72代横綱 稀勢の里 明治神宮で奉納土俵入り

72代横綱 稀勢の里 明治神宮で奉納土俵入り
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大相撲の72代横綱に昇進した稀勢の里が、東京の明治神宮で奉納土俵入りを行い、ファンの前で初めて、「雲竜型」の土俵入りを披露しました。
稀勢の里は27日午後、明治神宮で、はじめに横綱推挙式に臨み、日本相撲協会の八角理事長から「品格力量抜群に付 横綱に推擧す」と書かれた横綱推挙状を受け取りました。

続いて、26日の綱打ちで作られた、真新しい純白の綱を引き締まった表情で受け取りました。

このあと、稀勢の里は初代・若乃花の三つぞろいの化粧まわしと、綱を締め、太刀持ちに田子ノ浦部屋の弟弟子の高安、露払いに松鳳山を従えて、奉納土俵入りを行いました。

緊張した表情の稀勢の里は、攻めと守りの両方を備えると言われる「雲竜型」の土俵入りを、ファンの前で初めて披露し、右手を斜め前に出しながら体を起こす、せり上がりを堂々と力強く見せました。

およそ1万8000人が訪れた明治神宮の境内は大勢の人で埋め尽くされ、稀勢の里に「日本一」と声援を送ったり、しこを踏むのに合わせて、「よいしょ」と、大きな掛け声をかけたりして土俵入りを見守り、大きな拍手をおくっていました。

「感謝の気持ち込めた」

稀勢の里は「無事に終えてよかったです。たくさんの方に見てもらえて、うれしかったし、ありがたかった」と心境を語りました。

そして、初めてファンの前で披露した雲竜型の土俵入りについて、「感謝の気持ちも込めて、一生懸命やった。メリハリよく、力強く、指先からつま先まで神経を通わせることを意識して、しっかり集中してやった」と、力強く話していました。

そして、横綱昇進に関する、さまざまな行事があった、この1週間を振り返り、「こんなに濃い1週間は15年間で初めてだし、一生忘れられない1週間になった。横綱としての責任も、ますます強くなっていくと思うし、これからだと思う」と、気を引き締めていました。

八角理事長「最初にしては立派」

奉納土俵入りを見届けた日本相撲協会の八角理事長は「来て下さった皆さんが、うれしそうに応援している姿を見て、感慨無量です。大相撲に携わってきて本当によかったなと感動した」と振り返りました。

そして、自身も横綱・北勝海として行っていた雲竜型の土俵入りの出来栄えについて、「私は緊張していた。最初にしては立派なもので腰がちゃんと割れていた。腰が割れているからこそ相撲も強いし、足腰が柔らかいからせり上がりもスムーズでした。今後、続けていけば稀勢の里の土俵入りができてくる」と話しました。

そのうえで、「期待されているというのを本人も実感したと思うが、これを重荷にしないで励みにして、精進してもらいたい」と今後への期待を寄せました。

集まった人 歴代2位の多さ

大相撲の72代横綱・稀勢の里が奉納土俵入りを行った明治神宮には、1万8000人が詰めかけました。

日本相撲協会によりますと、これは58代横綱の千代の富士の時の1万人を大きく上回り、65代横綱の貴乃花の時の2万人に次ぐ多さだということです。