「探偵物語」「あぶない刑事」「ビー・バップ・ハイスクール」を後に送り出す制作会社セントラル・アーツの原点であり、松田優作の出世作ともなった、日本ハードボイルド映画の金字塔「遊戯」シリーズを、セントラル・アーツ起動40年を記念し、Blu-rayBOXで発売いたします。
公開当時のロビーカード(各作品6枚、計18枚)とシリーズ中唯一制作された「処刑遊戯」の劇場公開時のパンフレットを縮小復刻、また3作品の魅力を振り返る解説書を付属予定!
“遊戯”シリーズとは?
70年代日本映画界に鮮烈に登場し、稀代の俳優・松田優作を一気にスターダムに押し上げた作品、「最も危険な遊戯」。
東映セントラルフィルム第1回制作作品であるこの映画は、邦画興行体制が変化していく中で、失われつつあったプログラムピクチャーの<核>となる娯楽性を指向しながら、それまでになかった斬新な世界観を出現させた。
これに続く「殺人遊戯」、「処刑遊戯」を含めた“遊戯”シリーズ3作品がまとう独特の世界観は、公開当時、若者たちに熱狂的に支持され、その後の日本映画やテレビドラマに大きな影響を与えた。「探偵物語」も「あぶない刑事」も、本シリーズがなければ生まれていなかったのである。
監督・村川透、主演・松田優作=鳴海昌平はじめ、制作スタッフもセントラル組で固められた“遊戯”シリーズ全3作品は、松田優作の代表作として、またハードボイルド映画の金字塔として、今も鈍い光を力強く発し続けている。
セントラル・アーツ 起動40周年
現セントラル・アーツ代表の黒澤満が企画として初めて名を残す作品は、東映セントラルフィルムという名の会社で制作された。当時の東映社長・岡田茂が映画製作費の大幅な削減を狙い立ち上げられた会社で、日活撮影所所長であった黒澤満もその職を辞した後、岡田に声をかけられ会社に参加し作品の企画等に携わる。独立プロ制作の作品の配給も並行して行う会社でもあったが、初めて制作した作品が「最も危険な遊戯」であった。黒澤満が面白いと思う映画=プログラム・ピクチュア=アクション、とする考えを受け企画されたこの作品が、当時公開された邦画のなかでも極めて特異なポジションを担い、熱狂的なファンを作り出した。その後制作会社としてセントラル・アーツが設立され(1980年)、黒澤が企画を担当する作品が数多く作られてゆく。松田優作主演作(「野獣死すべし」映画、TV・映画「探偵物語」、「それから」など)やアクションを推したテレビドラマ(「プロハンター」、「あぶない刑事」)、熱狂的なファンを作り出した「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズなど、その独自の作品カラーを愛するファンは数多い。1977年12月10日に設立された東映セントラルフィルム(1988年に解散)から起算し、黒澤満を中心とするセントラル組が動きだしてから2017年は40年目を迎える。
『最も危険な遊戯』
(1978年4月公開 89分)
大手電気会社の南条社長が誘拐され、小日向会長は5千万の謝礼で殺し屋・鳴海に救出を依頼する。その裏には巨大な陰謀が…。現代の巨大な財界機構もとでうごめく無数の陰謀と策略の中をハードに生きる一匹狼・鳴海昌平登場のシリーズ第1作。
脚本:永原秀一 監督:村川 透 撮影:仙元誠三 音楽:大野雄二
出演:松田優作 田坂圭子 荒木一郎 内田朝雄 草野大悟
『殺人遊戯』
(1978年12月公開 92分)
暴力団抗争の中、組長暗殺を依頼された殺し屋・鳴海は、敵対する組織にも同じ報酬で仕事を持ちかけ…。大都会の夜を駆ける殺し屋・鳴海昌平が活躍する、本格的和製ハードボイルドアクション、シリーズ第2弾!
脚本:播磨幸治 佐治 乾 監督:村川 透 撮影:仙元誠三 音楽:大野雄二
出演:松田優作 中島ゆたか 佐藤蛾次郎 草薙幸二郎 佐藤 慶
『処刑遊戯』
(1979年11月公開 100分)
殺し屋・鳴海は何者かに拉致され、仕事を強要される。ゆきずりのはずだったバーの弾き語りの影が見え隠れし…。黒いマグナム44を片手に大都会に生きる殺人プロフェッショナル・鳴海昌平、最後の遊戯が始まる。遊戯シリーズ第3弾!
脚本:丸山昇一 監督:村川 透 撮影:仙元誠三 音楽:大野雄二
出演:松田優作 りりィ 山西道広 森下愛子 佐藤 慶