公明党は、「共謀罪」の構成要件を絞り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の国会提出を認める調整に入った。改正案の対象になる犯罪を政府が現在想定している676から300前後に減らせば、テロ対策として世論の理解が得られると判断した。改正案は今国会で成立する可能性が出てきた。
井上義久幹事長は27日の記者会見で「(法案の)必要性は認識している。国民の懸念をどこまで解消できるかだ」と指摘。「出せば成立を見込むのが基本だ」とも述べた。
「共謀罪」は、捜査当局の拡大解釈で人権侵害を生む恐れがあると批判され、過去に3回廃案になった。一方、安倍晋三首相は改正案について今国会で「かつての共謀罪とは違う」と繰り返し答弁しており、公明党が提出に慎重姿勢を取り続けるのは難しくなっていた。【高橋克哉】