いまだあふれかえる出会い系投稿
では、LINEのタイムライン問題はほぼ解決したと言っていいのだろうか。いや、そうでもなさそうだ。実際、先程私が例で挙げたようなその他のハッシュタグ、つまり「#プロフィール」「#友達募集」などで検索してみると、こちらも出会い系の投稿ばかりが見つかる。
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たまに違うものが混じっていると思えば業者の宣伝投稿や、必ずしも出会いは求めてはいないようなまったく無警戒な中高生による投稿だ。そして、そのような投稿には出会いを求めるコメントが多数つけられている。
見ていくと、友だちを募集するだけでは特に削除されないようだ。
「#友達募集 #profile 友達募集中でーす! 変態、男はNO! 女子歓迎だよ~! うちは女子だよ 小6だよ」
という投稿は削除されず、コメントが50以上もついて賑わっていた。「管理者から削除されたコメントです」という小学生女児との出会いを求めたらしきコメントは、私が閲覧した時点で9件もついていた。大人の男性からのコメントも多数ついていた。
運営会社としては、友だちとしてつながることは問題だが、タイムライン上で交流するだけなら問題ないという判断なのだろうか。しかし、みなさんが保護者だとして、自分の子どもが知らない大人の男性とこのようなやりとりをしていても安心していられるだろうか。
知らない人とつながる危険性を伝えよう
これまで何度も述べているが、LINEは他のSNSとは大きく異なる点がある。他のSNSではつながっただけではメッセージのやりとりくらいしかできないが、LINEなら友だちになった時点で通話ができてしまうのだ。つまり、会うための敷居がとても低く、子どもと悪い大人がLINEで通話していることを把握する手段もない。
これまでも、非公式ID交換掲示板で、同様の出会い目的の投稿は多数見かけた。しかし、あくまでそういうサイトを探して書き込んだり、友だち申請しなければ問題は起きなかった。ところが今の事態は、LINEの公式アプリ上で起きている。
確かに、LINE社は安全安心のための対応を始めている。しかし、それが間に合っているとは言えず、出会いたいと思って利用しているユーザーも多いため、危険が多いことは間違いない。
LINEはすでにインフラとなっており、子どもの利用を止めるのは難しいだろう。保護者はLINEの現状を知り、子どもに知らない相手とLINEで友だちとしてつながったり、出会ったりすることの危険性をしっかりと伝えるべきだ。年頃の子どもたちは軽率に書き込んだり会いに行ってしまうケースが多いため、くれぐれも気をつけて見守ってほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
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