「精神保健指定医」資格審査見直しへ

「精神保健指定医」資格審査見直しへ
重い精神障害がある患者に強制的な入院が必要かを判断する専門の医師の資格について、取得の際に不正が相次いだため、厚生労働省は新たに面接試験を導入するなど、審査の内容を見直すことになりました。
これは、27日開かれた厚生労働省の専門家会議で決まりました。

重い精神障害が理由で、他人に危害を加えるおそれがある患者などに対し、強制的な入院の必要性を判断する「精神保健指定医」という専門の医師の資格をめぐっては、これまでに全国で60人の医師が不正に取得していたことが明らかになり、厚生労働省は上司の指導医とともに全員の資格を取り消しました。

不正を行った医師らは、統合失調症など8つの症例について、十分な診療をしていないのに国に対して行ったように装ったリポートを提出していたほか、他人のリポートを使い回していたケースも確認されたということです。

厚生労働省は、実際に診療しているかを確かめる必要があるとして、審査にあたって新たにベテランの指定医による面接試験を導入することを決めました。

また、上司の指導医についても診療内容の確認などを義務づけることにしていて、厚生労働省はこうした見直しに必要な法案を今の通常国会に提出する方針です。