トランプ大統領 就任1週間を前に演説 指導力をアピール

トランプ大統領 就任1週間を前に演説 指導力をアピール
k10010854811_201701271205_201701271207.mp4
アメリカのトランプ大統領は就任から1週間となるのを前に演説し、大統領令で、いわゆるオバマケアの見直しに踏み出したなどとして、みずからの指導力をアピールするとともに、「われわれは実行しなければならない」と述べ、議会での立法措置を急ぐよう求めました。
トランプ大統領は就任から1週間となるのを前に26日、東部ペンシルベニア州で演説しました。

この中でトランプ大統領は「数日の間にもかかわらず、アメリカの人々のもとに権限を取り戻すため、思い切った対応を取ってきた」と述べ、オバマ前大統領が推進した医療保険制度改革、いわゆるオバマケアの見直しに踏み出したなどと主張しました。

さらに、大統領令で打ち出したTPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱や、メキシコとの国境沿いの壁の建設、原油パイプラインの建設計画推進などの施策を次々に挙げ、みずからの指導力をアピールしました。

そして、与党・共和党の議員に対し、「われわれは実行しなければならない」と述べて、施策の実現に必要な議会での立法措置を急ぐよう求めました。

トランプ大統領が署名した大統領令は、これまでに13に上り、アメリカ国内では社会保障や、移民対策などの大幅な政策転換に反発や懸念の声も挙がっていますが、トランプ大統領は難民の受け入れを制限する大統領令なども打ち出す見通しで、今後、さらなる議論を呼ぶことになりそうです。

側近「メディアは黙っていろ」

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズはトランプ大統領の側近のバノン上級顧問兼首席戦略官がインタビューに対して、「メディアは抵抗勢力で、黙っていろ」と述べたと伝え、トランプ大統領や側近が、主要メディアに根深い不信感を抱いていることをうかがわせています。

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズの電子版は26日、前日の夜に行ったバノン氏との電話インタビューの内容を伝えました。

記事によりますと、バノン氏は大統領選挙で、トランプ氏の勝利を予測したメディアがほとんどなかったとして、「メディアは、この国を理解していないし、なぜトランプ氏が大統領なのか、今もわかっていない。メディアは恥ずかしく思うべきで、しばらく聞くだけにして黙っていろ」などと述べたということです。

さらに、ホワイトハウスの報道官がメディアが就任式の参加者を意図的に少なく見せたなどと主張したことについても、バノン氏は「メディアは誠実さがゼロ、知性もゼロで勤勉さもない。メディアは抵抗勢力だ」などと述べて、メディアを痛烈に批判したということです。

バノン氏は選挙期間中に、トランプ氏の過激な発言を支持していた保守系ニュースサイトの経営責任者から、選挙対策本部のトップに転じた側近中の側近で、インタビューの内容は、トランプ大統領や側近が主要メディアに対して根深い不信感を抱いていることをうかがわせています。