本軍)南京大虐殺犠牲同胞記念館、南京党史部門および歴史学専門家が努力を傾けて入念な資料収集活動を進め、今回の名簿出版に条件をもたらした。
「南京大虐殺史料集」監修者で、南京大学南京大虐殺史研究所所長の張憲文氏は、南京大虐殺の具体的人数に関しては、極東国際軍事法廷と南京軍事法廷に、それぞれ明確な法的判定があり、疑いの余地はないと述べた。
「今回の犠牲者名簿出版は始まりに過ぎない」、「われわれは南京大虐殺犠牲同胞名簿の収集作業を継続する」、張憲文氏はこう語った。